DNSとは(全体像)
DNSとは、「www.example.com」のような名前から、その正体である「IPアドレス(ネット上の住所)」を調べるしくみである。人は名前のほうが覚えやすいが、機器どうしは住所(IP)で通信するので、その橋渡しをするのだ。
身近にたとえると、電話帳のようなもの。「名前」から「電話番号」を調べるのと同じで、「ドメイン名」から「IPアドレス」を引くのである。世界中のサーバーが、ルート→TLD(.comなど)→…と階層で分担して答えている。
押さえるのは、安全のための2つのしくみ——DNSSEC(改ざん検出)とDoH/DoT(問い合わせの暗号化)の役割のちがいである。
詳しく:DNSSECとDoH/DoTの違いだけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。安全のしくみは役割が別ものなので、はっきり分けて覚えるのだ。
DNSSEC と DoH/DoT(役割の違い)
| しくみ | 役割 | やさしく言うと |
|---|---|---|
| DNSSEC | 署名で改ざんを検出 | 答えが書き換えられていないか「印鑑」で確認する |
| DoH/DoT | 問い合わせを暗号化 | 「どの名前を調べたか」を他人に覗かれないよう隠す |
ここで一番のひっかけが「DNSSEC=暗号化」という誤解である。DNSSECは「署名で改ざんを検出する」しくみで、中身を隠す暗号化ではない。中身(問い合わせ)を隠して覗かれないようにするのは、DoH(HTTPSを使う)やDoT(TLSを使う)のほうだ。
もう1つのひっかけが「DNSはもともと暗号化されている」という誤解である。従来のDNSは平文(暗号化されていない)で、DoH/DoTを使ってはじめて問い合わせが暗号化される。なお、大手の公開DNSにはCloudflareの「1.1.1.1」やGoogleの「8.8.8.8」がある。
わかりやすく言い換えると
要するに、電話帳と署名でイメージするとよい。
①DNS … 名前から住所(IP)を調べる電話帳
②DNSSEC … 電話帳の答えが書き換えられていないかを「印鑑(署名)」で確認する(中身は隠さない)
③DoH/DoT … 「どの名前を調べたか」という問い合わせ自体を暗号化して覗かれないようにする
つまり、DNSSECは「改ざん検出(署名)」、DoH/DoTは「中身を隠す(暗号化)」。役割がちがうのが試験の急所である。
試験のツボ
🔴 一番出る:DNSSECは署名検証(暗号化ではない)
①DNSSECは署名で「改ざん」を検出する
②中身を隠す暗号化ではない
🔴 次に出る:DoH/DoTは問い合わせを暗号化
①DoHはHTTPS、DoTはTLSを使う
②「どの名前を調べたか」を覗かれないよう隠す
🟡 押さえると安定:DNSの基本
①名前(ドメイン)からIPアドレスを調べる電話帳
②従来のDNSは平文(DoH/DoTで暗号化される)
よくある間違い
①「DNSSECは中身を隠す暗号化のしくみである」→ ✗ DNSSECは署名で改ざんを検出するしくみ。中身を隠す暗号化はDoH/DoT。
②「DNSはもともと暗号化されている」→ ✗ 従来のDNSは平文。DoH/DoTを使ってはじめて問い合わせが暗号化される。
③「DNSは画面の見た目を整えるしくみである」→ ✗ DNSは名前(ドメイン)とIPアドレスの対応を調べるしくみ。見た目とは関係ない。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(DNSとは)
DNSに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- DNSはドメイン名とIPアドレスの対応を調べる、電話帳のような役割のしくみである
- DNSは画面の明るさを段階で細かく決めるための専用の設定だとされているものなのである
- DNSは音の大きさを段階で決めるための専用の機能だとされているものなのである
- DNSは保存した文字を全部消すための専用の命令だとされているものなのである
解答は 1 である。
DNSは、ドメイン名とIPアドレスの対応を調べるしくみで、インターネットの電話帳のような役割である。名前から住所(IP)を引くのだ。
選択肢2・3・4の「明るさ」「音の大きさ」「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 名前とIPの対応を調べる電話帳の役割 |
| 2 | ✗ | 画面の明るさの設定ではない |
| 3 | ✗ | 音の大きさの機能ではない |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
オリジナル問題2(DNSSEC)
DNSSECに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- DNSSECは画面を必ず点滅させるための専用の設定だとされているものなのである
- DNSSECは音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているものなのである
- DNSSECは署名で答えの改ざんを検出するしくみで、中身を隠す暗号化ではない
- DNSSECは保存した文字を必ず全部消す専用の命令だとされているもの
解答は 3 である。
DNSSECは、署名で答えの改ざんを検出するしくみで、中身を隠す暗号化ではない。「DNSSEC=暗号化」という思い込みが最大のひっかけなのだ。中身を隠すのはDoH/DoTである。
選択肢1・2の「点滅」「二重に鳴らす」、選択肢4の「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
| 2 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
| 3 | ✓ | 署名で改ざんを検出・暗号化ではない |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
オリジナル問題3(DoH/DoT)
DoH/DoTに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- DoH/DoTは画面を必ず点滅させるためだけに使う専用の設定だとされているものなのである
- DoH/DoTは問い合わせ自体を暗号化して、どの名前を調べたかを覗かれにくくする
- DoH/DoTは音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているもの
- DoH/DoTは保存した文字を必ず全部消すための専用の命令だとされているのである
解答は 2 である。
DoH/DoTは、問い合わせ自体を暗号化して、どの名前を調べたかを覗かれにくくするしくみである。DoHはHTTPS、DoTはTLSを使うのだ。改ざん検出のDNSSECとは役割がちがう。
選択肢1・3の「点滅」「二重に鳴らす」、選択肢4の「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
| 2 | ✓ | 問い合わせを暗号化して覗かれにくくする |
| 3 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 DNSSECは署名検証 = 署名で改ざんを検出するしくみ。中身を隠す暗号化ではない。
- 🔴 DoH/DoTは暗号化 = 問い合わせ自体を暗号化(DoHはHTTPS、DoTはTLS)して覗かれにくくする。
- 🟡 DNSの基本 = 名前とIPの対応を調べる電話帳。従来のDNSは平文。
次に学ぶ
- TLS 1.3(HTTPS) ── DoH/DoTが使う、通信を暗号化するしくみ。
- OSI参照モデル(7層) ── DNSが動くアプリケーション層を含む通信の全体像。
執筆: SikakuQuest編集部