大学生が行政書士を取る意味

公開: 更新: カテゴリ: 学習法・キャリア

結論——学生のうちに取る価値は、大きい

まず、いちばん気になるところから。大学生が行政書士に挑戦することには、十分な意味があります。

理由は三つあります。就活で「学ぶ力」を示せること。法律の知識が、将来どんな道に進んでも土台になること。そして、時間に余裕のある学生だからこそ、まとまった勉強に取り組みやすいこと。

ただし、ひとつだけ、はっきりさせておきたいことがあります。それは、「資格を取れば、それだけで安泰」ではない、ということ。率直に言えば、資格は持っているだけでは、ただの肩書きです。大事なのは、それをどう使い、どう語るか。そこまで含めて考えてこそ、行政書士は学生にとって本当の武器になります。

つまり、「取る意味があるか」と「取れば十分か」は別の話。前者の答えはイエスですが、後者はノー。では、その両面を、ひとつずつ見ていきましょう。

周りを見渡せば、在学中に簿記や英語の資格に挑む人は多いはずです。それと地続きの感覚で、もう一歩踏み込んで国家資格に挑んでみる。そう考えれば、行政書士は決して、手の届かない遠い目標ではありません。


学生も受験できる——資格に制限はない

まず気を楽にしてほしいのが、受験資格の話です。行政書士試験には、受験資格がありません。年齢も、学年も、学部も問われません。

つまり、大学1年生でも、4年生でも、文系でも理系でも、誰でも受けられます。「法学部じゃないから無理かな」と思っている人もいるかもしれませんが、それは関係ありません。受けようと思えば、今すぐ挑戦できるんです。

学年も学部も、行政書士試験は問わぬ。法学部であろうとなかろうと、挑む意志さえあれば、誰もが同じ一線から始められるのである。学生という立場は、不利には働かぬ。

しかも、合否を決めるのは絶対評価です。決められた点を取れば、全員が合格できます。誰かと競って席を奪い合うわけではないので、「経験豊富な社会人に負ける」という心配もいりません。自分が基準に届けばいい、というシンプルな試験です。

国家資格でありながら、これだけ誰にでも門戸が開かれているのは、将来を見すえて挑む学生にとって、心強い性質です。思い立ったその学年から、すぐにスタートを切れるのですから。


学生が取ることのメリット

では、なぜ学生のうちに取ると良いのか。そのメリットを見ていきましょう。

いちばん大きいのは、時間の余裕です。社会人は、仕事のあいまに勉強時間をひねり出さなければなりません。でも、学生には、まとまって学べる時間があります。長期休みを使えば、集中して一気に進めることもできます。これは、人生のなかでも貴重な、勉強に向いた時期なんです。

ふたつ目は、就職活動での価値です。行政書士の合格は、「目標を立てて、計画的に努力し、やり遂げた」という事実の証明になります。これは、どんな業界でも評価される力です。法律の専門職に進まなくても、「学ぶ力のある人だ」と伝わるんです。

就活では、多くの学生が似たような自己アピールをします。そのなかで、「在学中に国家資格を取った」という事実は、言葉だけでない、目に見える裏づけになります。派手なエピソードがなくても、こつこつ努力できる人だと、静かに、しかし確かに示せるんです。

そして三つ目は、法律の知識そのものが、社会に出てからの土台になること。たとえば、憲法の国民主権法の支配といった考え方は、社会の仕組みを理解する基礎になります。要するに、ビジネスでも日常でも、「ルールがどう作られ、どう動くか」を知っていることは、静かに効いてくる強みなんです。


法学部生・非法学部生、それぞれの意味

行政書士を取る意味は、所属する学部によっても、少し色合いが変わります。

法学部の学生にとっては、授業で学んだ知識を「実際に使える形」に変えるチャンスです。大学の講義は、ともすると理論が中心になりがち。でも、行政書士試験を通せば、その知識が試験という実戦で通用するレベルまで磨かれます。学んだことが点数という結果につながると、勉強そのものが面白くなる、という効果もあります。

一方、法学部以外の学生にとっては、行政書士は強力な差別化になります。経済学部や、理系の学生が法律系の国家資格を持っていると、「専門の枠を超えて学べる人」という印象を与えられます。わかりやすく言い換えると、人と違う武器を、ひとつ余分に持てるということです。

加えて、資格の勉強は、大学の授業にも良い影響を与えることがあります。試験勉強で法律の全体像を先につかんでおくと、個々の講義の理解が一段と深まるからです。資格の勉強と大学の勉強は、切り離されたものではなく、互いに支え合う関係になり得るんです。

どちらの場合も、共通して言えるのは、法律という「社会のルールを読む力」が身につくこと。この力は、どんな進路を選んでも、長く役に立ちます。


資格を、本当の武器に変えるには

ここで、最初にお話しした「取れば安泰ではない」という点に戻ります。学生が陥りやすいのが、「資格を取ること」をゴールにしてしまうこと。でも、本当に大事なのは、その先です。

たとえば就活で、ただ「行政書士に合格しました」と書くだけでは、強い武器にはなりません。大切なのは、「なぜ挑戦したのか」「どう工夫して合格まで続けたのか」を、自分の言葉で語れること。つまり、資格そのものより、そこに至るプロセスを語れることが、評価につながります。

また、行政書士として扱う行政法の行政行為のような知識も、「知っている」だけでなく、「それが社会でどう働くか」まで理解していると、面接でも深みのある話ができます。

個人的には、学生のうちに資格に挑戦する最大の価値は、合格そのものより、「自分で目標を決めて、最後までやり抜いた」という経験にあると思っています。その経験は、肩書き以上に、あなたという人を形づくります。


