在職老齢年金とは(全体像)
在職老齢年金は、会社などで働きながら老齢厚生年金を受け取る人が対象。給与が多いと、年金の一部が止まる(支給停止)。
使う数字は2つ。
- 基本月額 … 受け取っている老齢厚生年金の月額。
- 総報酬月額相当額 … 給与(標準報酬月額)に、賞与を月割りした額を足したもの。
この2つの合計が支給停止調整額を超えると、超えた分の半分(1/2)が止まる。逆に、調整額以下なら全額もらえる。
詳しく:計算式・調整額・基礎年金を押さえる
ここが記事の心臓部。在職老齢年金で問われるのは、計算式、支給停止調整額、そして基礎年金との関係の3点。
在職老齢年金のしくみ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使う額 | 基本月額 + 総報酬月額相当額 |
| 支給停止のしかた | 調整額を超えた分の半分(1/2)が停止 |
| 支給停止調整額 | 年度改定(2025年度51万円・2026年度65万円) |
| 老齢基礎年金 | 影響なし(止まるのは厚生年金部分だけ) |
計算はシンプル。「基本月額+総報酬月額相当額」から「支給停止調整額」を引き、残りの半分が止まる。
たとえば2025年度(調整額51万円)で、合計が54万円なら、超過は3万円。その半分の1.5万円が止まり、残りは支給される。
そして見落としやすいのが、止まるのは老齢厚生年金の部分だけということ。老齢基礎年金は、収入がいくら多くても減らされない。
なお、支給停止調整額は年度ごとに改定される。具体的な金額は、受験する年度の最新の値を確認しておくと安心材料になる。
わかりやすく言い換えると
むずかしく考えず、こうイメージするとラク。
要するに、在職老齢年金は「年金+給与がボーダー(調整額)を超えたら、はみ出した分の半分だけ年金を遠慮する」しくみ。つまり、全部止まるのではなく、半分だけ。
そして止まるのは厚生年金だけ。土台の基礎年金はそのままもらえる、と押さえる。
試験のツボ
🔴 一番出る:計算のしくみ
①基本月額+総報酬月額相当額が支給停止調整額を超えると発動
②超えた分の半分(1/2)が支給停止
🔴 次に出る:止まるのは厚生年金だけ
①老齢基礎年金は影響なし(減らされない)
②止まるのは老齢厚生年金の部分のみ
🟡 押さえると安定:調整額は年度改定
2025年度は51万円、2026年度は65万円。最新の値は受験年度で確認。
よくある間違い
①「超えた分は全額が支給停止」→ ✗ 止まるのは超えた分の半分(1/2)。
②「老齢基礎年金も支給停止になる」→ ✗ 止まるのは厚生年金部分だけ。基礎年金は減らされない。
③「支給停止調整額はずっと固定」→ ✗ 年度改定される(2025年度51万円・2026年度65万円)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(計算のしくみ)
在職老齢年金のしくみに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 基本月額と総報酬月額相当額の合計が支給停止調整額を超えると、超えた分の半分が支給停止になる
- 在職中はどれだけ収入があっても、老齢厚生年金が支給停止になることはいっさいないとされている
- 基本月額と総報酬月額相当額の合計が調整額を超えると、その全額がまるごと支給停止になるとされる
- 在職中は収入の多少にかかわらず、老齢厚生年金が一律で半分に減らされるものとされている
解答は 1 である。
在職老齢年金は、基本月額+総報酬月額相当額が支給停止調整額を超えると、超えた分の半分(1/2)が支給停止になる。
選択肢2の「いっさい停止しない」は誤りで、超えれば一部止まる。選択肢3の「全額停止」も誤りで、止まるのは超過分の半分。選択肢4の「一律半分」も誤りで、調整額を超えた分だけが対象である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 超えた分の半分が支給停止 |
| 2 | ✗ | 超えれば一部が止まる |
| 3 | ✗ | 全額ではなく超過分の半分 |
| 4 | ✗ | 一律半分ではなく超過分が対象 |
オリジナル問題2(基礎年金との関係)
在職老齢年金と老齢基礎年金の関係に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 在職老齢年金では、老齢厚生年金だけでなく老齢基礎年金もあわせて支給停止になるとされている
- 在職老齢年金では、止まるのは老齢基礎年金の部分だけで、老齢厚生年金は減らされないとされる
- 在職老齢年金では、収入が多いと基礎年金が先に止まり、厚生年金が残るとされる
- 在職老齢年金で支給が止まるのは老齢厚生年金の部分だけで、老齢基礎年金は減らされない
解答は 4 である。
在職老齢年金で止まるのは、老齢厚生年金の部分だけ。土台の老齢基礎年金は、収入が多くても減らされない。
選択肢1の「基礎年金もあわせて停止」は誤り。選択肢2・3も誤りで、基礎年金は止まらず、調整の対象は厚生年金部分である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 基礎年金は止まらない |
| 2 | ✗ | 止まるのは厚生年金部分 |
| 3 | ✗ | 基礎年金は先にも後にも止まらない |
| 4 | ✓ | 厚生年金部分だけ・基礎年金は無傷 |
オリジナル問題3(支給停止調整額)
支給停止調整額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 支給停止調整額は法律でずっと固定されており、何年たっても金額が変わることはないとされている
- 支給停止調整額は毎月のように見直され、人によってばらばらに決まるものとされている
- 支給停止調整額は年度ごとに改定され、2025年度は51万円、2026年度は65万円である
- 支給停止調整額は受け取る人の年齢だけで決まり、年度による改定は行われないとされている
解答は 3 である。
支給停止調整額は年度ごとに改定される。たとえば2025年度は51万円、2026年度は65万円である。
選択肢1の「ずっと固定」は誤りで、年度改定される。選択肢2の「毎月見直し・人によってばらばら」も誤りで、年度ごとの一律の金額である。選択肢4の「年齢だけで決まる」も誤りで、年度ごとに改定される。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 固定ではなく年度改定される |
| 2 | ✗ | 毎月・人ごとではなく年度ごとの一律 |
| 3 | ✓ | 年度改定(2025年度51万円・2026年度65万円) |
| 4 | ✗ | 年齢だけで決まるものではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 計算 = 基本月額+総報酬月額相当額が調整額を超えると、超過分の半分が支給停止。
- 🔴 基礎年金 = 影響なし。止まるのは老齢厚生年金の部分だけ。
- 🟡 調整額 = 年度改定(2025年度51万円・2026年度65万円)。最新の値は受験年度で確認。
次に学ぶ
- 年金の繰下げ受給(75歳まで) ── 働いて在職老齢年金が止まる人ほど、繰下げの判断とあわせて考えたい論点。
- 加給年金 ── 配偶者などがいるときの上乗せ。厚生年金とあわせて受給額を整理する。
- 個人年金 ── 公的年金に自分で上乗せするしくみ。働きながらの収入設計に役立つ。
執筆: SikakuQuest編集部