TL;DR(30秒で結論)
- 新NISAは、2024年1月から始まった、投資の利益に税金がかからない制度。それまでの「つみたてNISA」と「一般NISA」がひとつにまとまった。
- 枠は2つ。つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円。両方を同時に使えて、合わせて年360万円まで。
- 一生のうちに持てる非課税の上限は1,800万円。ただしそのうち成長投資枠で使えるのは1,200万円まで。
- 非課税で持てる期間は無期限。制度そのものも恒久化された。
- 売れば、その分の枠は翌年以降に戻ってくる(取得金額ぶん)。
ここまで押さえれば、FP3級で問われる形はほぼ足りる。
新NISA 2024とは(全体像)
新NISAは、2024年1月にスタートした非課税投資の制度である。
それまでのNISAには「つみたてNISA」と「一般NISA」の2種類があり、どちらか一方しか選べなかった。新NISAでは、この2つがそれぞれ「つみたて投資枠」「成長投資枠」として引き継がれ、同じ年に両方を使えるようになった。
数字も大きくなった。つみたて投資枠は、つみたてNISAの3倍にあたる年120万円。成長投資枠は、一般NISAの2倍にあたる年240万円。合わせると年360万円まで投資できる。
さらに大きいのが、期間の扱いである。旧制度では非課税で持てる期間に上限があった。新NISAでは無期限になり、制度自体も恒久化された。「いつまでに使わないと」という期限を気にしなくてよい形になっている。
詳しく:2つの枠と1,800万円
新NISAの数字は、年単位のものと一生単位のものの2種類がある。ここを分けて覚えると混ざらない。
新NISAのキホン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| つみたて投資枠 | 年120万円(つみたてNISAの3倍) |
| 成長投資枠 | 年240万円(一般NISAの2倍) |
| 併用した合計 | 年360万円まで |
| 生涯の非課税保有限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) |
| 非課税で持てる期間 | 無期限(制度も恒久化) |
| 売却したとき | 取得金額のぶんだけ翌年以降に枠が復活 |
年単位(1年に投資できる額)
- つみたて投資枠:120万円
- 成長投資枠:240万円
- 併用して合計:360万円
一生単位(非課税で持てる残高の上限)
- 全体:1,800万円
- うち成長投資枠で使えるのは:1,200万円まで
つまり、年に入れられる額と、一生で持てる額は別ものである。ここでよく問われるのが、1,800万円と1,200万円の関係である。1,800万円は全体の上限で、その内側に「成長投資枠は1,200万円まで」という枠がある。つまり、つみたて投資枠だけで1,800万円を埋めることはできるが、成長投資枠だけで1,800万円を埋めることはできない。
そしてもうひとつが、枠の復活である。保有している商品を売った場合、その商品を買ったときの金額(取得金額)のぶんだけ、翌年以降に非課税の枠が戻ってくる。要するに、使い切ったら終わりではなく、繰り返し使える形になっている。
わかりやすく言い換えると
1,800万円という「一生ぶんの容れ物」があると考えるとよい。
この容れ物には、年に360万円まで入れられる。中身のうち、成長投資枠で入れられるのは1,200万円まで。そして中身を取り出すと、取り出した分の空きが翌年にまた使える。
容れ物の中にある間は、増えた分に税金がかからない。しかも置いておける期間に期限がない。
試験のツボ
- 数字は5つ。120万円・240万円・360万円・1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)。この5つの数字がそのまま問われる。
- 併用できる。旧制度との最大の違いはここ。「選択制」と書いてあれば旧制度の話。
- 非課税期間は無期限。「20年」「5年」は旧制度の数字。
- 枠は復活する。復活するのは「取得金額ぶん」で、売却額ではない。しかも翌年以降であって、売ったその年ではない。
よくある間違い
- 1,200万円を「つみたて投資枠の上限」と取り違える。1,200万円は成長投資枠の上限。つみたて投資枠には、この内側の制限はない。
- 枠の復活を「売った金額ぶん」と覚える。復活するのは取得金額(買ったときの値段)ぶん。
- 復活する時期を「その年のうち」と覚える。翌年以降である。
- 年360万円を一生の上限と混同する。360万円は1年ぶんで、一生ぶんは1,800万円。
試験での出題パターン
オリジナル問題1(年間の投資枠)
