結論:独学なら市販テキスト、不安なら通信講座
教材選びは、まず「独学でいくか、講座に頼るか」で大きく分かれます。
市販テキスト向き——費用を抑えたい/自分のペースで進めたい/ある程度はひとりで調べられる。通信講座向き——何から手をつけるか分からない/強制力がないと続かない/質問できる相手がほしい。どちらが優れているという話ではなく、自分の性格と予算に合うほうを選ぶのがいちばんです。
費用の感覚もお伝えしておきます。市販テキストなら、入門書と過去問題集をそろえても数千円程度。いっぽう通信講座は、数万円が中心です。この差をどう見るかは、人それぞれ。「お金をかけてでも、つまずきを減らしたい」なら講座、「まずは安く始めたい」ならテキスト、と考えると選びやすくなります。
なお、教材費とは別に、受験料そのものもかかります。基本情報の受験料は7,500円(税込)で、これは教材を何で選んでも共通です。つまり、市販テキストで進める人は「数千円の教材費+受験料」、講座を使う人は「数万円の講座費+受験料」が、おおまかな総額のイメージになります。
受験料は変わることもあるので、申し込む年度に公式サイトで確認しておくとよいでしょう。
迷ったら、まず市販テキストから始めてみる、という手もあります。やってみて「ひとりは厳しい」と感じたら、そこで講座を足せばいい。最初から完璧に決めなくても大丈夫です。
市販テキストの選び方
独学を選ぶなら、テキストは「入門書」と「過去問題集」の2つをそろえるのが基本です。
そろえたい2種類のテキスト
| 種類 | 役割 | 選ぶときのポイント |
|---|---|---|
| 入門書(教科書) | 知識をインプットする | 図解が多く、文系でも読める平易なもの |
| 過去問題集 | 知識を定着させる | 解説がていねいで、新制度に対応したもの |
入門書は、まず通読して全体像をつかむための1冊です。ここは「読みやすさ」を最優先に選んでください。たとえば浮動小数点数のような、とっつきにくいテーマほど、図解の有無で理解のしやすさが変わります。書店で実際に開いて、自分が「読めそう」と感じたものがいちばんです。
過去問題集は、解説の質で選びます。答えだけでなく、「なぜそうなるのか」がていねいに書かれているか。特にソートアルゴリズムのような科目Bのテーマは、解説が詳しいかどうかで、理解の深さが大きく変わります。
なお、入門書1冊を完璧にする必要はありません。1冊を軸にして、分からないところはネットで調べて補う。これで十分に戦えます。何冊も買い込むより、決めた1冊をやり込むほうが、知識は定着します。
使う順番もお伝えしておきます。まず入門書をざっと1周して、全体像をつかむ。次に過去問題集に移り、解いては入門書に戻って確認する、を繰り返す。この「入門書と過去問題集を行き来する」やり方が、いちばん効率がいいです。
入門書を読み込んでから過去問へ、と順番を分けるより、早めに過去問に手をつけて、分からないところを入門書で埋めるほうが、知識が結びつきやすいからです。
通信講座が向いている人
「ひとりだと続かない」「何をやればいいか分からない」——そんな人には、通信講座という選択肢があります。
通信講座の強みは、学習の道筋が最初から用意されていること。何をどの順番でやればいいかを、講座が示してくれます。動画で解説を聞けるので、文字だけのテキストより頭に入りやすい、という人も多いです。質問できるサポートが付いている講座なら、つまずいてもそこで止まりません。
ひとくちに通信講座といっても、いくつかのタイプがあります。動画講義を中心にしたもの、テキストが郵送されてきて質問をメールで受け付けるもの、スマホアプリで講義も演習も完結するもの——形式はさまざまです。自分の生活スタイルに合うものを選ぶのが大事で、たとえば通勤時間に勉強したいなら、スマホで完結するアプリ型が向いています。逆に、腰を据えて机で学びたいなら、テキスト中心の講座が合います。
