QoS(DSCP・DiffServ)とは?手法とモデル

公開: 更新: カテゴリ: テクノロジ系

30秒で結論

QoSとは(全体像)

QoS(キューオーエス)は、通信の優先順位づけのこと。ネットワークが混んだとき、すべてを平等に遅らせるのではなく、遅れて困る通信を優先して通すしくみだ。

たとえば、ネット電話(VoIP)や動画、オンラインゲームは、ほんの少し遅れただけで品質がガクッと落ちる。一方で、メールやファイルのダウンロードは多少遅れても問題が小さい。そこで急ぎの通信を先に通すのがQoSの役目になる。

押さえる軸は、「印をつけて優先する」+「出しすぎを抑える」の2本立て。


詳しく:手法とモデルを押さえる

ここが心臓部。QoSの手法は、大きく次のように分かれる。

QoSのおもな手法

手法内容(何をする)
優先度制御(DSCP)パケットに優先度のラベル(DSCP)を付け、印に従って先に通す
帯域保証この通信に「最低これだけの道幅」を確保する
輻輳(ふくそう)制御混みそうなとき早めに一部を間引いて、全体の渋滞を防ぐ
帯域制限:Shaping出しすぎた分を遅らせて平す(捨てずに待たせる)
帯域制限:Policing出しすぎた分を捨てる(破棄する)

優先度を「どう全体で扱うか」には、2つの考え方(モデル)がある。

QoSの2つのモデル

モデルやり方向き
DiffServクラス(DSCPの印)ごとにまとめて優先する大規模向け・いまの主流
IntServ通信ごとに事前に帯域を予約するきめ細かいが大規模には不向き

言葉を噛み砕いておく。

わかりやすく言い換えると

つまり、QoSは道路の交通整理にたとえるとスッと入る。

混んだ道路で、救急車(急ぎの通信)を優先的に通すのがQoS。車に貼る優先ステッカーがDSCPで、ステッカーのランクごとにさばくのがDiffServ。「この1台のために車線を丸ごと予約」する丁寧すぎる方式がIntServで、台数が増えると回らなくなる。

入口の交通整理にも2種類ある。台数が多いとき、間隔を空けて少しずつ入れるのがShaping(待たせる)、量を超えた車は入れないのがPolicing(追い返す=捨てる)だ。


試験のツボ

🔴 一番出る:DSCPとDiffServ

①DSCP=パケットに付ける優先度のラベル(6ビット)

②DiffServ=クラスごとにまとめて優先する主流モデル

🔴 次に出る:ShapingとPolicingの違い

①Shaping=出しすぎを遅らせる(待たせる)

②Policing=出しすぎを捨てる(破棄)

🟡 押さえると安定:主流はIntServ(通信ごとに予約)ではなくDiffServ。VoIPなど遅延に弱い通信を優先する


よくある間違い

「ShapingとPolicingは同じもの」→ ✗  Shapingは超過分を遅らせて待たせる、Policingは超過分を捨てる。結果がちがう。

「QoSの主流はIntServ」→ ✗  主流はDiffServ。IntServは通信ごとに予約する方式で、大規模には向かない。

「DSCPは通信の中身を暗号化するしくみ」→ ✗  DSCPは優先度のラベル。暗号化とは別もの。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(DSCPとDiffServ)

📝 オリジナル問題 1 DSCPとDiffServ

QoSに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. DSCPは通信の中身をまるごと暗号化するためのしくみで、優先順位の制御にはまったく関わらないとされる
  2. DiffServは通信ごとに事前に帯域を予約する方式で、規模が大きくなるほどいっそう扱いやすくなるものとされる
  3. DSCPはパケットに付ける優先度のラベルで、DiffServはそのクラスごとにまとめて優先するモデルである
  4. QoSはすべての通信をまったく同じ優先度で扱うしくみで、急ぎの通信を先に通すことはできないとされる
アルゴキュブ
アルゴキュブ 解答・解説

解答は 3 である。

DSCPはパケットに付ける優先度のラベル(6ビット)で、DiffServはそのクラスごとにまとめて優先するモデル。これがいまの主流だ。

選択肢1はDSCPを暗号化と取り違えている。選択肢2はIntServの説明に近く、しかも大規模では扱いにくくなる。選択肢4はQoSの目的(優先順位づけ)を否定しており誤り。

選択肢判定理由
1DSCPは優先度のラベルで暗号化ではない
2予約方式はIntServで、大規模に不向き
3DSCP=ラベル・DiffServ=クラスで優先で正しい
4急ぎの通信を優先するのがQoSの目的

オリジナル問題2(ShapingとPolicing)

📝 オリジナル問題 2 ShapingとPolicingの違い

帯域制限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. ShapingとPolicingはまったく同じ動きをする手法で、超過した通信の扱いに違いはないものとされている
  2. Shapingは出しすぎた分を遅らせて待たせる手法で、Policingは出しすぎた分を捨てる(破棄)手法である
  3. Shapingは通信を必ず暗号化する手法で、Policingは通信の経路をランダムに切り替える手法とされている
  4. ShapingもPolicingも通信量を増やすための手法で、混雑をわざと起こして速度を上げるものとされている
アルゴキュブ
アルゴキュブ 解答・解説

解答は 2 だ。

どちらも出しすぎを抑える方法だが、Shapingは遅らせて待たせるPolicingは捨てる(破棄)という違いがある。ここはよく問われる。

選択肢1は「同じ動き」が誤り。選択肢3は暗号化や経路切り替えと取り違えている。選択肢4は「通信量を増やす」が誤りで、どちらも出しすぎを抑える側の手法だ。

選択肢判定理由
1待たせるか捨てるかで動きが違う
2Shaping=遅延・Policing=破棄で正しい
3暗号化や経路切り替えとは別もの
4量を増やすのではなく抑える手法

オリジナル問題3(QoSのモデルと用途)

📝 オリジナル問題 3 QoSのモデルと用途

QoSのモデルと使いどころに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. QoSの主流は通信ごとに帯域を予約するIntServで、DiffServはほとんど使われなくなったとされている
  2. QoSはファイルのダウンロードだけを優先するしくみで、ネット電話や動画は対象外になるものとされる
  3. QoSを使うと通信の総量そのものが二倍に増えるため、混雑はどんな状況でも完全に解消するとされている
  4. QoSの主流はクラスごとに優先するDiffServで、ネット電話など遅延に弱い通信を先に通すために使われる
アルゴキュブ
アルゴキュブ 解答・解説

解答は 4 だ。

いまの主流はDiffServ(クラスごとに優先)。ネット電話(VoIP)や動画のように遅延に弱い通信を先に通すために使われる。

選択肢1は主流を逆にしている(IntServではなくDiffServ)。選択肢2は優先する相手を取り違えており、むしろ遅延に弱い通信こそ優先する。選択肢3は「総量が二倍」が誤りで、QoSは順番をさばくしくみだ。

選択肢判定理由
1主流はDiffServで、逆になっている
2遅延に弱いネット電話や動画こそ優先する
3総量は増えない。順番をさばくしくみ
4DiffServ主流・遅延に弱い通信を優先で正しい

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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