まず、落ちたあなたへ——それは失敗ではない
具体的な話に入る前に、どうしても伝えておきたいことがあります。
iパスに一度落ちたことは、あなたの能力や努力を否定するものでは、まったくありません。iパスの合格率はおおむね50%前後。受けた人の半分近くが、その回では届かない年もあります。つまり、不合格は決して珍しいことではなく、そこから受かっていく人もたくさんいる、ということです。
むしろ、一度受験したあなたは、本番の空気も、問題のレベルも、すでに肌で知っています。これは、これから初めて受ける人にはない、大きなアドバンテージ。次は「どこを直せばいいか」が分かったうえで臨めるんです。
「向いていないのかな」と感じる気持ちは、よく分かります。でも、落ちたという事実は、あなたが歩みを止める理由にはなりません。一度つまずいたからこそ見えてくる景色がある——そう考えて、ここから一緒に立て直していきましょう。
それと、もし今がつらいなら、無理にすぐ机へ向かわなくても大丈夫です。落ちた直後は、誰でも気持ちが沈むもの。一日二日、少し離れて気持ちを整えてから再開しても、まったく遅くありません。iパスは急かしてくる試験ではありません。あなたのペースで、立ち上がるタイミングを選んでいいんです。
再受験のしくみ——iパスは立て直しやすい
iパスが「立て直しやすい試験」だと言えるのには、はっきりした理由があります。CBT方式という受け方のおかげです。
iパスは、全国のテストセンターに置かれたパソコンで、年間を通じて随時受けられます。年に1〜2回しかない一斉試験とは違い、自分の都合に合わせて受験日を選べる。だから、もし落ちてしまっても、次のチャンスがずっと先まで来ない、ということがないんです。
- iパスはCBT方式で、不合格でも長い待機期間はありません
- 次の受験の申し込みは、受験日の翌日以降に行えます
- 実際に受け直せる最短日は、テストセンターの空き状況によります
- 受験料は、何度受けても毎回同額がかかります
(再受験の細かなルールや受験料は、受験する年度の公式案内=IPA公式サイトで必ず確認してください)
要するに、「落ちたら何ヶ月も待たされる」という心配はいりません。気持ちと準備が整えば、比較的すぐに次の挑戦へ進めます。ただし、勢いで日程だけ詰めても、原因を直さなければ同じ結果になりがち。次に大切なのは、「なぜ届かなかったか」を冷静に見つめることです。
では、いつ受け直すのがいいのでしょうか。これは人によりますが、一つの考え方として、記憶がまだ新しいうちに立て直すと効率がよい、という面があります。せっかく積み上げた知識は、時間が経つほど薄れていくものだからです。
「あと少しだった」という手応えがあるなら、数週間ほどで弱点を補強し、勢いを保ったまま再挑戦するのも有力です。一方で、力不足を強く感じたなら、いったん腰を据えて基礎から組み直す期間をとってもいい。大切なのは日数そのものより、「直すべきところを直してから受ける」ことです。
落ちた原因を「分野」で見つける
立て直しの第一歩は、犯人探しではなく、原因の特定です。自分を責めるのではなく、データとして冷静に振り返ります。
iパスの合格には、総合600点に加えて、3分野(ストラテジ・マネジメント・テクノロジ)それぞれで300点以上、という条件があります。だから落ちたときは、「総合点が足りなかったのか」「特定の1分野が基準に届かなかったのか」を、まず切り分けてみてください。受験後に表示される分野ごとの結果が、大きなヒントになります。
合格に必要な2つの条件
ここで見落としやすいのが、2つめの「分野ごとの足切り」です。総合点は600点を超えていたのに、ある1分野だけ300点に届かず不合格——というケースは、実は珍しくありません。もし結果を見て思い当たるなら、その分野こそが、次にいちばん点を伸ばせる場所だということです。
わかりやすく言い換えると、苦手な1分野が足を引っ張って不合格になったのなら、その分野を重点的に補強すれば、合格はぐっと近づきます。たとえばテクノロジ系でソーシャルエンジニアリングやデータベースの基礎、ストラテジ系でクラウドサービスのしくみのような頻出テーマを取りこぼしていたなら、そこが次の伸びしろです。
逆に、全体的にあと少しだった、という場合は、特定分野ではなく、全分野の「あと一歩」を底上げする。原因が分かれば、やるべきことは自然と絞れてきます。闇雲にもう一周するより、ずっと効率がいいんです。
原因は、知識面だけとは限りません。よくあるのが、「勉強の絶対量が足りていなかった」「特定の分野だけ後回しにしていた」「問題演習が少なく、本番で焦ってしまった」といったパターンです。どれも、次に向けて十分に立て直せるものばかり。落ちた事実を、責める材料ではなく、改善点を教えてくれる材料として受け取れると、立て直しはぐっと前向きになります。
ここで一つ、気持ちの面でも大切なこと。原因を探すのは、自分のダメなところを数え上げるためではありません。次に直すポイントを見つけて、合格に一歩近づくための作業です。「ここを直せば届く」と分かること自体が、すでに大きな収穫なのです。
同じやり方を繰り返さない——立て直しの順番
原因が見えたら、立て直しです。ここでいちばん避けたいのは、「前と同じ勉強を、もう一度くり返す」こと。同じやり方では、同じところでつまずきやすいからです。
