親権とは(全体像)
親権とは、未成年の子の利益のために、親が世話・教育や財産管理を行う権利であり義務のこと。「権利」とあるが、子のための義務の面が強いのがポイント。
中身は大きく2つに分かれる。
- 身上監護 … 子の世話や教育。住む場所を決める、職業を許す、などが含まれる。
- 財産管理 … 子の財産を管理し、子に代わって契約などをする(法定代理)。
親権は子の利益のためにあるので、行使のしかたが子を害するときは、親権の喪失や停止といった制限を受けることもある。
詳しく:行使のしかたと最近の改正
ここが心臓部。誰が親権を行使するか、そして最近の改正点が問われる。
親権を誰が行使するか
| 場面 | 誰が親権者か |
|---|---|
| 婚姻中 | 父母が共同で行使する |
| 離婚後 | 父母の双方または一方を親権者と定める |
婚姻中は、父母が共同で親権を行使する。離婚後については、父母の双方または一方を親権者と定める(どちらにするかを選ぶしくみ。離婚後は当然に共同になるわけではない)。親権のしくみは改正が進んでいる分野なので、受験する年度の最新の内容を確認しておくとよい。
次に、最近の改正で変わった点。
最近の改正
| 項目 | 変更 |
|---|---|
| 懲戒権 | 廃止された(体罰などを正当化しない方向へ) |
かつて親権の中に「懲戒権」があったが、児童虐待を防ぐ観点から廃止された。子をしつけるという名目で体罰などを正当化できない、という方向への改正。
わかりやすく言い換えると
つまり、親権は「子のための、世話と財産管理の役目」。親の権利というより、子を守るための義務の色が濃い。
要するに、中身は「身のまわり(身上監護)+お金まわり(財産管理)」の2本立て。誰がやるかは「婚姻中は父母そろって/離婚後は双方か一方を選ぶ」。そして懲戒権は廃止、と覚えるとラク。
試験のツボ
🔴 一番出る:親権の内容(身上監護・財産管理)
①身上監護 = 世話・教育(居所の指定・職業の許可など)
②財産管理 = 子の財産の管理と、子に代わる契約(法定代理)
🔴 次に出る:行使のしかた
婚姻中は父母が共同で行使。離婚後は父母の双方または一方を親権者と定める。
🟡 押さえると安定:懲戒権の廃止
かつての懲戒権は廃止された。親権は子の利益のためのもの。
よくある間違い
①「親権は親の都合のための権利で、義務の面はない」→ ✗ 親権は子の利益のためのもので、義務の面が強い。
②「親権には今も懲戒権がある」→ ✗ 懲戒権は廃止された。
③「離婚後は当然に父母の共同親権になる」→ ✗ 離婚後は父母の双方または一方を親権者と定める(当然に共同ではない)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(親権の意義)
親権の意義に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 親権は、もっぱら親の利益のためだけの権利であって、義務の面はないものとされている
- 親権は、子の利益のために、監護教育と財産管理を行う親の権利であり義務とされる
- 親権は、成年に達した子に対しても当然に行使できるものとされている
- 親権は、行使のしかたが子を害しても、制限を受けることはないものとされている
解答は 2 である。
親権は、未成年の子の利益のために、監護教育と財産管理を行う親の権利であり義務なのだ。親の都合ではなく、子のためのものなのだよ。
選択肢1は「義務の面はない」とする点が誤りだ。選択肢3の「成年の子にも当然行使」、選択肢4の「制限を受けない」も誤り。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 子のためのもので義務の面が強い |
| 2 | ✓ | 子の利益のための権利であり義務で正しい |
| 3 | ✗ | 親権は未成年の子に対するもの |
| 4 | ✗ | 子を害するときは制限を受ける |
オリジナル問題2(親権の内容)
親権の内容に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 親権の内容は、身上監護と財産管理であり、子に代わって行う法定代理権も含まれる
- 親権には今も懲戒権が含まれ、しつけのための体罰は正当化されるものとされている
- 親権の内容は財産管理だけで、子の世話や教育はいっさい含まれないものとされている
- 親権の内容は身上監護だけで、子の財産を管理する権限は含まれないものとされている
解答は 1 だ。
親権の内容は、身上監護(世話・教育)と財産管理であり、子に代わる法定代理も含まれるのだ。2本柱で押さえるとよいのだよ。
選択肢2は懲戒権が今もあるとする点が誤り(廃止された)。選択肢3の「財産管理だけ」、選択肢4の「身上監護だけ」も誤り。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 身上監護・財産管理・法定代理で正しい |
| 2 | ✗ | 懲戒権は廃止された |
| 3 | ✗ | 身上監護も含まれる |
| 4 | ✗ | 財産管理も含まれる |
オリジナル問題3(離婚後の親権)
離婚後の親権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 離婚後は、必ず父母の一方だけが親権者となり、双方を親権者にはできないとされる
- 離婚後は、当然に父母の共同親権となり、親権者を定める必要はないものとされている
- 離婚後は、親権者を定めず、子が自分で親権者を選ぶものとされている
- 離婚後は、父母のうちの双方または一方を、その子の親権者と定めるものとされている
解答は 4 である。
離婚後は、父母の双方または一方を親権者と定めるのだ。離婚後に当然に共同となるわけではないのだよ。親権は改正が進む分野なので、受験する年度の最新の内容を確認しておくとよいのだ。
選択肢1の「必ず一方だけ」、選択肢2の「当然に共同」、選択肢3の「子が自分で選ぶ」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 双方を親権者とすることもできる |
| 2 | ✗ | 当然に共同ではなく定めが必要 |
| 3 | ✗ | 子が自分で選ぶわけではない |
| 4 | ✓ | 双方または一方を親権者と定めるで正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 親権の内容 = 身上監護(世話・教育)と財産管理(子に代わる法定代理を含む)の2本柱。
- 🔴 行使のしかた = 婚姻中は父母が共同。離婚後は父母の双方または一方を親権者と定める。
- 🟡 懲戒権の廃止 = かつての懲戒権は廃止。親権は子の利益のためのもの(改正が進む分野なので受験年度で要確認)。
次に学ぶ
- 離婚 ── 離婚のときに親権者を定める。親権の行使とセットで押さえる。
- 婚姻 ── 婚姻中は父母が共同で親権を行使する。その前提となる夫婦関係。
- 親子関係 ── 親権が及ぶ親子のつながりの全体像。あわせて理解する。
執筆: SikakuQuest編集部