TL;DR(30秒で結論)
- 医療費控除の明細書は、確定申告で医療費控除を受けるときに作って添付する書類。
- 領収書の添付は不要。代わりに、確定申告期限等から5年を経過する日まで保存する。提示や提出を求められることがある。
- 医療費通知(健康保険組合などから届くもの)を添付すれば、明細書の記載を簡略にできる。
- 控除額=(支払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額)− 差引額。
- 差引額は10万円。ただし総所得金額等が200万円未満なら総所得金額等の5%。控除の上限は200万円。
医療費控除の明細書とは(全体像)
医療費控除は、1年間に払った医療費が一定額を超えたときに、所得から差し引ける制度である。
かつては領収書そのものを確定申告書に添付していたが、いまは「医療費控除の明細書」を作って添付する形になっている。領収書を封筒に詰めて出す必要はない。
ただし、捨ててよいわけではない。領収書は手元に5年間保存する。税務署から提示や提出を求められることがあるためである。
なお、セルフメディケーション税制を使う場合は「セルフメディケーション税制の明細書」を作って添付する。
詳しく:出す書類と、残す書類
この論点は、「添付するもの」と「保存するもの」が別という点が中心である。
医療費控除の明細書のキホン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 確定申告書に添付するもの | 医療費控除の明細書(セルフメディケーション税制なら専用の明細書) |
| 領収書 | 添付は不要 |
| 領収書の保存 | 確定申告期限等から5年を経過する日まで |
| 保存する理由 | 提示または提出を求められる場合があるため |
| 医療費通知がある場合 | 添付すれば明細書の記載を簡略にできる |
| 控除額 | (支払った医療費 − 保険金などの補てん額)− 差引額 |
| 差引額 | 10万円(総所得金額等が200万円未満ならその5%) |
| 控除の上限 | 200万円 |
つまり、出すのは明細書、残すのは領収書である。この2つを入れ替えた選択肢がよく作られる。
わかりやすく言い換えると
要するに、まとめて書いたものを出し、証拠は手元に置いておくという形になった。
以前は領収書の束をそのまま提出していたが、いまは自分で集計して明細書に書く。そのぶん、あとから確認できるように領収書を5年間持っておく必要がある。
医療費通知が届いていれば、その内容については明細書に細かく書かなくてよい。手間が減る仕組みである。
試験のツボ
- 添付するのは医療費控除の明細書。領収書ではない。
- 領収書は5年保存。3年でも2年でもない。
- 医療費通知を添付すると明細書の記載を簡略にできる。
- 差引額は10万円、ただし総所得金額等200万円未満なら5%。控除の上限は200万円。
よくある間違い
- 領収書を添付すると覚える。添付は明細書で、領収書は保存である。
- 保存期間を3年と覚える。5年である。
- 医療費通知があると控除が受けられないと覚える。逆で、記載を簡略にできる。
- 差引額をいつでも10万円と覚える。総所得金額等が200万円未満なら、その5%になる。
試験での出題パターン
オリジナル問題1(添付する書類)
医療費控除を受けるときの確定申告書への添付に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 確定申告書には、医療費の領収書をすべて添付する必要がある
- 確定申告書には、医療費控除の明細書を作成して添付するのだ
- 確定申告書には、医療費の領収書と明細書の両方を添付するのだ
- 確定申告書には、医療費に関する書類を添付する必要はないのだ
解答は 2 だよ。
添付するのは医療費控除の明細書だよ。領収書そのものを添える必要はないんだ。
ただし何も要らないわけではないから、選択肢4も誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 領収書の添付は不要 |
| 2 | ✓ | 明細書を作成して添付する |
| 3 | ✗ | 領収書は添付しない |
| 4 | ✗ | 明細書の添付が必要 |
オリジナル問題2(領収書の保存期間)
医療費の領収書の保存に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 領収書は、確定申告期限等から3年を経過する日まで保存する
- 領収書は、確定申告期限等から2年を経過する日まで保存する
- 領収書は、確定申告期限等から5年を経過する日まで保存する
- 領収書は、確定申告書を提出した時点で捨ててよいものとされる
解答は 3 だっ。
領収書は確定申告期限等から5年を経過する日まで保存するんだっ。
添付が要らなくなったからといって捨ててはいけないよっ。税務署から提示や提出を求められることがあるからだねっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 3年ではない |
| 2 | ✗ | 2年ではない |
| 3 | ✓ | 5年を経過する日まで保存 |
| 4 | ✗ | 提出後も保存が必要 |
オリジナル問題3(医療費通知の扱い)
医療費通知がある場合の取り扱いに関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 医療費通知を添付すると、明細書の記載を簡略にできるとされる
- 医療費通知を添付しても、明細書の記載は簡略にできない
- 医療費通知があると、医療費控除そのものが受けられなくなるのだ
- 医療費通知は、領収書の代わりに5年間保存する義務があるとされる
解答は 1 である。
医療保険者から交付された医療費通知を添付すれば、医療費控除の明細書の記載を簡略にできるのである。
つまり手間を減らすための仕組みであって、控除を妨げるものではない。5年間の保存が求められているのは領収書のほうであり、そこを入れ替えた選択肢4も誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 記載を簡略にできる |
| 2 | ✗ | 簡略にできる |
| 3 | ✗ | 控除は受けられる |
| 4 | ✗ | 5年保存は領収書の話 |
まとめ
押さえどころ
覚えるのは3つである。添付するのは明細書、領収書は5年保存、医療費通知があれば記載を簡略にできる。
計算まで問われたら、(支払った医療費 − 保険金などの補てん額)から10万円(総所得金額等200万円未満ならその5%)を引き、上限200万円と押さえておけばよい。
次に学ぶ
所得控除には、扶養している家族がいるときの扶養控除もある。こちらは年齢で対象が分かれ、16歳以上という線が引かれている。医療費控除と並べて、控除の要件を整理しておきたい。