おすすめは、次の順番です。まず、間違えた問題・苦手な分野を、解説までしっかり読み込んで理解し直す。次に、その分野の過去問を繰り返し解いて、「思い出せる」状態にする。最後に、本番形式の通し演習で、3分野まぜこぜの感覚と時間配分に慣れる。
噛み砕いて言えば、「理解し直す → 解き直す → 通しで確かめる」の三段階です。前回の勉強で全体像はすでに一度つかんでいるはずなので、ゼロからやり直す必要はありません。弱かったところに的をしぼって、深く・繰り返し当たる。そのほうが、まんべんなくもう一周するより、はるかに短い時間で得点が伸びます。
意外と効くのが、前回の本番で「時間が足りなかった」「最初の難問で固まってしまった」といった、知識以外のつまずきの見直しです。iパスは問題を飛ばして後から戻れるので、「解ける問題から片づけて、難しいものは後回しにする」と決めておくだけでも、本来取れたはずの点を取りこぼしにくくなります。知識の補強と合わせて、解き方の作戦も一段アップデートしておきましょう。
たとえば「あと少しだった」人なら、最初の一週間で苦手分野の解説を読み込み、次の一週間で過去問を繰り返し、最後に通し演習を一、二回——といった具合に、二〜三週間ほどの短期集中で立て直せることも多いものです。もちろん、これも一例にすぎません。自分の生活リズムと、足りなかった量に合わせて、無理のない計画に調整してください。
- iパスの不合格は珍しくない。落ちたことは能力や努力の否定ではない
- CBT方式で立て直しやすい。次の申し込みは受験日の翌日以降に可能
- 受験料は毎回同額。細かいルールは公式案内で確認を
- まず原因を「総合点不足か/特定分野不足か」で切り分ける
- 同じやり方を繰り返さず、苦手分野の理解 → 過去問 → 通し演習の順で立て直す
そして、何よりも大切なこと。一度落ちたからといって、自分を責めすぎないでください。学習がうまくいかないのは、あなたの能力のせいではなく、やり方との相性の問題であることがほとんどです。やり方を変えれば、結果は変わります。一度の不合格は、合格への通過点。そう捉えて、もう一度、肩の力を抜いて挑んでいきましょう。
理解度チェック
ここまでの内容を、軽く確かめてみましょう。
ITパスポートに不合格だった場合の再受験について、正しいものはどれか。
- 一度落ちると、その年度はもう二度と受験できない
- 不合格なら半年以上あけないと再受験できない
- 待機期間はなく、受験日の翌日以降に申し込める
- 合格するまで自動的に毎月受験が予約される
解答は 3 である。
iパスはCBT方式で随時実施されており、不合格でも長い待機期間はない。次の申し込みは、受験日の翌日以降に行える。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 年度内も再受験できる |
| 2 | ✗ 誤り | 半年待つ決まりはない |
| 3 | ✓ 正解 | 翌日以降に申し込める |
| 4 | ✗ 誤り | 自動予約のしくみはない |
実際の受験日は会場の空き次第。詳細は公式案内で確認するとよい。
ITパスポートを再受験するときの受験料について、正しいものはどれか。
- 二回目以降は受験料が割引される
- 何度受けても、受験料は毎回同額がかかる
- 一度払えば合格まで追加料金はいらない
- 再受験のたびに受験料がどんどん高くなっていく
解答は 2 である。
iパスの受験料は、受けるたびに毎回同額がかかる。割引も割増もない。金額は受験年度の公式案内で確認しておくとよい。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 回数による割引はない |
| 2 | ✓ 正解 | 毎回同額がかかる |
| 3 | ✗ 誤り | 受けるたびに必要だ |
| 4 | ✗ 誤り | 回数で高くはならない |
費用の見通しが立てやすいのも、計画を組むうえで助かる点だ。
ITパスポートに落ちた後の向き合い方として、最も適切なものはどれか。
- もう向いていないと諦めて受験自体をやめる
- 落ちた原因を考えず、同じやり方で受け直す
- 運が悪かっただけと考え、何も復習せず再挑戦する
- 間違えた分野を復習してから、もう一度挑戦する
解答は 4 である。
落ちた原因を分野で見つけ、苦手を補強してから挑むのが立て直しの基本だ。同じやり方の繰り返しは、同じ結果を招きやすい。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | やめる理由にはならない |
| 2 | ✗ 誤り | 同じ失敗を繰り返しやすい |
| 3 | ✗ 誤り | 復習なしでは伸びにくい |
| 4 | ✓ 正解 | 苦手を直して再挑戦 |
弱点が見えたいま、あなたは前回より強くなっている。
一度の不合格で立ち止まりかけたあなたが、もう一度前を向けていたら、編集部としては嬉しいです。
落ちた分野を復習し直すなら、まずは短い4択で、苦手だったテーマの感触を確かめ直してみるのも一つの方法です。シカクエのアプリなら、1日10問から、弱点をしぼって少しずつ立て直していけます。
もちろん、市販の問題集で苦手分野を集中的にやり直すのも、まったく問題ありません。大事なのは、同じやり方をなぞらず、見えた弱点を一つずつ埋めていくことです。
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