学業やバイトと、どう両立するか

「授業もあるし、バイトもサークルもある。そんな中で本当に勉強できるのか」。そう不安に思う人もいるでしょう。でも、学生生活と受験勉強は、工夫しだいで両立できます。

ポイントは、生活のなかにある細切れの時間を生かすことです。通学の電車、授業の合間の空きコマ、バイトの前のちょっとした時間。一日のなかには、5分、10分のすきまが意外とたくさんあります。そこに「一問だけ解く」を差し込んでいくと、机にしっかり向かう時間が少なくても、勉強は着実に前へ進みます。

たとえば、毎日の通学時間を「動く自習室」と考えてみる。往復で1時間あれば、それだけで月に20時間以上になります。場所を変えず、生活の流れのなかで、勉強量を積み上げていけるんです。

そして、長期休みは大きなチャンスです。夏休みや春休みのまとまった時間を使えば、集中して一気に力を伸ばせます。社会人にはなかなか作れない、この「まとまった自由時間」こそ、学生の特権です。

もうひとつ大切なのは、無理をしすぎないこと。学業がおろそかになっては本末転倒です。サークルや友人との時間も、学生のうちにしか得られない大切な財産。資格は、そうした時間を削って取るものではなく、すきま時間を生かして、学生生活と並べて取るもの。そう考えると、ぐっと気持ちが楽になります。


卒業の先に、広がる選択肢

最後に、行政書士を取った学生に、どんな道が開けるのか。少しのぞいてみましょう。

ひとつは、就職での選択肢の広がりです。法律事務所や、許認可に関わる企業など、資格を生かせる職場の候補が増えます。もちろん、まったく違う業界に進んでも、「学ぶ力の証明」として武器になります。

もうひとつは、将来の独立という種を持てること。すぐに開業する必要はありません。まずは就職して経験を積み、いつか独立を考えるときに、資格という土台がすでにある。その安心感は、人生の選択肢を広げてくれます。

さらに、ほかの法律系資格へのステップにもなります。行政書士で身につけた法律の基礎は、司法書士や、ほかの難関資格を目指すときの足場になります。学生のうちに最初の一歩を踏み出しておくことは、その後の挑戦を、ぐっと身近にしてくれるんです。

そして、これらの道は、どれかひとつを選ばなければならないものではありません。就職して経験を積みながら、いつか独立を考える。働きながら、次の資格に挑む。資格という土台があれば、人生のいろいろな場面で、選べる道が一本増えます。大事なのは、その選択肢を、若いうちに手にしておくことです。



理解度チェック

ここまでの内容、どれくらい身についたかチェックしてみよう。

📝 オリジナル問題 1 学生と受験資格

大学生の行政書士受験について、正しいものはどれか。

  1. 法学部の学生でなければ受験できない決まりだ
  2. 卒業しないと受験できないとされる
  3. 学年も学部も問われず学生でも受験できる
  4. 在学中の合格は資格として認められないとされる
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 3 である。

行政書士試験には、受験資格がない。つまり、学年も学部も問われず、大学生でも誰でも、同じ土俵で挑戦できるのだ。

選択肢判定理由
1✗ 誤り学部は問われない
2✗ 誤り在学中でも受験できる
3✓ 正解学生も受験できる
4✗ 誤り在学中の合格も有効

要するに、学生という立場は、不利には働かないのである。

📝 オリジナル問題 2 学生が取るメリット

学生が行政書士を取るメリットとして、正しいものはどれか。

  1. 取れば就職が必ず約束されるからである
  2. 時間に余裕があり集中して学びやすい
  3. 学生は試験で加点されるからだ
  4. 合格すれば授業がすべて免除されるとされる
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 2 である。

学生の強みは、まとまった時間が取りやすいこと。わかりやすく言い換えると、長期休みなどを使い、集中して勉強を進めやすい立場にあるのだ。

選択肢判定理由
1✗ 誤り就職を約束はしない
2✓ 正解時間の余裕が強み
3✗ 誤り試験での加点はない
4✗ 誤り授業免除とは無関係

つまり、勉強に向いた時期を生かせるのが学生の利点なのである。

📝 オリジナル問題 3 資格の使い方

資格を本当の武器にする考え方として、正しいものはどれか。

  1. 挑戦の理由や工夫を自分の言葉で語れること
  2. とにかく資格名をできるだけ多く並べるべきだ
  3. 取得した事実だけで評価は十分に決まる
  4. 合格したら勉強はもう続けなくてよくなる
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 1 である。

資格は、持っているだけでは肩書きにすぎぬ。つまり、なぜ挑み、どう続けたかを語れてこそ、それは本当の武器になるのだ。

選択肢判定理由
1✓ 正解過程を語れることが鍵
2✗ 誤り数を並べても響かない
3✗ 誤り取得だけでは不十分
4✗ 誤り学びは続けて生きる

要するに、資格そのものより、その使い方が価値を決めるのである。


「学生のうちに挑戦する価値はある」と感じてもらえたなら、編集部としてはとても嬉しいです。

受験資格はなく、時間のある学生だからこそ集中して学べる。合格は就活での「学ぶ力」の証明になり、法律の知識は将来の土台になります。ただし、取って終わりにせず、どう使い、どう語るかまで考えること。完璧な準備を待つより、まずは今日、一問解いてみる。その小さな一歩が、いちばん確かなスタートになります。

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