TL;DR(30秒で結論)
- iDeCo 2022改正は、iDeCo(個人型確定拠出年金)が使える期間を前後に広げた改正。
- 2022年4月1日から、受け取りを始める時期の上限が70歳から75歳へ。60歳から75歳の間で選べるようになった。
- 2022年5月1日から、加入できる年齢が広がった。会社員・公務員(国民年金第2号被保険者)なら65歳未満まで積み立てを続けられる。
- 国民年金に任意加入している60歳以上65歳未満の人、任意加入している海外居住者も対象に加わった。
- 押さえるのは「出口が75歳」「入口が65歳未満」の2つ。
iDeCo 2022改正とは(全体像)
iDeCoは、自分で掛金を出して自分で運用し、老後に受け取る年金である。掛金が所得控除になり、運用の利益にも税金がかからない。
2022年の改正は、この制度を使える期間を前後に広げるものだった。改正前は「60歳未満まで積み立てて、70歳までに受け取り始める」という形だったが、入口と出口の両方が延びた。
背景にあるのは、60歳を過ぎても働く人が増えたことである。働いている間は積み立てを続けたい、受け取りはもう少し後でよい、という声に合わせた形になっている。
詳しく:入口と出口が別々の日に変わった
この改正でよく問われるのが、変更点が2つあり、施行日も別という点である。
iDeCo 2022改正のキホン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 2022年4月1日から | 受給開始時期の上限が70歳 → 75歳へ |
| 受け取りを始められる範囲 | 60歳から75歳の間で選べる |
| 2022年5月1日から | 加入できる年齢が65歳未満まで拡大 |
| 新たに加入できる人 | 会社員・公務員など国民年金第2号被保険者で60歳以上65歳未満の人 |
| 同じく対象に加わった人 | 国民年金に任意加入している60歳以上65歳未満の人/任意加入している海外居住者 |
つまり、4月が「出口」、5月が「入口」である。順番も、出口の75歳が先に変わり、入口の65歳未満が後から変わった。
わかりやすく言い換えると
要するに、iDeCoを使える期間が前にも後ろにも延びたということである。
これまでは60歳で積み立てが終わり、70歳までに受け取りを始めなければならなかった。改正後は、65歳の手前まで積み立てを続けられて、受け取りは75歳まで待てる。
働く期間が延びたぶん、制度の側も合わせて延びた、と考えると覚えやすい。
試験のツボ
- 出口は75歳(2022年4月1日から)。繰下げの上限が75歳になったのと同じ年である。
- 入口は65歳未満(2022年5月1日から)。60歳未満ではない。
- 入口が広がったのは、会社員・公務員など第2号被保険者が中心。誰でも無条件に65歳未満まで入れるわけではない。
- つまり、2つの数字と2つの施行日がセットで問われる。
よくある間違い
- 75歳を「加入できる年齢」と取り違える。75歳は受け取りを始める時期の上限である。
- 65歳未満を「受給開始の上限」と取り違える。65歳未満は加入できる年齢の話である。
- 「年齢に関係なく誰でも加入できる」と覚える。上限は65歳未満で、無制限ではない。
- 施行日を1つにまとめてしまう。出口は4月1日、入口は5月1日で別である。
試験での出題パターン
オリジナル問題1(受給開始時期の上限)
2022年4月からのiDeCoの受給開始時期に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 2022年4月から、受給開始時期の上限は70歳から72歳になった
- 2022年4月から、受給開始時期の上限は70歳のままとされている
- 2022年4月から、受給開始時期の上限は70歳から80歳になった
- 2022年4月から、受給開始時期の上限は70歳から75歳になった
解答は 4 だよ。
2022年4月1日から、受け取りを始められる時期の上限が70歳から75歳に延びたよ。60歳から75歳の間で選べるようになったんだ。
72歳や80歳という区切りは無いよ。据え置きでもないから、選択肢2も誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 72歳という区切りは無い |
| 2 | ✗ | 据え置きではなく延長された |
| 3 | ✗ | 80歳という区切りは無い |
| 4 | ✓ | 70歳から75歳で正しい |
オリジナル問題2(加入できる年齢)
2022年5月からのiDeCoの加入可能年齢に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 2022年5月から、iDeCoに加入できるのは60歳未満のままである
- 2022年5月から、会社員なら65歳未満まで加入できるようになった
- 2022年5月から、年齢に関係なく誰でも加入できるようになった
- 2022年5月から、iDeCoに加入できるのは70歳未満へ拡大された
解答は 2 だっ。
2022年5月1日から、会社員や公務員などの国民年金第2号被保険者は、60歳以上65歳未満でも加入できるようになったんだっ。
国民年金に任意加入している60歳以上65歳未満の人や、任意加入している海外居住者も対象に加わったよっ。ただし無制限ではなく上限は65歳未満だから、選択肢3は誤りだねっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 60歳未満のままではない |
| 2 | ✓ | 第2号被保険者は65歳未満まで可 |
| 3 | ✗ | 年齢の上限は65歳未満で残る |
| 4 | ✗ | 70歳未満までは広がっていない |
オリジナル問題3(2つの変更の組み合わせ)
2022年のiDeCo改正による変更の組み合わせとして、正しいものはどれか。
- 受給の上限は75歳で、加入できる年齢は60歳未満のままである
- 受給の上限は70歳で、加入できる年齢は65歳未満に広がった
- 受給の上限は75歳で、加入できる年齢は65歳未満に広がった
- 受給の上限は80歳で、加入できる年齢は70歳未満に広がった
解答は 3 である。
出口が75歳、入口が65歳未満——この2つがそろって初めて正しい記述になるのである。
なお施行日は別で、出口の75歳が2022年4月1日、入口の65歳未満が2022年5月1日である。片方だけを正しくして、もう片方を古い数字のまま残す形が出題されやすいのである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 入口が旧制度のまま |
| 2 | ✗ | 出口が旧制度のまま |
| 3 | ✓ | 出口75歳・入口65歳未満で正しい |
| 4 | ✗ | どちらの数字も誤り |
まとめ
押さえどころ
つまり覚えるのは2つだけである。出口は75歳、入口は65歳未満。
数字を役割とセットで持っておけば、選択肢で入れ替えられても気づける。施行日まで問われたら、出口が4月1日、入口が5月1日と足しておけばよい。
次に学ぶ
同じ2022年には、企業型DCに入っている人がiDeCoにも入りやすくなる改正が10月に施行されている。こちらは加入年齢ではなく「同時に入れるかどうか」の話で、確定拠出年金の全体像を押さえるうえで対になる論点である。