自動車保険の補償とは(全体像)
自動車保険は、事故にそなえる保険。法律で入る自賠責保険ではカバーしきれない部分を、任意の自動車保険で補う。
押さえるのは、「誰の・何の損害か」で補償が分かれること。相手への賠償、自分や同乗者のケガ、自分の車——それぞれに対応する補償がある。そして、保険料が変わるノンフリート等級のしくみも問われる。
詳しく:5つの補償と等級
ここが記事の心臓部。まず、5つの補償。
自動車保険の主な5つの補償
| 補償 | 何を補うか |
|---|---|
| 対人賠償 | 事故で相手をケガ・死亡させたときの賠償 |
| 対物賠償 | 事故で相手の物を壊したときの賠償 |
| 人身傷害 | 自分や同乗者のケガを、自分の過失に関係なく実際の損害で補う |
| 搭乗者傷害 | 車に乗っていた人(同乗者など)のケガに備える |
| 車両保険 | 自分の車の損害に備える |
そして、保険料に関わるノンフリート等級。
ノンフリート等級のしくみ
| できごと | 等級の動き |
|---|---|
| 1年間無事故 | 等級が1つ上がる(保険料が下がる方向) |
| 事故を起こした | 原則3つ下がる(3級ダウン) |
整理のコツは2つ。
①5つの補償を「誰の損害か」で分ける。相手への賠償(対人・対物)、自分や同乗者のケガ(人身傷害・搭乗者傷害)、自分の車(車両保険)。人身傷害は自分の過失に関係なく補う点がポイント。
②事故は原則3級ダウン。無事故なら1年で1級上がるが、事故を起こすと原則3級下がる。「事故で1級ダウン」は誤り。
なお、等級や補償の細かい内容は会社で変わることがある。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり自動車保険は、「事故のとき、誰の・何の損害を補うかで分かれた5つの補償の組み合わせ」だとイメージするとラク。
要するに、相手への賠償が対人賠償(ケガ・死亡)と対物賠償(物)、自分や同乗者のケガが人身傷害と搭乗者傷害、自分の車が車両保険。なかでも人身傷害は、自分の過失に関係なく実際の損害を補ってくれるのがありがたいところ。
そして、保険料が変わるノンフリート等級は、無事故なら1年で1級上がり、事故を起こすと原則3級下がる。ひっかけは「事故で1級ダウン」という思い込み、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:5つの補償の役割
①対人賠償・対物賠償=相手への賠償
②人身傷害・搭乗者傷害=自分や同乗者のケガ/車両保険=自分の車
🔴 次に出る:事故は原則3級ダウン
①無事故なら1年で等級が1つ上がる
②事故を起こすと原則3級下がる(1級ダウンではない)
🟡 押さえると安定:人身傷害の特徴
①自分の過失に関係なく実際の損害を補う
②自分や同乗者のケガに備える
よくある間違い
①「事故を起こすと等級は1級だけ下がる」→ ✗ 事故は原則3級ダウン。無事故なら1年で1級アップ。
②「人身傷害は自分の過失があると補償されない」→ ✗ 人身傷害は自分の過失に関係なく実際の損害を補う。
③「対物賠償は自分の車の修理に使える」→ ✗ 対物賠償は相手の物への賠償。自分の車は車両保険。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(補償の役割)
自動車保険の補償に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 対人賠償は自分の車の修理にあてる補償で、相手への賠償にはいっさい使えないものとされている
- 対人賠償は相手をケガ・死亡させたときの賠償、車両保険は自分の車の損害に備える補償である
- 対物賠償は相手のケガに備える補償で、相手の物を壊したときはいっさい使えないものとされている
- 車両保険は相手の物への賠償にあてる補償で、自分の車にはいっさい使えないものとされている
解答は 2 だよ。
対人賠償は相手をケガ・死亡させたときの賠償、車両保険は自分の車の損害に備える補償なんだ。役割が分かれているよ。
選択肢1は「対人賠償が自分の車」、選択肢3は「対物賠償が相手のケガ」、選択肢4は「車両保険が相手の物」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 対人賠償は相手への賠償 |
| 2 | ✓ | 対人は相手・車両は自分の車で正しい |
| 3 | ✗ | 対物賠償は相手の物への賠償 |
| 4 | ✗ | 車両保険は自分の車の損害 |
オリジナル問題2(人身傷害)
自動車保険の人身傷害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 人身傷害は、自分に少しでも過失があると補償をいっさい受けられないものとされている
- 人身傷害は、相手の物を壊してしまったときの賠償だけにあてる補償であると決められている
- 人身傷害は、相手をケガさせたときだけに使う補償で、自分のケガには使えないものとされている
- 人身傷害は、自分や同乗者のケガを、自分の過失に関係なく実際の損害にもとづいて補ってくれる
解答は 4 だよ。
人身傷害は、自分や同乗者のケガを、自分の過失に関係なく実際の損害で補ってくれるんだ。過失があっても補償されるのがありがたいところだよ。
選択肢1は「過失があると補償されない」、選択肢2は「相手の物の賠償」、選択肢3は「自分のケガに使えない」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 過失に関係なく補償される |
| 2 | ✗ | 相手の物の賠償は対物賠償 |
| 3 | ✗ | 自分や同乗者のケガに使う |
| 4 | ✓ | 過失に関係なく実損を補い正しい |
オリジナル問題3(ノンフリート等級)
自動車保険のノンフリート等級に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 無事故であれば1年ごとに等級が1つ上がり、事故を起こすと原則として3つ下がることになる
- 無事故でも、たとえ事故を起こしても、等級はいっさい変わらない仕組みであると決められている
- 事故を起こすと等級は1つだけ下がり、それ以上は下がらないものとされている
- 無事故だと等級がかえって下がり、事故を起こすと等級が上がるものとされている
解答は 1 だよ。
無事故なら1年で等級が1つ上がり、事故を起こすと原則として3つ下がるんだ。「事故で1級ダウン」ではなく3級ダウンだよ。
選択肢2は「いっさい変わらない」、選択肢3は「1つだけ下がる」、選択肢4は上がり下がりが逆で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 無事故で1級アップ・事故で原則3級ダウンで正しい |
| 2 | ✗ | 等級は変わる |
| 3 | ✗ | 事故は原則3級ダウン |
| 4 | ✗ | 上がり下がりが逆 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 5つの補償。対人・対物(相手)、人身傷害・搭乗者傷害(自分や同乗者のケガ)、車両保険(自分の車)。
- 🔴 事故は原則3級ダウン。無事故なら1年で1級アップ、事故を起こすと原則3級ダウン。
- 🟡 人身傷害の特徴。自分の過失に関係なく、実際の損害を補ってくれる。
次に学ぶ
- 任意自動車保険(基礎) ── FP3級で学ぶ自動車保険の土台。基本の補償をおさらいすると、5つの役割が整理できる。
- 火災保険の種類 ── 同じ損害保険のしくみ。補償の範囲という考え方を横断して押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部