【基本情報の実務】週次報告の並べ方──起きた順に書くと、大事なものが最後に来る
プロジェクトのまとめ役から、週次報告のまとめ方について相談が届く。
「週次の定例で進捗を報告することになりました。今週は住民名簿の入力画面が完成、地図表示の機能を作成中で来週前半に完了予定、天候データの提供元が未定で地図に反映できず困っている、という状況です。上長に短時間で伝わる形にまとめてほしいです。」
基本情報の知識がここで力になるのは、3つを並べる順番を決めたときだ。相談文では完成・作成中・困っているの順で並んでいる。この順で報告すると、いちばん大事なものが最後に来る。この記事では、そこから整理する。
まず結論:並べる順は「相手の判断が要る順」
| 並べ方 | 先頭に来るもの |
|---|---|
| 起きた順・工程順 | 完成したもの |
| 相手の判断が要る順 | 止まっているもの |
3つのうち上長が動く必要があるのは、1つだけである。天候データの提供元である。
完成したものは報告すれば終わりで、作成中のものも予定どおりなら、することが無い。
だから止まっているものを、いちばん上に置く。
これは悪い知らせを先に書くという話ではない。相手がすることがある順に並べている。
もし完成のほうに判断してほしいことがあれば、そちらが先になる。順番は、内容の良し悪しでは決まらない。
起きた順に書きたくなる理由
相談文が完成・作成中・困っているの順なのは、自然なことである。
できたことから書きたくなるのは、報告する側の気持ちとしてまっとうである。今週やったことを、まず見てほしい。
ただしそれは報告する側の必要であって、読む側の必要ではない。
読む側は自分がすることがあるかを探して読んでいる。そこが最後にあると、たどり着く前に読み終わることがある。
できたことを書かないという話ではない。書く場所を変えるだけである。
下に置いても、消えはしない。上に置かないと、届かないものだけを上に置く。
困りごとは「何が決まれば動けるか」に変える
「天候データの提供元が未定で、地図に反映できず困っている」——このまま書くと、読んだ側は「困っているんだな」で終わる。
困っていることは伝わるが何をすればよいかが書かれていないので、受け取った側も動けない。
変換すると、こうなる。
- 何が決まれば動けるか——天候データを、どこから受け取るか
- 決めるのは誰か——こちらでは選べないのか、候補を出せば選んでもらえるのか
- いつまでに決まれば間に合うか
3つ目がいちばん効く。これが無いと、緊急度が伝わらない。
「困っています」は、いつ困るかを言っていない。来週でよいのか、今日なのかで、相手の動き方が変わる。
そして候補を1つでも出しておくと、相手は選ぶだけで済む。ゼロから考えてもらうより、ずっと早く決まる。
決まらないと何が止まるかも書く。地図の作成が終わっても、そこで手が空く——それが分かると、期限の意味が伝わる。
最初の3行で、言い切る
「短時間で伝わる形に」と頼まれている。短くするより、上から順に大事にするほうが効く。
最初の3行しか読まれないかもしれない——そう考えて作る。
その3行に入れるのは、こうなる。
- 全体は予定どおりか
- 判断してほしいことがあるか、その期限
- 今週できたこと(1行)
ここまでで報告として成立している。そのあとは、詳しく知りたい人のための場所である。
この形にすると口頭で報告するときも、そのまま使える。最初の3行を読み上げて、質問を受ける——それで足りる。
短くするのではなく、上に集める。下は長くてよい。
報告文の例
週次報告(第◯週)
全体は予定どおりです。ただし1件、ご判断をお願いしたいことがあります。
天候データをどこから受け取るかが決まっておらず、地図への反映に入れません。◯月◯日までに決まれば、予定に影響しません。
今週は住民名簿の入力画面が完成しました。地図表示は作成中で、来週前半に完了予定です。
ご判断をお願いしたい件(詳細)
決めていただきたいこと:天候データの提供元
候補:◯◯(無償・更新は1日1回)/△△(有償・更新は1時間ごと)
地図に載せるだけであれば◯◯で足りると考えていますが、更新の頻度についてのご希望があれば、そちらに合わせます。
期限:◯月◯日
この日までに決まれば、地図表示の完了に続けて着手できます。過ぎた場合、地図が完成したあと、そこで手が空きます。
ご相談の形:候補のどちらか、または「別を当たってほしい」でも構いません。
今週の進捗(詳細)
- 住民名簿の入力画面——完了。動作の確認まで済んでいます
- 地図表示の機能——作成中。来週前半に完了予定(予定どおり)
- 天候データの反映——未着手。上記のご判断待ちです
来週の予定
- 地図表示の完了
- 天候データの反映(提供元が決まりましたら)
最初の段落で、全体の状態を言い切った。「予定どおり」を先に置くと、そのあとの1件が落ち着いて読める。
2段落目に、判断してほしいことと期限を置いた。ここまでで、上長がすることは決まっている。
完成したものは3段落目である。消していない。場所を変えただけ。
詳細では候補を2つ出し、こちらの考えも書いた。選ぶだけで済む形にしている。
「過ぎた場合、そこで手が空きます」——期限の意味を、具体的に書いた。急かす言葉を使っていない。
最後の「別を当たってほしい、でも構いません」は、候補以外の答えも受け取るという一言である。
作り方の手順
- 相手がすることがあるものを探す。
- それを、いちばん上に置く。
- 起きた順・工程順で並べない。
- できたことは、消さずに下へ移す。
- 困りごとを、決めることに変える。
- 誰が決めるかを書く。
- いつまでに決まれば間に合うかを書く。
- 候補を出す。選ぶだけで済む形にする。
- 過ぎたら何が起きるかを書く。急かさない。
- 最初の3行で成立させる。
この場面で効いている基本情報の知識
- 報告の優先順位——相手の判断が要る順に並べる
- 課題の共有——困りごとは、決めることに変換する
- 期限の明示——いつまでに決まれば間に合うかで、緊急度が伝わる
- 依存関係——決まらないと、どこで手が止まるか
知識そのものより、報告する側の必要と、読む側の必要を分けられることが、この場面で効いている。
報告で外したくないポイント
- 並べる順は、相手の判断が要る順。
- 起きた順に書くと、大事なものが最後に来る。
- できたことから書きたいのは、報告する側の必要。
- 下に置いても、消えはしない。
- 「困っています」だけでは、相手も動けない。
- 何が決まれば動けるかに変える。
- いつまでに決まれば間に合うかを必ず書く。
- 候補を出す。選ぶだけで済む。
- 過ぎたら何が起きるかを書く。急かす言葉は使わない。
- 最初の3行で、報告として成立させる。