宅建の実務クエスト

【宅建の実務】「自分で住みたい」で更新を断れる?──正当事由を助言する

戸建てを貸している貸主から、相談が届く。

「人に貸している家に、事情ができて自分で住みたくなりました。契約の更新の時期が近いので、借りている人に出て行ってもらいたいのですが、『貸主の都合』というだけで更新を断れるものでしょうか?」

宅建の試験では「正当事由」は借地借家法の重要テーマ。覚えた考え方が力になるのは、こうして貸主に、期待と現実の両方を正確に伝えられたときだ。この記事では、更新を断るための考え方を整理する。

この記事は、学習アプリ「シカクエ」の実務クエスト「貸主からの更新拒絶(正当事由)に助言する」を読み物として再構成したもの。人物・案件はすべて架空です。

まず結論:「貸主の都合」だけでは足りない

普通借家契約では、貸主から更新を断るには正当事由が必要。「自分で住みたい」という事情は考慮される要素ではあるが、それだけで当然に出てもらえるわけではない。

ここは、貸主の期待とずれやすいところ。まず「貸主の都合だけでは難しい」を正確に伝えたうえで、どうすれば円満に進められるかを一緒に考えるのが、この場面の役割になる。

正当事由は「総合的に」判断される

正当事由があるかどうかは、次のような要素を総合して判断される。

貸主の自己使用の必要性は「考慮される要素の一つ」で、立退料などと合わせて総合判断される、というのが正確なところ。

通知の「時期」にも決まりがある

更新を断る場合は、期間満了の1年前から6か月前までの間に、更新拒絶の通知をする必要がある。時期を外すと、そのままの条件で更新(法定更新)となることがある。だから、まず通知の時期を確認するのが実務の第一歩になる。

プロならこう助言する

ハルさん、ご事情、承知しました。正直にお伝えすると、「貸主の都合」というだけで更新を断るのは難しく、借地借家法では正当事由が必要とされています。

正当事由があるかどうかは、貸主・借主それぞれが建物をどれだけ必要としているか、これまでの経緯、建物の使われ方、そして立退料など財産上の提供の有無を総合して判断されます。ハルさんが自分で住みたいという事情は考慮される要素ですが、それだけで当然に出ていただけるわけではありません。立退料の提供が、正当事由を補う方向に働くこともあります。

また、更新を拒む場合は、期間満了の1年前から6か月前までの間に、更新拒絶の通知をする必要があります。まずは通知の時期と、どのような条件なら円満に進められるかを一緒に検討しましょう。

この場面で効いている宅建の知識

「正当事由は総合判断・通知は1年前〜6か月前」という試験知識が、そのまま貸主への正確な助言になっている。

自分でやってみる

学習アプリ「シカクエ」の実務クエストでは、この相談に自分で助言を書いて採点を受けられる(架空の練習用)。正当事由の考え方と通知の時期を、貸主に正確かつ寄り添って伝えられるか、試してみると定着が進む。

勉強は、クエストになった。

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架空の実務場面をもとにした学習用の解説記事です。実在の会社・物件・取引ではありません。制度は改正されることがあるため、受験年度の最新情報もあわせてご確認ください。