社会保険の適用拡大(50人超)とは(全体像)
会社員は厚生年金・健康保険(社会保険)に入るが、パートやアルバイトなどの短時間労働者は、一定の条件を満たさないと対象にならなかった。この「対象になる範囲」を広げてきたのが、社会保険の適用拡大。
カギは2つ。
- 企業規模 … 2024年10月から、対象が従業員100人超の企業から50人超の企業へ拡大。
- 本人の働き方 … 短時間労働者は、決められた4要件を満たすと加入対象になる。
つまり、より小さな会社で、より多くのパート・アルバイトが社会保険に入るようになった、というのが全体像。
詳しく:企業規模と4要件を押さえる
ここが記事の心臓部。適用拡大で問われるのは、企業規模の引き下げと、短時間労働者の4要件。
社会保険の適用拡大(2024年10月から)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の企業規模 | 従業員100人超 → 50人超に拡大 |
| 要件① | 週の所定労働時間が20時間以上 |
| 要件② | 月額賃金が8.8万円以上 |
| 要件③ | 2か月を超える雇用の見込み |
| 要件④ | 学生でない(学生は除外) |
まず企業規模。これまでは従業員100人超の企業が対象だったが、2024年10月から50人超へ広がった。たとえば従業員60人の会社で働くパートも、要件を満たせば対象になる。
次に4要件。短時間労働者は、①週20時間以上、②月額賃金8.8万円以上、③2か月超の雇用見込み、④学生でない、をすべて満たすと、厚生年金・健康保険に加入する。
対象になると、自分で保険料を負担するが、将来の厚生年金が増えるなどのメリットもある。
なお、適用拡大の企業規模や要件は改正で動くことがあるので、受験する年度の最新の内容を確認しておくと安心材料になる。
わかりやすく言い換えると
むずかしく考えず、こうイメージするとラク。
要するに、適用拡大は「パートでも社会保険に入る人を増やす」改正。つまり、2024年10月から会社の規模のハードルが100人超→50人超に下がった。
そして、本人側は「週20時間・月8.8万円・2か月超・学生でない」の4つがそろえば対象。数字とセットで覚えると迷わない。
試験のツボ
🔴 一番出る:企業規模の引き下げ
①2024年10月から対象が100人超→50人超に拡大
②小さな会社のパートも対象に入りやすくなった
🔴 次に出る:短時間労働者の4要件
①週20時間以上・月額賃金8.8万円以上
②2か月超の雇用見込み・学生でない
🟡 押さえると安定:加入する保険
対象になると厚生年金・健康保険(社会保険)に加入する。
よくある間違い
①「対象は今も従業員100人超の企業」→ ✗ 2024年10月から50人超へ拡大された。
②「週10時間でも対象になる」→ ✗ 要件は週20時間以上。月額賃金8.8万円以上なども必要。
③「学生のパートも必ず対象」→ ✗ 学生は原則として対象から除外される。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(企業規模の拡大)
社会保険の適用拡大に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2024年10月から、社会保険の対象がむしろ従業員50人超から100人超の企業へと縮小されたとされる
- 2024年10月以降も、社会保険の対象は従業員100人超の企業のままで変わっていないとされている
- 2024年10月から、社会保険の対象は企業規模に関係なくすべての企業に広げられたとされる
- 2024年10月から、社会保険の対象が従業員100人超の企業から50人超の企業へと拡大された
解答は 4 である。
2024年10月から、社会保険の対象が従業員100人超の企業から50人超の企業へと拡大された。より小さな会社のパートなども対象に入りやすくなった。
選択肢1の「50人超→100人超に縮小」は誤りで、向きが逆である。選択肢2の「100人超のまま」も誤りで、50人超へ拡大された。選択肢3の「すべての企業」も誤りで、目安は50人超である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 縮小ではなく拡大、向きが逆 |
| 2 | ✗ | 100人超のままではなく50人超へ |
| 3 | ✗ | すべてではなく50人超が目安 |
| 4 | ✓ | 100人超から50人超へ拡大 |
オリジナル問題2(短時間労働者の4要件)
適用拡大の対象になる短時間労働者の要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 短時間労働者は、週40時間以上で月額賃金20万円以上であれば、学生でも必ず対象になるとされる
- 短時間労働者は、週20時間以上・月額8.8万円以上・2か月超の雇用見込み・学生でないと対象
- 短時間労働者は、週10時間以上働いていれば、賃金や雇用期間に関係なく対象になるとされている
- 短時間労働者は、年齢が60歳以上の場合に限って社会保険の対象になるものとされている
解答は 2 である。
対象になる短時間労働者は、週20時間以上・月額賃金8.8万円以上・2か月超の雇用見込み・学生でない、の4つをすべて満たす人である。
選択肢1の「週40時間・月20万円・学生でも」は誤りで、数字が違い、学生は除外される。選択肢3の「週10時間で要件なし」も誤りで、週20時間以上などが必要。選択肢4の「60歳以上だけ」も誤りで、年齢で限られるわけではない。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 数字が違い、学生は除外 |
| 2 | ✓ | 週20時間・月8.8万円・2か月超・学生でない |
| 3 | ✗ | 週20時間以上などの要件が必要 |
| 4 | ✗ | 60歳以上だけに限られない |
オリジナル問題3(加入する保険)
適用拡大の対象になった短時間労働者が加入する保険に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 対象になった短時間労働者は、雇用保険だけに加入し、厚生年金には加入しないとされる
- 対象になった短時間労働者は、本人が希望したときにだけ社会保険に加入できるとされている
- 対象になった短時間労働者は、厚生年金と健康保険といった社会保険に加入することになる
- 対象になった短時間労働者は、国民年金と国民健康保険にそのまま残ることになるとされている
解答は 3 である。
要件を満たして対象になった短時間労働者は、厚生年金と健康保険(社会保険)に加入することになる。保険料の負担は増えるが、将来の厚生年金が増えるなどのメリットもある。
選択肢1の「雇用保険だけ」は誤り。選択肢2の「希望したときだけ」も誤りで、要件を満たせば加入する。選択肢4の「国民年金・国民健康保険のまま」も誤りで、社会保険に切り替わる。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 厚生年金にも加入する |
| 2 | ✗ | 要件を満たせば加入する |
| 3 | ✓ | 厚生年金・健康保険に加入する |
| 4 | ✗ | 社会保険に切り替わる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 企業規模 = 2024年10月から対象が従業員100人超→50人超に拡大。
- 🔴 4要件 = 週20時間以上・月額賃金8.8万円以上・2か月超の雇用見込み・学生でない。
- 🟡 加入する保険 = 厚生年金・健康保険(社会保険)。最新の内容は受験年度で確認。
次に学ぶ
- 国民年金の第3号被保険者 ── 配偶者の扶養の範囲。適用拡大で扶養を抜けるケースとあわせて押さえる。
- 医療保険 ── 健康保険のしくみそのもの。社会保険に入るとどう変わるかを理解する。
- 国民健康保険 ── 社会保険に入らない人が加入する制度。対比でしくみが見える。
執筆: SikakuQuest編集部