中退共とは(全体像)
中退共は、中小企業が単独では用意しにくい退職金を、国の共済のしくみでまとめて支えるもの。会社が毎月掛金を払っておけば、従業員が辞めるときに、中退共から退職金が支払われる。
ポイントは、対象が中小企業に限られること。大企業は対象外。そして掛金は会社(事業主)が全額負担し、税金の計算では全額が経費(損金)になる。
詳しく:掛金・助成・支払い
ここが記事の心臓部。中退共のしくみを整理する。
中退共のポイント
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 対象 | 中小企業(大企業は対象外) |
| 掛金の負担 | 事業主が全額負担(従業員は払わない) |
| 税金の扱い | 掛金は全額が経費(損金)になる |
| 国の助成 | 新しく加入したときなど、掛金の一部を一定期間補助 |
| 退職金の支払い | 中退共から従業員へ直接支払われる |
整理のコツは2つ。
①対象は中小企業・掛金は事業主が全額負担。従業員の自己負担はなく、会社が払う掛金は全額が経費になる。
②国の助成があり、退職金は直接支払い。新規加入時などに国の補助があり、退職金は会社を通さず中退共から従業員へ直接支払われる。
なお、助成の額や条件は改正で変わることがある。受験する年度の最新の基準もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり中退共は、「中小企業の退職金を、国の共済でまとめて積み立てるしくみ」だとイメージするとラク。
要するに、掛金を払うのは会社だけ(従業員の負担なし)で、その掛金は全額が会社の経費になる。さらに国の助成もあるので、中小企業が退職金を用意しやすい。
ひっかけは「大企業も加入できる」「掛金は従業員も負担する」という思い込み。対象は中小企業で、掛金は事業主が全額負担、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:対象は中小企業・掛金は事業主が全額
①対象は中小企業(大企業は対象外)
②掛金は事業主が全額負担し、従業員は払わない
🔴 次に出る:掛金は全額が経費・国の助成
①掛金は税金の計算で全額が経費(損金)になる
②新しく加入したときなど、国の助成がある
🟡 押さえると安定:退職金は直接支払い
①退職金は中退共から従業員へ直接支払われる
②会社が単独で用意しにくい退職金を共済で支える
よくある間違い
①「中退共は大企業も加入できる」→ ✗ 対象は中小企業。大企業は対象外。
②「中退共の掛金は従業員も負担する」→ ✗ 掛金は事業主が全額負担する。
③「中退共の掛金は経費にならない」→ ✗ 掛金は全額が経費(損金)になる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(対象と掛金)
中退共(中小企業退職金共済)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 中退共は企業の規模に関係なく、大企業も中小企業も同じように加入できるものとされている
- 中退共は中小企業のための退職金制度で、掛金は事業主が全額負担し、従業員は掛金を払わない
- 中退共は従業員が掛金を全額負担する制度で、事業主はいっさい掛金を出さないものとされている
- 中退共は個人事業主だけが対象で、会社で働く従業員はいっさい加入できないものとされている
解答は 2 だっ。
中退共は中小企業のための制度で、掛金は事業主が全額負担し、従業員は払わないよっ。
選択肢1は「大企業も同じように加入」、選択肢3は「従業員が全額負担」、選択肢4は「個人事業主だけ」で、いずれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 対象は中小企業 |
| 2 | ✓ | 中小企業・掛金は事業主全額負担で正しい |
| 3 | ✗ | 掛金は事業主が負担する |
| 4 | ✗ | 中小企業の従業員のための制度 |
オリジナル問題2(掛金の税金の扱い)
中退共の掛金の税金の扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 中退共の掛金は税金の計算ではいっさい経費にできず、会社の利益から差し引けないものとされている
- 中退共の掛金は半分だけが経費になり、残りの半分は経費にできないものと決められている
- 中退共の掛金は、税金の計算において、その全額が経費(損金)として認められることになる
- 中退共の掛金は経費ではなく、逆に会社の利益として課税対象に加えられるものとされている
解答は 3 だよっ。
中退共の掛金は、税金の計算において全額が経費(損金)になるよっ。会社にとって取り入れやすいしくみだっ。
選択肢1は「いっさい経費にできない」、選択肢2は「半分だけ」、選択肢4は「利益に加える」で、いずれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 全額が経費になる |
| 2 | ✗ | 半分ではなく全額 |
| 3 | ✓ | 全額が経費(損金)で正しい |
| 4 | ✗ | 利益に加えるわけではない |
オリジナル問題3(国の助成と支払い)
中退共の助成や退職金の支払いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 中退共には国の助成があり、退職金は中退共から従業員へ直接支払われる仕組みになっている
- 中退共には国の助成はいっさいなく、すべて会社が自前で負担するものと決められている
- 中退共の退職金は会社にいったん支払われ、会社が自由に使い道を決められるものとされている
- 中退共の退職金は国に納められたまま従業員には支払われず、受け取れないものとされている
解答は 1 だっ。
中退共には国の助成があり、退職金は中退共から従業員へ直接支払われるよっ。
選択肢2は「助成がない」、選択肢3は「会社が自由に使う」、選択肢4は「従業員に支払われない」で、いずれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 国の助成あり・直接支払いで正しい |
| 2 | ✗ | 国の助成がある |
| 3 | ✗ | 退職金は従業員へ直接支払われる |
| 4 | ✗ | 従業員が受け取れる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 対象は中小企業・掛金は事業主が全額負担。従業員の自己負担はない。
- 🔴 掛金は全額が経費・国の助成あり。新規加入時などに掛金の一部が補助される。
- 🟡 退職金は直接支払い。中退共から従業員へ直接支払われる。
次に学ぶ
- 確定給付企業年金 ── 会社が用意する給付のしくみ。退職金・企業年金まわりをセットで押さえると整理しやすい。
- 老後資金 ── 退職金も老後資金の柱の1つ。必要額の試算とあわせて、退職後の備えが見えてくる。
執筆: SikakuQuest編集部