婚姻とは(全体像)
婚姻とは、お互いの「結婚しよう」という意思に基づいて届出をすることで成立する、法律上の夫婦関係のこと。届出がカギで、式や同居だけでは法律上の夫婦にはならない。
成立に必要な主な要件は次のとおり。
- 婚姻意思の合致 … お互いに本当に結婚する意思があること
- 18歳以上 … 男女とも18歳以上(2022年改正で統一)
- 重婚でない … すでに配偶者がいる人は、重ねて婚姻できない
- 近親婚でない … 一定の近い親族どうしの婚姻はできない
- 届出 … 戸籍法に基づく届出をすること
成年年齢が18歳になったことに合わせ、未成年者の婚姻に必要だった親の同意のしくみもなくなった。
詳しく:最近の改正と日常家事の連帯責任
ここが心臓部。近年の改正点と、夫婦の借金の責任が問われる。
近年の改正でこう変わった
| 項目 | 変更 |
|---|---|
| 婚姻適齢 | 男女とも18歳に統一(かつては女性16歳) |
| 女性の再婚禁止期間 | 廃止された(かつては一定期間あった) |
| 未成年者婚姻への親の同意 | 不要になった(成年年齢18歳化に合わせて) |
次に、夫婦の借金についての「日常家事債務の連帯責任」。
日常家事の借金は夫婦が連帯責任
| 借金の種類 | 他方の配偶者は? |
|---|---|
| 日常の家事に関するもの(食費・光熱費など) | 連帯して責任を負う |
| 日常家事の範囲を超えるもの(事業の資金など) | 原則として責任を負わない |
夫婦の一方が日常の家事のためにつくった借金は、もう一方も連帯して責任を負う。家庭の暮らしに必要な範囲だからこそ。逆に、事業の資金など日常家事の範囲を超える借金は、原則として他方は責任を負わない。
わかりやすく言い換えると
つまり、婚姻は「届出で成立する法律上の夫婦」。気持ちや同居だけでは足りず、届出をして初めて法律上の夫婦になる。
要するに、最近の改正は「男女とも18歳・再婚禁止期間は廃止」がポイント。日常家事の連帯責任は「暮らしのための借金は二人の責任、事業のお金は別」と覚えるとラク。
試験のツボ
🔴 一番出る:婚姻適齢は男女とも18歳
2022年改正で統一された(かつては女性16歳)。
🔴 次に出る:日常家事債務の連帯責任
①日常の家事の借金 = 夫婦が連帯して責任を負う
②事業資金など範囲を超える借金 = 原則として他方は責任を負わない
🟡 押さえると安定:成立の要件と再婚禁止期間の廃止
婚姻は届出で成立。意思の合致・18歳・重婚や近親婚でないことが要件。女性の再婚禁止期間は廃止された。
よくある間違い
①「女性の婚姻適齢は16歳」→ ✗ 2022年改正で男女とも18歳に統一された。
②「夫婦の一方の借金は、どんな内容でも他方が連帯責任を負う」→ ✗ 連帯責任は日常家事の範囲のもの。事業資金などは原則負わない。
③「女性には今も再婚禁止期間がある」→ ✗ 再婚禁止期間は廃止された。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(婚姻の成立)
婚姻の成立に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 婚姻は届出によって成立し、婚姻適齢は男女のいずれも満18歳以上と定められている
- 婚姻は結婚式を挙げた時点で当然に成立し、届出はとくに必要ないものとされている
- 婚姻適齢は男性が18歳、女性が16歳のままであり、男女で異なるものとされている
- 婚姻は、すでに配偶者がいる者でも、重ねて自由にすることができるものとされている
解答は 1 である。
婚姻は届出によって成立し、婚姻適齢は男女とも18歳以上なのだ。2022年改正で男女が統一されたのだよ。
選択肢2は「式で当然成立・届出不要」とする点が誤りだ。選択肢3は適齢が男女で違うとする点で誤り。選択肢4の「重ねて婚姻できる」も誤りで、重婚は禁止されている。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 届出で成立・男女とも18歳で正しい |
| 2 | ✗ | 届出が必要。式だけでは成立しない |
| 3 | ✗ | 男女とも18歳に統一された |
| 4 | ✗ | 重婚は禁止されている |
オリジナル問題2(日常家事債務)
夫婦の日常家事債務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 夫婦の一方がつくった借金は、その内容を問わず、必ず他方も連帯して責任を負うとされている
- 夫婦の一方の借金については、たとえ日常の家事のためでも他方は一切責任を負わないとされる
- 夫婦の一方が事業の資金として借りた多額の借金も、当然に他方が連帯責任を負うものとされる
- 夫婦の一方が日常の家事のためにつくった借金は、他方も連帯して責任を負うものとされている
解答は 4 だ。
夫婦の一方が日常の家事のためにつくった借金は、他方も連帯して責任を負うのだ。暮らしに必要な範囲だからなのだよ。事業資金など範囲を超えるものは、原則として他方は責任を負わないのだ。
選択肢1は「内容を問わず連帯」とする点が誤りだ。選択肢2の「日常家事でも責任を負わない」、選択肢3の「事業資金も当然に連帯」も誤り。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 連帯責任は日常家事の範囲 |
| 2 | ✗ | 日常家事なら他方も連帯責任 |
| 3 | ✗ | 事業資金は原則範囲外 |
| 4 | ✓ | 日常家事の借金は連帯責任で正しい |
オリジナル問題3(最近の改正)
婚姻に関する近年の改正について、次の記述のうち正しいものはどれか。
- 女性にだけ、再婚するまでに一定の期間を空ける制度が新たに設けられたものとされている
- 未成年者が婚姻するには、これまで以上に厳しい親の同意が必要になったものとされている
- 女性の再婚禁止期間は廃止され、現在ではそのような期間を空ける制限は設けられていない
- 婚姻適齢は男女とも20歳に引き上げられ、18歳では婚姻できなくなったものとされている
解答は 3 である。
女性の再婚禁止期間は廃止され、いまはこのような期間の制限はないのだ。2024年4月の改正によるものなのだよ。
選択肢1は「新たに設けられた」とする点が誤り(廃止された)。選択肢2の「親の同意が厳しくなった」、選択肢4の「適齢が20歳」も誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 再婚禁止期間は廃止された |
| 2 | ✗ | 成年年齢18歳化で親の同意は不要に |
| 3 | ✓ | 再婚禁止期間は廃止されたで正しい |
| 4 | ✗ | 婚姻適齢は男女とも18歳 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 婚姻適齢は男女とも18歳 = 2022年改正で統一(かつては女性16歳)。婚姻は届出で成立する。
- 🔴 日常家事債務の連帯責任 = 暮らしのための借金は夫婦が連帯責任。事業資金など範囲を超えるものは原則負わない。
- 🟡 再婚禁止期間の廃止 = 女性の再婚禁止期間はなくなった。重婚・近親婚は禁止。
次に学ぶ
- 連帯債務 ── 複数人が責任を負うしくみ。日常家事債務の連帯責任を理解する土台になる。
- 意思表示 ── 法律関係をつくる意思の表し方。婚姻意思の合致を考える助けになる。
- 制限行為能力者 ── 年齢と判断能力を法が守るしくみ。婚姻適齢や成年年齢とあわせて整理する。
執筆: SikakuQuest編集部