TL;DR(30秒で結論)
- 在職定時改定は、2022年(令和4年)4月から始まった仕組みである。
- 対象は、65歳以上70歳未満で厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている人。
- 基準日は毎年9月1日。この日に厚生年金の被保険者であることが条件になる。
- 反映されるのは、前年9月から当年8月までの加入期間である。
- 年金額が変わるのは10月分から。実際に受け取るのは12月になる。
- それまでは、退職するか70歳になるまで働いた分が反映されなかった。
在職定時改定とは(全体像)
65歳を過ぎても働き続けると、厚生年金の保険料を払い続けることになる。払った分は、当然、年金額に反映されるはずである。
ところが2022年3月までは、その反映が退職したときか70歳になったときまで待たされていた。70歳まで働けば、5年ぶんの保険料が年金額に反映されないまま過ぎることになる。
これを毎年見直す形に変えたのが在職定時改定である。2022年4月から始まった。
詳しく:9月1日・10月分・12月
日付が3つ出てくるので、それぞれ何の日かを分けて持っておくのがこの論点の要である。
在職定時改定のキホン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始時期 | 2022年(令和4年)4月 |
| 対象になる人 | 65歳以上70歳未満で厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている人 |
| 基準日 | 毎年9月1日。この日に被保険者であることが条件 |
| 反映される期間 | 前年9月から当年8月までの厚生年金の加入期間 |
| 改定されるのは | 10月分の年金額から |
| 受け取るのは | 12月の支払分から |
| 改正前の扱い | 退職時または70歳到達時まで反映されなかった |
つまり、9月1日は基準日、10月分から金額が変わり、12月に受け取るという流れである。
わかりやすく言い換えると
要するに、「働いた分を、辞めるまで待たずに毎年足す」ようにした改正である。
年金は偶数月に、前の2か月分がまとめて支払われる。10月分と11月分は12月に支払われるので、「10月分から改定」と「12月に受け取る」がずれて見えるが、同じことを指している。
対象が70歳未満なのは、70歳になると厚生年金の被保険者ではなくなるためである。
試験のツボ
- 開始は2022年4月。
- 対象は65歳以上70歳未満。
- 基準日は9月1日。
- 改定は10月分から、受け取りは12月から。
- 反映されるのは前年9月から当年8月までの加入期間である。
よくある間違い
- 対象年齢を60歳以上と覚える。65歳以上70歳未満である。
- 基準日を4月1日と覚える。9月1日である。
- 改定が翌年4月からだと覚える。その年の10月分からである。
- 改正前も毎年反映されていたと覚える。退職時か70歳到達時まで反映されなかった。
試験での出題パターン
オリジナル問題1(対象になる人)
在職定時改定の対象となる人に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 対象は60歳以上65歳未満で厚生年金に加入している人である
- 対象は70歳以上75歳未満で厚生年金に加入している人である
- 対象は65歳以上70歳未満で厚生年金に加入している人である
- 対象は年齢を問わず厚生年金に加入している人すべてである
解答は 3 である。
対象は65歳以上70歳未満で、厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている人である。
70歳未満で切れているのは、70歳になると厚生年金の被保険者ではなくなるためである。加入していない以上、毎年見直す対象にもならないのである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 65歳未満は対象ではない |
| 2 | ✗ | 70歳以上は被保険者でない |
| 3 | ✓ | 65歳以上70歳未満が対象 |
| 4 | ✗ | 年齢の条件がある |
オリジナル問題2(基準日)
在職定時改定の基準日に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 基準日は毎年9月1日で、この日の加入状況で判定する
- 基準日は毎年4月1日で、この日の加入状況で判定する
- 基準日は毎年1月1日で、この日の加入状況で判定する
- 基準日は毎年12月1日で、この日の加入状況で判定する
解答は 1 だっ。
基準日は毎年9月1日だっ。この日に厚生年金の被保険者であることが条件になるんだっ。
9月1日で区切って、前年9月から当年8月までの加入期間を反映する。だから「9月で締めて、10月分から反映」という流れになるんだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 基準日は9月1日 |
| 2 | ✗ | 4月1日は改正の施行時期 |
| 3 | ✗ | 1月1日は基準日ではない |
| 4 | ✗ | 12月は受け取りの月 |
オリジナル問題3(改定される時期)
在職定時改定で年金額が改定される時期に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 改定は翌年の4月分からで、受け取りは6月の支払分となる
- 改定は基準日の9月分からで、受け取りは10月の支払分となる
- 改定は翌年の1月分からで、受け取りは2月の支払分となる
- 改定はその年の10月分からで、受け取りは12月の支払分だ
解答は 4 だよ。
改定されるのはその年の10月分からで、実際に受け取るのは12月の支払分だよ。
年金は偶数月に前の2か月分がまとめて支払われるから、10月分と11月分は12月に届くんだ。「10月分から改定」と「12月に受け取る」は、ずれているように見えて同じことを言っているんだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 翌年4月まで待つ形ではない |
| 2 | ✗ | 9月は基準日のある月 |
| 3 | ✗ | 1月分からではない |
| 4 | ✓ | 10月分から改定し12月受取 |
まとめ
押さえどころ
覚えるのは3つの月である。基準日は9月1日、改定は10月分から、受け取りは12月。そこに「対象は65歳以上70歳未満」を足せば、この論点は形になる。
改正の意味は一言でいえば、働いた分を辞めるまで待たずに毎年足すようにしたことである。
次に学ぶ
在職中の年金には、もうひとつ在職老齢年金という仕組みがある。こちらは賃金と年金の合計が一定額を超えると年金の一部が支給停止になるもので、増やす側の在職定時改定とは方向が逆である。名前が似ているので、分けて確認しておきたい。