保険外併用療養費とは?原則禁止の混合診療の例外

公開: 更新: カテゴリ: 健康保険法

30秒で結論

保険外併用療養費とは(全体像)

健康保険では、保険のきく治療(保険診療)ときかない治療(保険外診療)を同時に受ける「混合診療」は原則禁止。原則どおりなら、保険外の治療を混ぜた時点で、保険のきく分まで含めて全額が自費になってしまう。

そこで、決められた医療に限って併用を認め、保険診療にあたる部分だけは保険から給付するのが保険外併用療養費。

押さえるのは、認められる範囲が3類型に限られること。


詳しく:この表だけ覚えれば戦える

ここが記事の心臓部。保険外併用療養費の中身は、次の2つの表に全部つまっている。

まず、お金の出方。これが一番問われる。

給付のしくみ(二段構え)

部分扱い
保険診療にあたる部分保険外併用療養費として給付される(窓口では通常どおり一部負担金がかかる)
保険外の部分(先進医療費・差額ベッド代など)全額自己負担(給付されない)

つまり患者の負担は「保険診療部分の一部負担金 + 保険外部分の全額」という二段構え。保険外の部分まで給付されると取り違えやすいので、ここを固める。

次に、3類型の中身

3類型の中身

類型中身代表例
評価療養将来の保険入りに向けて有効性・安全性を評価中の医療先進医療(陽子線治療など)
選定療養患者が選ぶ上乗せサービス差額ベッド・予約診療・時間外診療・200床以上の病院を紹介状なしで受診したときの特別料金
患者申出療養患者の申出を起点に、国の審査を経て未承認薬などを使う医療未承認の薬・医療機器を使う治療

ポイントは、患者申出療養は患者の申出だけで自動的に始まるのではなく、国の審査を経て実施されること。また、患者申出療養が加わって今の3類型になっている(評価療養・選定療養の2類型だけではない)。

わかりやすく言い換えると

要するに、こうイメージするとラク。

評価療養は「もうすぐ保険入りする見込みの新しい医療」、選定療養は「患者が自分で選ぶ快適さ・便利さの上乗せ」、患者申出療養は「患者が手を挙げて国の審査を通す医療」。

お金は「保険のきく分は保険から・きかない分は丸ごと自腹」。


試験のツボ

🔴 一番出る:お金の二段構え

①保険診療にあたる部分 = 給付される(一部負担金はかかる)

②保険外の部分(先進医療費・差額ベッドなど) = 全額自己負担

🔴 次に出る:3類型の中身

①評価療養 = 先進医療など(将来の保険入りを評価中)

②選定療養 = 差額ベッドなど(患者が選ぶ上乗せ)

③患者申出療養 = 患者の申出+国の審査

🟡 押さえると安定:混合診療は原則禁止、その例外がこの3類型。だから「混合診療は自由」「例外は2類型だけ」はどちらも誤り。


よくある間違い

「先進医療費や差額ベッド代も保険給付される」→ ✗  給付されるのは保険診療にあたる部分だけ。保険外の部分は全額自費。

「例外は評価療養と選定療養の2類型だけ」→ ✗  患者申出療養を入れた3類型。

「患者申出療養は患者が申し出れば直ちに受けられる」→ ✗  国の審査を経てから実施される。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(給付の範囲)

📝 オリジナル問題 1 給付の範囲

保険外併用療養費の給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 保険外併用療養費では、保険診療にあたる部分が給付され、保険外の部分は全額自己負担となる
  2. 保険外併用療養費では、先進医療費や差額ベッド代などの保険外部分も含め全額が給付される
  3. 保険外併用療養費では、保険外診療を併用した時点で保険診療部分も含め全額が自己負担になる
  4. 保険外併用療養費では、保険外の部分のみが給付され、保険診療にあたる部分は全額自費になる
セーフビーバ
セーフビーバ 解答・解説

解答は 1 だよ。

給付されるのは保険診療にあたる部分だけ。その部分には通常どおり一部負担金がかかって、残りが保険外併用療養費として給付されるんだ。先進医療費や差額ベッド代などの保険外部分は全額自己負担。「保険分は給付・保険外は全額自費」の二段構えで押さえてね。

選択肢判定理由
1保険診療部分を給付・保険外は全額自費
2保険外部分は給付されず全額自費
3例外なので全額自費にはならない
4給付されるのは保険診療部分のほう

オリジナル問題2(3類型)

📝 オリジナル問題 2 3類型

保険外併用療養費の類型に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 保険外併用療養費の類型は、評価療養と選定療養のみの2類型に限られるものとされている
  2. 保険外併用療養費の類型は、先進医療と差額ベッドのみの2類型に限られるものとされている
  3. 保険外併用療養費の類型は、評価療養・選定療養・患者申出療養の3類型とされている
  4. 保険外併用療養費の類型は、患者申出療養のみの1類型に限られるものとされている
ロウタイテイ
ロウタイテイ 解答・解説

解答は 3 である。

保険外併用療養費の類型は、評価療養・選定療養・患者申出療養の3つである。評価療養は先進医療など、選定療養は差額ベッドなど、患者申出療養は患者の申出を起点とする医療である。「評価・選定・申出」の3つをそろえて押さえるのが要である。

選択肢判定理由
1患者申出療養を入れた3類型
2先進医療・差額ベッドは評価療養・選定療養の例
3評価・選定・患者申出の3類型
4患者申出療養だけではない

オリジナル問題3(患者申出療養)

📝 オリジナル問題 3 患者申出療養

患者申出療養に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 患者申出療養は、患者が申し出ればその場で直ちに受けられ、国の審査は要しないものとされる
  2. 患者申出療養は、患者の申出を起点とし、国の審査を経て実施される医療として位置づけられる
  3. 患者申出療養は患者が選ぶ上乗せサービスを指し、差額ベッドや予約診療などがこれにあたる
  4. 患者申出療養では、申し出た医療にかかった費用の全額が保険から給付されるものとされている
ロウミーア
ロウミーア 解答・解説

解答は 2 だっ。

患者申出療養は、患者の申出を起点にしながらも、国の審査を経て実施される医療なんだっ。申し出ればすぐ受けられるわけではない点がポイントだっ。差額ベッドなどの上乗せサービスは選定療養のほうで、給付されるのも保険診療にあたる部分だけだっ!

選択肢判定理由
1国の審査を経て実施される
2患者の申出+国の審査
3上乗せサービスは選定療養
4給付は保険診療部分だけ

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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