仮想化とは(全体像)
仮想化は、1台のコンピュータを、見かけ上いくつもの独立したコンピュータに分けて使う技術のこと。分けてできた1つ1つを仮想マシン(VM)と呼ぶ。
身近にたとえると、1棟のマンションだ。建物(物理サーバー)は1つでも、中をいくつもの部屋(VM)に区切れば、別々の住人(OS)が同時に暮らせる。住人どうしは互いの部屋を覗けない(隔離されている)。
これを仕切る大家がハイパーバイザだ。資源(CPU・メモリ)を各部屋に割り振り、住人どうしが干渉しないようにする。
詳しく:Type 1とType 2の違いだけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。ハイパーバイザには2つのタイプがあります。
ハイパーバイザ Type 1とType 2
| タイプ | 別名 | 動く場所 | 特徴 | 代表 |
|---|---|---|---|---|
| Type 1 | ベアメタル | ハードに直接 | 高性能・大規模向け | VMware ESXi・Hyper-V・KVM |
| Type 2 | ホスト型 | OSの上に乗る | 手軽・開発者向け | VirtualBox・VMware Workstation |
Type 1は、ハードウェアに直接インストールするタイプ。間に余計なものがないので高性能で、企業の大規模仮想化やクラウドの基盤(AWS・Azure・Google Cloud)はすべてこのType 1です。
Type 2は、すでにあるOS(WindowsやmacOS)の上に乗せて動かすタイプ。手軽に入れられるので、開発者が手元のPCでテスト用のVMを動かすのに向きます。
ここで取り違えやすいのが「Type 1のほうがType 2より偉い」という誤解。優劣ではなく用途しだいで、性能ならType 1、手軽さならType 2、と使い分けます。
もう1つ、VM(仮想マシン)とコンテナの違いも押さえましょう。
VMとコンテナの違い
| 方式 | OSの持ち方 | 重さ |
|---|---|---|
| VM(仮想マシン) | 1つ1つがOSをまるごと持つ | 重い |
| コンテナ | OS(カーネル)を共有して使う | 軽い |
VMは部屋ごとにOSをまるごと持つので独立性が高いが重い。コンテナはOSの土台(カーネル)を共有するので軽い。「VM=コンテナ」ではなく、別のレイヤーの技術です。
わかりやすく言い換えると
要するに、マンションの建て方で考えるとラクです。
①Type 1 … 土地に直接建てる大家(高性能・クラウドの基盤)
②Type 2 … 既存の家を間借りして部屋貸し(手軽・開発者向け)
③VMとコンテナ … VMは部屋ごとに台所も持つ(重い)/コンテナは台所を共有(軽い)
つまり、「Type 1は直接・Type 2は間借り」「優劣でなく用途」「VMはまるごと・コンテナは共有」、この3点で迷いません。
試験のツボ
🔴 一番出る:Type 1とType 2の違い
①Type 1(ベアメタル) = ハードに直接・高性能・クラウドの基盤
②Type 2(ホスト型) = OSの上に乗る・手軽・開発者向け
🔴 次に出る:優劣でなく用途しだい
①性能を求めるならType 1、手軽さならType 2
②「Type 1が必ず上」ではない
🟡 押さえると安定:VMとコンテナの違い
①VM = 1つ1つがOSをまるごと持つ(重い・独立性が高い)
②コンテナ = OS(カーネル)を共有する(軽い)
よくある間違い
①「Type 1はType 2より必ず優れている」→ ✗ 優劣ではなく用途しだい。性能ならType 1、手軽さならType 2。
②「VMとコンテナは同じもの」→ ✗ VMはOSをまるごと持つ、コンテナはOS(カーネル)を共有する別の技術。
③「クラウドの基盤はType 2で動いている」→ ✗ AWS・Azure・Google CloudなどのクラウドはすべてType 1の上で動く。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(Type 1とType 2)
ハイパーバイザのType 1とType 2に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- Type 1はハードに直接入れる高性能なベアメタル型で、Type 2はOSの上に乗るホスト型です