2024年から始まったNISAの年間投資枠に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- つみたて投資枠と成長投資枠は併用できず、年240万円が上限と決められている
- つみたて投資枠は年240万円、成長投資枠は年120万円と決められている
- つみたて投資枠は年120万円、成長投資枠は年240万円で合計年360万円
- つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて年400万円まで使えるとされている
解答は 3 だよ。
つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円。この2つは同じ年に併用できるから、合計で年360万円まで使えるよ。
選択肢1の「併用できない」は旧制度の話だよ。選択肢2は2つの枠の数字が入れ替わっているね。選択肢4の400万円という枠は無いよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 併用できないのは旧制度 |
| 2 | ✗ | 120万円と240万円が逆 |
| 3 | ✓ | 120+240=360万円で正しい |
| 4 | ✗ | 400万円という枠は無い |
オリジナル問題2(非課税保有限度額)
2024年から始まったNISAの非課税保有限度額に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 全体で1,800万円、そのうち成長投資枠は1,200万円までと決められている
- 全体で1,800万円で、枠ごとの内訳に上限は設けられていないとされる
- 全体で1,200万円、そのうち成長投資枠は600万円までとされているものだ
- 全体で1,800万円、そのうちつみたて投資枠は1,200万円までとされている
解答は 1 だっ。
1,800万円という全体の上限があって、その内側に成長投資枠1,200万円という上限が置かれているんだっ。上下の関係で覚えると混ざらないよっ。
つみたて投資枠の側には、この内訳の制限は無いんだっ。だから選択肢4のように「つみたて投資枠が1,200万円まで」とするのは誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 全体1,800万円・成長1,200万円で正しい |
| 2 | ✗ | 成長投資枠には内訳の上限がある |
| 3 | ✗ | 全体は1,200万円ではない |
| 4 | ✗ | 1,200万円は成長投資枠の側 |
オリジナル問題3(枠の再利用)
新NISAで保有する商品を売却した場合の非課税投資枠に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 売却しても非課税投資枠が復活することはないとされているものだ
- 売却した年のうちに、売却した金額のぶんだけ非課税の枠が復活する
- 翌年以降に、売却した金額のぶんだけ枠が復活すると決められている
- 翌年以降に、売却した商品の取得金額のぶんだけ非課税枠が復活する
解答は 4 である。
復活するのは取得金額のぶんであり、時期は翌年以降である。この2点がそろって初めて正しい記述になるのである。
選択肢2と3は、片方が「その年のうち」、もう片方が「売却金額」で誤っている。判断の基準と時期、どちらか一方だけを入れ替えて出題されやすい形なのである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 枠は復活する |
| 2 | ✗ | 時期も基準も誤り |
| 3 | ✗ | 基準は売却金額でなく取得金額 |
| 4 | ✓ | 取得金額ぶん・翌年以降で正しい |
まとめ
押さえどころ
新NISAは、2つの枠を併用できる・期間が無期限・枠が復活するという3点が、旧制度から変わったところである。数字は年120万円/年240万円/年360万円/生涯1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)の5つ。
この5つの数字と、「復活するのは取得金額ぶんで、翌年以降」という一文を押さえておけば、出題されたときに迷わず選べる。
旧制度との違いを聞かれる形も出る。選択制だったものが併用できるようになり、期間の上限が無くなり、枠が繰り返し使えるようになった。この3つはいずれも「使いやすい方向へ広がった」変更なので、迷ったら広い方を選ぶと当たりやすい。
次に学ぶ
NISAは金融資産運用の分野で、投資信託や株式の課税のしくみとつながっている。通常の口座では利益に約20%の税金がかかるところを非課税にする制度なので、まずは「かかるはずの税金」の側を見ておくと、制度の値打ちがはっきりする。