権限の委任とは?法律の根拠と代理との違い

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

権限の委任とは(全体像)

権限の委任とは、行政庁が、法律の根拠に基づいて自己の権限の一部を下級の機関などに委ね、委任を受けた機関が自分の名と責任で行使するしくみのこと。

押さえる入口は2つ。

たとえば、大臣が地方の出先機関の長に権限を委任すると、その出先機関の長が自分の名で許認可を行う。委任した大臣は、その権限をもう自分では行使しない。


詳しく:法律の根拠と代理との違い

ここが心臓部。委任に法律の根拠が要ること、そして「代理」との違いを押さえる。

権限の委任の特徴

観点内容
法律の根拠必要(権限の所在が変わるため)
権限の帰属受任した機関に移る(委任庁は手放す)
だれの名で行うか受任した機関の名で行う

委任は権限の所在そのものを変えるので、法律の根拠が必要。そして、受任した機関が新たな行政庁となり、その機関の名で行為する。

次に、よく混同される「代理」との違い。

権限の委任と代理の違い

観点権限の委任権限の代理
権限の移転移る移らない
行政庁は誰か受任した機関もとの行政庁のまま
だれの名で行うか受任した機関の名もとの行政庁の名

いちばんの違いは、委任は権限が移るが、代理は移らないこと。委任では受任した機関が行政庁になるが、代理ではもとの行政庁が行政庁のままで、代理する機関がその名で代わりに行使する。

わかりやすく言い換えると

つまり、権限の委任は「権限ごと引っ越し」。権限が受任した機関に移り、その機関が自分の名で行う。委任した側は、その権限を手放す。

代理との違いは「委任は権限が移る/代理は移らない」。要するに、委任は所在が変わるので法律の根拠が必要、と覚えるとよい。


試験のツボ

🔴 一番出る:権限が移り、受任機関の名で行う

委任すると権限が受任した機関に移り、その機関が自分の名で行政庁として行為する。委任庁は権限を手放す。

🔴 次に出る:代理との違い

①委任 = 権限が移る(受任機関が行政庁)

②代理 = 権限は移らない(もとの行政庁のまま)

🟡 押さえると安定:法律の根拠が必要

権限の所在が変わるので、委任には法律の根拠が必要。


よくある間違い

「権限の委任には、法律の根拠は不要」→ ✗  権限の所在が変わるので、法律の根拠が必要。

「委任しても、権限は委任した行政庁に残る」→ ✗  権限は受任した機関に移り、委任庁は手放す。

「委任と代理はまったく同じもの」→ ✗  委任は権限が移るが、代理は移らない。別の制度。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(権限の委任の意味)

📝 オリジナル問題 1 権限の委任の意味

権限の委任に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 権限の委任をしても、権限は委任した行政庁にそのまま残るものとされている
  2. 権限の委任では、受任した機関ではなく委任庁の名で行為するものとされている
  3. 権限の委任は、法律の根拠がなくても自由に行えるものとされている
  4. 権限の委任では権限が受任した機関に移って、その機関が自分の名で行為を行う
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 4 である。

権限の委任では、権限が受任した機関に移り、その機関が自分の名で行為するのである。委任した行政庁は、その権限を手放すのだ。

選択肢1の「権限が残る」、選択肢2の「委任庁の名で行為」、選択肢3の「法律の根拠は不要」は、いずれも誤りである。

選択肢判定理由
1権限は受任機関に移る
2受任した機関の名で行為する
3法律の根拠が必要
4権限が移り受任機関の名で行為で正しい

オリジナル問題2(代理との違い)

📝 オリジナル問題 2 代理との違い

権限の委任と代理の違いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 権限の委任も代理も、どちらも権限が移転する点で同じであるものとされている
  2. 権限の委任では権限が移らず、代理では権限が移るものとされている
  3. 権限の委任では権限が移るが、代理では権限は移らないという点で異なる
  4. 権限の委任も代理も、どちらも権限が移らない点で同じであるものとされる
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 3 である。

権限の委任では権限が移るが、代理では権限は移らない点で異なるのである。委任は受任機関が行政庁となり、代理はもとの行政庁のままだ。

選択肢1の「どちらも移転」、選択肢2の委任と代理が逆、選択肢4の「どちらも移らない」は、いずれも誤りである。

選択肢判定理由
1代理は権限が移らない
2委任と代理の説明が逆
3委任は移る・代理は移らないで正しい
4委任は権限が移る

オリジナル問題3(法律の根拠)

📝 オリジナル問題 3 法律の根拠

権限の委任と法律の根拠に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 権限の委任は内部的な事項なので、法律の根拠はいっさい不要であるものとされる
  2. 権限の委任は権限の所在を変えるため、法律の根拠が必要であるとされている
  3. 権限の委任をしても、委任庁はその権限を手放さないものとされている
  4. 権限の委任では、受任した機関は行政庁にはならないものとされている
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 2 である。

権限の委任は権限の所在を変えるため、法律の根拠が必要である。所在を動かす以上、勝手にはできぬのだ。

選択肢1の「根拠は不要」、選択肢3の「委任庁が権限を手放さない」、選択肢4の「受任機関は行政庁にならない」は、いずれも誤りである。

選択肢判定理由
1所在が変わるため根拠が必要
2所在を変えるため法律の根拠が必要で正しい
3委任庁は権限を手放す
4受任した機関が行政庁になる

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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