相続時精算課税2024改正とは?|FP3級で押さえる本質をシンプルに解説

公開: 更新: カテゴリ: 法改正時事

30秒で結論

TL;DR(30秒で結論)

相続時精算課税2024改正とは(全体像)

贈与税には2つの計算のしかたがある。原則の暦年課税と、選んで使う相続時精算課税である。

相続時精算課税は、生前に受けた贈与をいったん軽い負担で受け取っておき、相続のときにまとめて精算するしくみである。これを選ぶと、その贈与者からの贈与について暦年課税には戻れない。

2023年(令和5年)度の税制改正で、この制度に年110万円の基礎控除が新しく設けられた。対象は2024年1月1日以後に特定贈与者から受けた贈与である。

改正前は、相続時精算課税を選ぶと毎年の基礎控除が使えなかった。改正後は、毎年110万円までの部分について基礎控除が使える形になった。

詳しく:暦年課税の110万円とは別の枠

ここでいちばん問われるのが、暦年課税の基礎控除との関係である。

相続時精算課税2024改正のキホン

項目内容
新しく設けられたもの年110万円の基礎控除
対象となる贈与2024年1月1日以後に特定贈与者から受けたもの
暦年課税の基礎控除との関係別の枠(同じ枠を分け合うのではない)
制度の選択いったん選ぶと暦年課税には戻れない(改正後も同じ)
暦年課税側の基礎控除年110万円で変更なし

金額はどちらも110万円だが、同じ枠ではない。相続時精算課税を選んだ贈与者からの贈与には相続時精算課税の110万円、それ以外の人からの贈与には暦年課税の110万円が、それぞれ働く。

つまり、同じ110万円という数字が2か所に出てくるが、働く場面が違う。数字が同じなので混ざりやすいところである。「金額は同じ、枠は別」と覚えておくとよい。

わかりやすく言い換えると

要するに、相続時精算課税にも毎年の非課税枠ができたということである。

これまでは「相続時精算課税を選ぶと、毎年の110万円は使えない」という形だった。改正後は選んでも110万円が使えるので、選ぶことの不利が1つ減ったといえる。

ただし、いったん選ぶと暦年課税に戻れないという性質は変わっていない。ここは改正されていないので、そのまま押さえておきたい。


試験のツボ

よくある間違い

試験での出題パターン

オリジナル問題1(新設された基礎控除の額)

📝 オリジナル問題 1 相続時精算課税の基礎控除

2024年からの相続時精算課税に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 相続時精算課税に、年100万円の基礎控除が新しく設けられた
  2. 相続時精算課税に、年200万円の基礎控除が新しく設けられた
  3. 相続時精算課税に、年110万円の基礎控除が新しく設けられた
  4. 相続時精算課税に、年210万円の基礎控除が新しく設けられた
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 3 だよ。

新しく設けられたのは年110万円の基礎控除だよ。暦年課税の基礎控除と同じ金額なんだ。

100万円は、暦年課税の生前贈与加算で「延長された4年分の総額」として出てくる数字だよ。似ているけれど別の話だね。

選択肢判定理由
1100万円は生前贈与加算の数字
2200万円という枠は無い
3年110万円で正しい
4210万円という枠は無い

オリジナル問題2(適用が始まる時期)

📝 オリジナル問題 2 新しい基礎控除の適用開始

相続時精算課税の新しい基礎控除が適用される贈与に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 新しい基礎控除は、2023年1月1日以後の贈与から適用される
  2. 新しい基礎控除は、2025年1月1日以後の贈与から適用される
  3. 新しい基礎控除は、2026年1月1日以後の贈与から適用される
  4. 新しい基礎控除は、2024年1月1日以後の贈与から適用される
プランリス
プランリス 解答・解説

解答は 4 だっ。

2024年(令和6年)1月1日以後に、特定贈与者から受けた贈与が対象だよっ。

暦年課税の7年加算と同じ日から始まっているんだっ。2つの改正はセットで覚えると楽だよっ。決まったのは2023年度の税制改正だから、そこと混ぜないようにねっ。

選択肢判定理由
1改正が決まった年度と混同
22025年からではない
32026年からではない
42024年1月1日以後の贈与が対象

オリジナル問題3(暦年課税との関係)

📝 オリジナル問題 3 暦年課税の基礎控除との関係

相続時精算課税の基礎控除と暦年課税の基礎控除の関係として、正しいものはどれか。

  1. この基礎控除は、暦年課税の基礎控除と同じ枠から差し引かれる
  2. この基礎控除は、暦年課税の基礎控除とは別の枠として使える
  3. この基礎控除は、暦年課税を選んだ人だけが使えるものである
  4. この基礎控除は、相続時精算課税をやめた人だけが使えるのだ
マネケンジャ
マネケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

金額はどちらも110万円だが、枠は別である。相続時精算課税を選んだ贈与者からの贈与にはこちらの110万円が、それ以外の人からの贈与には暦年課税の110万円が、それぞれ働くのである。

数字が同じであるために、1つの枠を取り合うように見せる選択肢が作られやすい。金額は同じ、枠は別——この形で押さえておけば迷わないのである。

選択肢判定理由
1同じ枠から引くのではない
2別枠として使える
3相続時精算課税を選んだ人の話
4やめた人が使うものではない

まとめ

押さえどころ

覚えるのは3点である。年110万円の基礎控除が新設対象は2024年1月1日以後の贈与暦年課税の基礎控除とは別枠

そして、いったん選ぶと暦年課税に戻れないという性質は改正されていない。ここを「戻れるようになった」とする選択肢が出たら誤りである。

次に学ぶ

同じ2024年1月1日から、暦年課税の生前贈与加算が3年から7年に延びる改正も始まっている。2つは同じ日にスタートしているので、110万円と100万円という似た数字を含めて、並べて整理しておくとよい。

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