規制動向とは(全体像)
金融の世界では、商品や売り方の変化に合わせて、利用者を守るためのルールも見直され続けている。その流れをつかむのが規制動向だ。
押さえるのは、横断的なルールを整える金融サービス提供法と、適合性原則・顧客本位の業務運営という2つの考え方。利用者保護と説明責任を重んじる方向に進んでいるのがFP2級でよく問われる。
詳しく:3つの柱
ここが記事の心臓部。規制の柱を表で押さえる。
規制動向の3つの柱
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 金融サービス提供法 | 金融商品の販売に関する横断的なルールを整える(2021年施行) |
| 適合性原則 | 顧客の知識・経験・財産・目的に合った提案をする |
| 顧客本位の業務運営 | 顧客の利益を第一に考えて業務を行う |
ポイントは、まず金融サービス提供法。2021年に施行され、さまざまな金融商品の販売を、分野をまたいで(横断的に)整えるルールの流れの一部だ。
次に適合性原則。これは、顧客の知識・経験・財産の状況・目的に照らして、その人に合わない商品をすすめないという考え方。そして顧客本位の業務運営は、売り手の都合でなく顧客の利益を第一に考えて業務を行うこと。FPもこうした規制の趣旨を理解しておくのが実務だ。制度は見直されるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「金融サービス提供法で横断的に整え、顧客に合った提案(適合性)と顧客の利益第一(顧客本位)を重んじる」とイメージするとラク。
要するに、規制動向は利用者保護に向けて、適合性原則と顧客本位を重んじる流れ、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:適合性原則と顧客本位
①適合性原則は顧客に合った提案をする
②顧客本位は顧客の利益を第一に考える
🔴 次に出る:金融サービス提供法
①金融商品販売の横断的なルールを整える
②2021年に施行された
🟡 押さえると安定:規制の方向性
①利用者保護と説明責任を重んじる
②FPも規制の趣旨を理解しておく
よくある間違い
①「適合性原則は、顧客に関係なく同じ商品をすすめること」→ ✗ 顧客の知識・経験・財産・目的に合った提案をするのが適合性原則。
②「顧客本位の業務運営は、売り手の利益を第一にすること」→ ✗ 顧客の利益を第一に考えて業務を行うのが顧客本位。
③「金融の規制は一度決めたら見直されない」→ ✗ 商品や売り方の変化に合わせて、規制も見直され続けている。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(適合性原則)
適合性原則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 適合性原則は、顧客の状況に関係なく同じ商品をすすめることだとされているのである
- 適合性原則は、顧客の目的をいっさい考えずに提案することだと決められているのだ
- 適合性原則は、売り手の都合だけで商品を決めることだと決められているのである
- 適合性原則は、顧客の知識・経験・財産・目的に合った提案をするという考え方だ
解答は 4 である。
適合性原則は、顧客の知識・経験・財産・目的に合った提案をするという考え方じゃ。その人に合わない商品はすすめぬ。
選択肢1の「同じ商品をすすめる」、選択肢2の「目的を考えない」、選択肢3の「売り手の都合」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 顧客の状況に合わせる |
| 2 | ✗ | 顧客の目的を考える |
| 3 | ✗ | 顧客に合った提案をする |
| 4 | ✓ | 顧客の状況に合った提案で正しい |
オリジナル問題2(顧客本位)
顧客本位の業務運営に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 顧客本位は、売り手の利益を第一に考えて業務を行うことだとされているのである
- 顧客本位の業務運営は、顧客の利益を第一に考えて業務を行うという考え方である
- 顧客本位は、顧客の利益をいっさい考えないことだと決められているものとされる
- 顧客本位の業務運営は、会社の都合だけで決めることだと決められているのである
解答は 2 である。
顧客本位の業務運営は、顧客の利益を第一に考えて業務を行うという考え方じゃ。売り手の都合を優先しないのじゃ。
選択肢1の「売り手の利益を第一」、選択肢3の「顧客の利益を考えない」、選択肢4の「会社の都合だけ」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 顧客の利益を第一にする |
| 2 | ✓ | 顧客の利益を第一にで正しい |
| 3 | ✗ | 顧客の利益を重んじる |
| 4 | ✗ | 顧客の利益を第一にする |
オリジナル問題3(金融サービス提供法)
金融サービス提供法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 金融サービス提供法は、金融商品の販売とはいっさい関係ないとされているのである
- 金融の規制は、一度決めたらいっさい見直されないものと決められているのである
- 金融サービス提供法は金融商品販売の横断的なルールを整え、2021年に施行された
- 金融サービス提供法は、利用者保護とはいっさい関係がないものと決められているのだ
解答は 3 である。
金融サービス提供法は、金融商品販売の横断的なルールを整え、2021年に施行された。分野をまたいで整えるのじゃ。
選択肢1の「販売と関係ない」、選択肢2の「見直されない」、選択肢4の「利用者保護と関係ない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 金融商品販売のルールである |
| 2 | ✗ | 規制は見直され続ける |
| 3 | ✓ | 横断的ルール・2021年施行で正しい |
| 4 | ✗ | 利用者保護の流れの一部 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 適合性原則は顧客に合った提案、顧客本位の業務運営は顧客の利益を第一にする。
- 🔴 金融サービス提供法(2021年施行)が金融商品販売の横断的なルールを整える。
- 🟡 規制は利用者保護と説明責任を重んじる方向に見直され続けている。
次に学ぶ
- コンプライアンス実務 ── 規制を実際の業務で守る具体的な実務。あわせて押さえられる。
- FPの倫理 ── 顧客本位を支えるFPの職業倫理。考え方の柱を押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部