責任準備金とは(全体像)
保険会社は、契約者から集めた保険料の中から、将来の保険金支払いに備えて一定額を積み立てておく。これが責任準備金。「将来必ず払うお金」を先に用意しておくイメージ。
ポイントは、これが会社の財務諸表で「負債」に計上されること。会社が自由に使える資産ではなく、契約者に将来払う約束(債務)だから負債になる。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:負債計上と保護機構
ここが記事の心臓部。責任準備金のポイントを整理する。
責任準備金のポイント
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 目的 | 将来の保険金支払いに備えて積み立てる |
| 財務諸表での扱い | 負債に計上される(資産ではない) |
| 理由 | 契約者に将来払う約束(債務)だから |
そして、保険会社の破綻に備えるしくみとも関係する。
保護機構との関係
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 生命保険契約者保護機構 | 生命保険会社が破綻したとき、契約者を保護するしくみ |
| 補償の基準 | 破綻時の責任準備金等の原則90%まで補償(保険金の額そのものの90%ではない) |
整理のコツは2つ。
①責任準備金は「負債」。会社の資産ではなく、契約者への約束(債務)として負債に計上される。
②保護機構の補償は責任準備金等の原則90%。破綻したときの補償の基準になるのは、保険金額そのものではなく、責任準備金等を基準にした原則90%。
なお、補償の割合などは制度で変わることがある。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり責任準備金は、「将来の保険金を払うために、保険会社が先に取り分けておく約束のお金」だとイメージするとラク。
要するに、これは会社が自由に使えるお金(資産)ではなく、契約者に将来払う約束(負債)。だから財務諸表では負債に計上される。
そして、万一保険会社が破綻しても、生命保険契約者保護機構がある。補償の基準になるのは、破綻したときの責任準備金等の原則90%で、契約がまるごとゼロになるわけではない。ひっかけは「責任準備金は資産」という思い込み。負債だ、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:責任準備金は負債
①将来の保険金支払いに備えて積み立てるお金
②財務諸表では負債に計上される(資産ではない)
🔴 次に出る:保護機構の補償基準
①生命保険契約者保護機構が破綻時に契約者を保護
②補償の基準は責任準備金等の原則90%
🟡 押さえると安定:90%は保険金額そのものではない
①補償は責任準備金等を基準にした原則90%
②保険金の額そのものの90%という意味ではない
よくある間違い
①「責任準備金は会社の資産である」→ ✗ 契約者に将来払う約束(債務)なので、負債に計上される。
②「保護機構は保険金の額そのものを90%補償する」→ ✗ 補償の基準は責任準備金等の原則90%。
③「責任準備金は将来の支払いと関係ない積立金」→ ✗ 将来の保険金支払いに備えて積み立てるお金。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(財務諸表での扱い)
責任準備金の財務諸表での扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 責任準備金は会社が自由に使える資産として、財務諸表の資産の部にそのまま計上されるものとされている
- 責任準備金は、将来の保険金支払いに備えるための債務であり、財務諸表では負債の部に計上される
- 責任準備金は財務諸表にはいっさい計上されず、帳簿の外で管理されるものと決められている
- 責任準備金は会社の利益として計上され、株主への配当の原資になるものとされている
解答は 2 だよ。
責任準備金は、将来の保険金支払いに備える債務であり、財務諸表では負債に計上されるんだ。会社の資産ではないんだよ。
選択肢1は「資産に計上」、選択肢3は「計上されない」、選択肢4は「利益・配当の原資」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 資産ではなく負債 |
| 2 | ✓ | 将来の支払いに備える負債で正しい |
| 3 | ✗ | 財務諸表に計上される |
| 4 | ✗ | 利益や配当の原資ではない |
オリジナル問題2(保護機構の補償)
生命保険会社が破綻したときの補償に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 保険会社が破綻すると契約はすべてゼロになり、契約者はいっさい補償を受けられないものとされている
- 生命保険契約者保護機構による補償の基準は、保険金の額そのものを必ず全額とするものとされている
- 保険会社が破綻しても、生命保険契約者保護機構が責任準備金等の原則90%を補償する際の基準となる
- 生命保険契約者保護機構は損害保険だけを対象とし、生命保険はいっさい補償しないものとされている
解答は 3 だよ。
保険会社が破綻しても、生命保険契約者保護機構が責任準備金等の原則90%を補償する基準になるんだ。契約がまるごとゼロになるわけではないんだよ。
選択肢1は「すべてゼロ」、選択肢2は「保険金の額そのものを全額」、選択肢4は「生命保険は補償しない」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 保護機構による補償がある |
| 2 | ✗ | 基準は責任準備金等の原則90% |
| 3 | ✓ | 責任準備金等の原則90%で正しい |
| 4 | ✗ | 生命保険を対象にしている |
オリジナル問題3(責任準備金の目的)
責任準備金の目的に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 責任準備金は、将来の保険金の支払いに備えて、保険会社があらかじめ積み立てておくお金である
- 責任準備金は、保険会社の役員の報酬にあてるために積み立てるお金であるものとされている
- 責任準備金は、契約者が好きなときに自由に引き出せる預金のようなものであると決められている
- 責任準備金は、将来の支払いとはいっさい関係なく、会社が広告に使うためのお金であるものとされる
解答は 1 だよ。
責任準備金は、将来の保険金の支払いに備えて、保険会社が積み立てておくお金なんだ。契約者への約束を守るための備えだよ。
選択肢2は「役員の報酬」、選択肢3は「自由に引き出せる預金」、選択肢4は「広告に使うお金」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 将来の保険金支払いに備える積立で正しい |
| 2 | ✗ | 役員報酬のためではない |
| 3 | ✗ | 自由に引き出せる預金ではない |
| 4 | ✗ | 将来の支払いに備えるお金 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 責任準備金は負債。会社の資産ではなく、契約者への将来の約束(債務)として計上される。
- 🔴 保護機構の補償は責任準備金等の原則90%。生命保険会社の破綻時に契約者を保護する基準。
- 🟡 90%は保険金額そのものではない。責任準備金等を基準にした原則90%という意味。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部