- Type 1はOSの上に乗るホスト型で、Type 2はハードに直接入れるベアメタル型とされている
- Type 1もType 2もまったく同じしくみで、動く場所や用途に違いはないものとされているのだ
- Type 1もType 2も紙に印刷する装置であり、仮想マシンとは無関係なものとされているものだ
解答は 1 ですよ。
Type 1はハードに直接入れる高性能なベアメタル型、Type 2はOSの上に乗るホスト型ですね。クラウドの基盤はType 1です。
選択肢2のType 1とType 2が逆、選択肢3の「同じしくみ」、選択肢4の「印刷装置」はどれも誤りですよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | Type 1は直接・Type 2はOSの上 |
| 2 | ✗ | Type 1とType 2の説明が逆 |
| 3 | ✗ | 動く場所も用途も違う |
| 4 | ✗ | 印刷装置ではない |
オリジナル問題2(優劣でなく用途)
Type 1とType 2の使い分けに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- Type 1はあらゆる場面でType 2より必ず優れており、Type 2を使う理由はないものとされる
- 性能を求める大規模環境はType 1、手軽さを求める手元の開発はType 2と用途で使い分ける
- Type 2はあらゆる場面でType 1より必ず優れており、Type 1を使う意味はないものとされる
- Type 1とType 2はどちらも無線通信の規格で、仮想化には使われないものとされているのだ
解答は 2 ですよ。
性能を求める大規模環境はType 1、手軽さを求める手元の開発はType 2と、用途で使い分けますね。どちらが偉いという話ではありません。
選択肢1と選択肢3の「必ず優れている」、選択肢4の「無線通信の規格」はどれも誤りですよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | Type 2にも向く場面がある |
| 2 | ✓ | 用途で使い分ける |
| 3 | ✗ | Type 1にも向く場面がある |
| 4 | ✗ | 無線通信の規格ではない |
オリジナル問題3(VMとコンテナ)
仮想マシン(VM)とコンテナに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- VMもコンテナもまったく同じ技術で、OSの持ち方や重さに違いはないものとされているのだ
- VMはOSのカーネルを共有する軽量な方式で、コンテナはOSをまるごと持つ重い方式である
- VMは1つ1つがOSをまるごと持ち、コンテナはOSのカーネルを共有して軽く動く方式だ
- VMもコンテナもハードウェアの一種で、ソフトウェアとは無関係なものとされているものだ
解答は 3 ですよ。
VMは1つ1つがOSをまるごと持ち、コンテナはOSのカーネルを共有して軽く動く方式ですね。両者は別のレイヤーの技術です。
選択肢1の「同じ技術」、選択肢2のVMとコンテナが逆、選択肢4の「ハードウェア」はどれも誤りですよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | OSの持ち方も重さも違う |
| 2 | ✗ | VMとコンテナの説明が逆 |
| 3 | ✓ | VMはまるごと・コンテナは共有 |
| 4 | ✗ | どちらもソフトウェアの技術 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 Type 1とType 2 = Type 1(ベアメタル)はハードに直接・高性能・クラウドの基盤、Type 2(ホスト型)はOSの上・手軽・開発者向け。
- 🔴 優劣でなく用途 = 性能ならType 1、手軽さならType 2。「Type 1が必ず上」ではない。
- 🟡 VMとコンテナ = VMはOSをまるごと持つ(重い)、コンテナはOS(カーネル)を共有する(軽い)。別の技術。
次に学ぶ
- OS(オペレーティングシステム) ── 仮想マシンの中で動く基本ソフト。カーネルやシェルなどOSの構成。
- マルチプロセッサ ── 1台に複数のCPUを積むしくみ。仮想化が活きるサーバーの土台になる。
執筆: SikakuQuest編集部