会計参与とは(全体像)
会計参与は、会社の計算書類を、取締役などと一緒につくる役員である。会社のお金の計算を、専門家の目できちんと整える役割を担う。
押さえる軸は2つ。
- 会計に特化した役員 … 計算書類づくりが仕事で、会社の業務執行(経営の実務)には関わらない。
- 専門家しかなれない … 資格は公認会計士か税理士(およびその法人)に限られる。
「計算書類を取締役と共同でつくる、会計の専門家」と押さえると全体像がつかめる。
詳しく:資格と立場をおさえる
ここが記事の心臓部。会計参与でいちばん問われるのは、「誰がなれるか」と「何をしないか」である。
会計参与のポイント
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 仕事 | 取締役などと共同して計算書類を作成する |
| 資格 | 公認会計士(監査法人)または税理士(税理士法人)に限られる |
| しないこと | 会社の業務執行には関与しない |
| 設置 | 任意(中小企業の計算書類の信頼性向上が目的) |
| 任期 | 取締役と同じく原則2年 |
最大のポイントは、資格が公認会計士・税理士(およびその法人)に限られること。会計の専門家だけがなれる役員で、たとえば弁護士は会計参与にはなれない。
もう一つ大事なのが、会計参与は業務執行に関与しないということ。「役員」と聞くと経営の実務もやりそうに思えるが、会計参与の仕事は計算書類づくりに特化している。
なお、会計参与の設置は任意である。中小企業の計算書類の信頼性を高める目的で設けられた制度で、置くかどうかは会社が選べる。任期は取締役と同じく原則2年である。
わかりやすく言い換えると
要するに、会計参与は「会社の決算書づくりを手伝う、社外の会計のプロ」だと考えるとわかりやすい。
①誰がなれる … 会計のプロ、つまり公認会計士か税理士(とその法人)だけ。弁護士などはなれない。
②何をする … 取締役といっしょに計算書類をつくる。経営の実務(業務執行)には手を出さない。
③置くかどうか … 必ず置く役員ではなく、会社が任意で選んで置ける。
試験のツボ
🔴 一番出る:資格は公認会計士・税理士に限られる
①なれる人 = 公認会計士(監査法人)または税理士(税理士法人)
②なれない人 = 弁護士などは会計参与になれない
🔴 次に出る:業務執行には関与しない
①仕事 = 取締役と共同して計算書類を作成する
②しないこと = 会社の業務執行(経営の実務)
🟡 押さえると安定:会計参与の設置は任意。任期は取締役と同じく原則2年
よくある間違い
①「会計参与は誰でもなれる」→ ✗ 公認会計士か税理士(およびその法人)に限られる。
②「会計参与は業務執行も担う」→ ✗ 会計に特化し、業務執行には関与しない。
③「会計参与はすべての会社で必ず置く」→ ✗ 設置は任意で、会社が選べる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(会計参与の仕事)
会計参与に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 会計参与は、取締役の作成した計算書類が正しいかどうかを、あとから一人で監査する役員である
- 会計参与は、取締役などと共同して貸借対照表や損益計算書などの計算書類を作成する役員である
- 会計参与は、会社の経営方針を決め、業務執行を中心になって担う役員であるとされている
- 会計参与は、株主総会の議事を取りしきり、その進行を管理することを主な仕事とする役員である
解答は 2 である。
会計参与は、取締役などと共同して計算書類(貸借対照表や損益計算書など)を作成する役員である。
選択肢1の「一人であとから監査」は誤りで、共同して作成するのが会計参与である。選択肢3の「業務執行を担う」も誤りで、業務執行には関与しない。選択肢4の「株主総会の進行管理」も誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 一人で監査するのではなく共同して作成する |
| 2 | ✓ | 取締役と共同して計算書類を作成するで正しい |
| 3 | ✗ | 会計参与は業務執行には関与しない |
| 4 | ✗ | 株主総会の進行管理は会計参与の仕事ではない |
オリジナル問題2(資格)
会計参与の資格に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 会計参与になれるのは、原則として公認会計士(監査法人)または税理士(税理士法人)に限られる
- 会計参与は、株主であれば資格の制限はなく、誰でも自由になることができるものとされている
- 会計参与になれるのは弁護士(弁護士法人)に限られ、税理士や公認会計士はなれないとされている
- 会計参与は、その会社の取締役でありさえすれば、特別な資格がなくても就任できるものとされている
解答は 1 である。
会計参与になれるのは、公認会計士(監査法人)または税理士(税理士法人)に限られる。会計の専門家だけがなれる役員である。
選択肢2の「誰でもなれる」は誤り。選択肢3の「弁護士に限られる」も誤りで、なれるのは公認会計士・税理士である。選択肢4の「取締役なら資格なしでなれる」も誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 公認会計士・税理士(およびその法人)に限られて正しい |
| 2 | ✗ | 資格の限定があり、誰でもなれるわけではない |
| 3 | ✗ | 弁護士ではなく公認会計士・税理士がなれる |
| 4 | ✗ | 取締役であっても資格がなければなれない |
オリジナル問題3(立場と設置)
会計参与の立場や設置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 会計参与は会社の業務執行を中心になって担い、経営の実務を取り仕切る役員であるとされている
- 会計参与は、すべての株式会社で必ず設置しなければならないものと法律で定められている
- 会計参与は会社の業務執行には関与せず、計算書類の作成に特化しており、その設置は任意である
- 会計参与の任期は10年と定められており、取締役の任期よりも長いものとされているのである
解答は 3 である。
会計参与は会社の業務執行には関与せず、計算書類づくりに特化している。また、設置は任意で、会社が置くかどうかを選べる。
選択肢1の「業務執行を担う」は誤り。選択肢2の「すべての会社で必ず設置」も誤りで、設置は任意である。選択肢4の「任期10年」も誤りで、任期は取締役と同じく原則2年である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 会計参与は業務執行には関与しない |
| 2 | ✗ | 設置は任意で、必ず置くものではない |
| 3 | ✓ | 業務執行に関与せず、設置は任意で正しい |
| 4 | ✗ | 任期は原則2年で、取締役と同じである |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 資格 = 公認会計士(監査法人)または税理士(税理士法人)に限られる。
- 🔴 立場 = 取締役と共同で計算書類を作成し、業務執行には関与しない。
- 🟡 設置と任期 = 設置は任意。任期は取締役と同じく原則2年。
次に学ぶ
- 監査役 ── 取締役を監査する役員。計算書類を「つくる」会計参与と「チェックする」監査役の違いで押さえると混ざらない。
- 取締役 ── 会計参与と共同して計算書類を作成する相手。役員どうしの関係を整理すると理解が深まる。
執筆: SikakuQuest編集部