TL;DR(30秒で結論)
- 住宅ローン省エネ基準は、住宅ローン控除をそもそも使えるかどうかを分ける条件。
- 令和6年以降に入居する一般の新築住宅は、省エネ基準に適合していないと原則として控除を受けられない(借入限度額が0)。
- ただし経過措置がある。令和5年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和6年6月30日までに建築されたものは対象になる。
- 経過措置に当てはまる場合は、借入限度額2,000万円・控除期間10年。
- 押さえるのは「令和5年12月31日までの建築確認」「2,000万円・10年」の2つ。
住宅ローン省エネ基準とは(全体像)
住宅ローン控除には、率(0.7%)や期間(13年・10年)のほかに、そもそも使えるかどうかを決める条件がある。その一つが省エネ基準への適合である。
令和6年(2024年)以降に入居する一般の新築住宅は、省エネ基準に適合していないと、住宅ローン控除の対象から外れる。借入限度額が0として扱われるため、控除額も生じない。
率が下がった、期間が短くなった、という話ではない。入口で対象外になるという点が、ほかの改正と性質が違う。
詳しく:経過措置に当てはまるかで分かれる
とはいえ、すでに計画が進んでいた住宅まで一律に外すわけではない。経過措置が置かれている。
住宅ローン省エネ基準のキホン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 令和6年以降に入居する一般の新築住宅(省エネ基準に適合しないもの) |
| 原則の扱い | 借入限度額0=控除を受けられない |
| 経過措置① | 令和5年12月31日までに建築確認を受けたもの |
| 経過措置② | 令和6年6月30日までに建築されたもの |
| 経過措置に当てはまる場合 | 借入限度額2,000万円・控除期間10年 |
| 認定住宅等の場合 | この条件の対象外(省エネ基準を満たしているため) |
つまり、判定は2段階である。まず省エネ基準に適合しているか。適合していなければ、次に経過措置の日付に当てはまるか。どちらも外れると控除は使えない。
わかりやすく言い換えると
要するに、省エネでない新築は、原則として住宅ローン控除の列に並べなくなったということである。
ただし、すでに手続きが進んでいた住宅には救済がある。令和5年内に建築確認を受けていたか、令和6年6月末までに建てられていたなら、限度額2,000万円・10年という縮んだ形で認められる。
認定住宅等(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅)は、そもそも省エネの基準を満たしているので、この話には引っかからない。
試験のツボ
- 対象は令和6年以降に入居する一般の新築住宅。既存住宅や認定住宅等の話ではない。
- 適合しなければ借入限度額0。率や期間が減るのではなく、使えなくなる。
- 経過措置は2つ。建築確認が令和5年12月31日まで、建築が令和6年6月30日まで。
- 経過措置に当てはまる場合は2,000万円・10年。13年ではない。
よくある間違い
- 建築確認の期限を令和6年と覚える。建築確認は令和5年12月31日まで、令和6年6月30日は「建築されたもの」の期限である。
- 控除額が減るだけだと覚える。原則は借入限度額0で、控除そのものが受けられない。
- 経過措置の期間を13年と覚える。2,000万円・10年である。
- 認定住宅等にもこの条件がかかると覚える。認定住宅等は省エネ基準を満たしているので対象外である。
試験での出題パターン
オリジナル問題1(原則の扱い)
令和6年以降に入居する一般の新築住宅で、省エネ基準に適合しないものの扱いとして正しいものはどれか。
- 令和6年以降に入居する一般の新築住宅は、原則として控除を受けられない
- 令和6年以降に入居する一般の新築住宅は、無条件で控除を受けられる
- 令和6年以降に入居する一般の新築住宅は、控除期間が13年に延びる
- 令和6年以降に入居する一般の新築住宅は、借入限度額が引き上げられるのだ
解答は 1 だよ。
省エネ基準に適合していない一般の新築住宅は、借入限度額が0として扱われるから、控除を受けられないんだ。
控除額が少し減る、という話ではなくて、そもそも対象から外れるのがポイントだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 借入限度額0で控除なし |
| 2 | ✗ | 無条件ではない |
| 3 | ✗ | 期間が延びる話ではない |
| 4 | ✗ | 限度額は引き上がらない |
オリジナル問題2(経過措置の期限)
経過措置として認められる建築確認の期限に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 経過措置の期限は、令和4年12月31日までに建築確認を受けたものだ
- 経過措置の期限は、令和5年12月31日までに建築確認を受けたものだ
- 経過措置の期限は、令和6年12月31日までに建築確認を受けたものだ
- 経過措置の期限は、令和7年12月31日までに建築確認を受けたものだ
解答は 2 だっ。
建築確認は令和5年12月31日までに受けたものが対象だよっ。
もう一つの経過措置として「令和6年6月30日までに建築されたもの」もあるんだっ。建築確認の期限は令和5年、建築の期限は令和6年——2つの日付は別々だから、混ぜないようにねっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 令和4年ではない |
| 2 | ✓ | 令和5年12月31日までが期限 |
| 3 | ✗ | 令和6年6月30日は建築の期限 |
| 4 | ✗ | 令和7年ではない |
オリジナル問題3(経過措置の内容)
経過措置に当てはまる住宅の借入限度額と控除期間の組み合わせとして、正しいものはどれか。
- 経過措置に当てはまる住宅は、借入限度額3,000万円で13年の控除だ
- 経過措置に当てはまる住宅は、借入限度額3,000万円で10年の控除だ
- 経過措置に当てはまる住宅は、借入限度額2,000万円で13年の控除だ
- 経過措置に当てはまる住宅は、借入限度額2,000万円で10年の控除だ
解答は 4 である。
経過措置に当てはまる場合は、借入限度額2,000万円・控除期間10年として控除を受けられるのである。
13年は新築の認定住宅等に認められる期間であり、ここでは使われない。金額と期間の一方だけを入れ替えた選択肢が並ぶ形なので、2,000万円と10年をセットで覚えておくのである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 金額も期間も誤り |
| 2 | ✗ | 金額が3,000万円ではない |
| 3 | ✗ | 期間は13年ではない |
| 4 | ✓ | 2,000万円・10年で正しい |
まとめ
押さえどころ
覚えるのは2つである。建築確認は令和5年12月31日まで、当てはまる場合は2,000万円・10年。
つまり、この論点は率でも期間でもなく「使えるかどうか」を分ける条件である。省エネ基準に適合しなければ原則として対象外、経過措置に当てはまれば縮んだ形で認められる、という2段階で押さえておけばよい。
次に学ぶ
住宅ローン控除そのものは、令和4年度の改正で控除率が1%から0.7%になり、新築の認定住宅等は控除期間13年とされている。率・期間・使えるかどうかの3つがそろって、住宅ローン控除の全体像になる。