講座を選ぶときは、①新制度(科目A・科目B)に対応しているか ②科目Bのアルゴリズム対策が手厚いか ③質問サポートの有無、この3つを確認してください。特に科目Bは独学でつまずきやすい山なので、ここの対策が充実している講座は心強い味方になります。
ただし、講座を申し込んだだけで満足してしまうと、もったいないです。動画を「見る」だけでは、知識は定着しません。要するに、講座を使う場合も、結局は自分で過去問を解く時間が必要になります。講座は「道案内」であって、歩くのは自分、と考えておくとちょうどいいです。
失敗しない、共通のチェックポイント
テキストでも講座でも、教材選びで共通して大事なことが、ひとつあります。それは、新しい試験制度に対応しているかです。
基本情報は、2023年4月から試験のしくみが大きく変わりました。それ以前は「午前・午後」という区分で、年に2回の決まった日程で実施されていました。今は「科目A・科目B」の2本立てで、通年で都合のよい日に受けられるCBT方式です。
中古や型落ちの教材には、旧制度(午前・午後)のまま書かれたものが混じっています。これを買ってしまうと、出題範囲や形式がずれてしまうことがあります。「科目A・科目B」「CBT」「最新の出題範囲」といった言葉が入っているかを、購入前に確認してください。発行年が新しいかどうかも、ひとつの目安になります。
もうひとつ、忘れてはいけないのが、科目Bへの対応です。新制度の科目Bは、アルゴリズムと情報セキュリティが中心。ここは多くの人がつまずく分野なので、科目Bの解説や演習がしっかり載っている教材を選ぶと、後で楽になります。マネジメントやストラテジ分野で出てくるKPIのような用語は暗記で対応できますが、科目Bは「慣れ」が必要だからです。
① 評判だけで分厚い1冊を選ぶ——読み切れずに途中で止まりがち。読みやすさを優先しましょう。② 古い版を中古で買う——旧制度のままで範囲がずれることがあります。③ 科目Aばかりの教材で満足する——科目Bの演習が薄いと、本番でつまずきます。この3つを避けるだけで、教材選びの失敗はぐっと減ります。
無料の学習リソースも組み合わせる
教材は、お金を出して買うものだけではありません。無料で使えるリソースを組み合わせると、独学のコストはさらに下げられます。
組み合わせたい無料リソース
特に演習の中心になるのが、無料の過去問サイトです。基本情報の対策は、過去問をどれだけ解いたかが大きくものを言います。つまり、ここを無料でまかなえると、教材費を市販テキスト代だけに抑えられます。
こうしたサイトでは、分野ごとに問題を絞って解いたり、間違えた問題だけをあとでまとめて解き直したりできるものもあります。たとえば「セキュリティだけ集中して解く」「前回間違えた問題をもう一度」といった使い方ができるので、自分の弱点に合わせて演習を組み立てられます。市販の問題集を1冊やり込んだあと、こうしたサイトで分野別に総仕上げをする——そんな流れも効果的です。
動画も、上手に使うと心強い味方です。たとえばアルゴリズムの動きは、文字で読むより、図が動く動画で見たほうが腑に落ちることがあります。噛み砕いて言うと、目で見て理解したものは、記憶に残りやすいのです。テキストで詰まった分野だけ、動画で補う——この使い分けが効きます。
ただし、無料リソースを「集めること」が目的になっては本末転倒です。あれもこれもと手を広げず、軸になる教材を決めて、足りない部分だけ無料リソースで補う。この順番を守ると、迷わず進められます。教材は、増やすより、絞って使い込むほうが力になります。
理解度チェック
ここまでの内容が、どれくらい身についたか確かめてみましょう。
教材の選び分けについて、本文の説明に最も近いものはどれか。
- 費用が高い通信講座のほうが、必ず合格に近づける
- 独学なら市販テキスト、不安なら通信講座が目安
- 市販テキストだけは合格に使えず避けるべきだ
- 通信講座を申し込めば過去問演習はいらない
解答は 2 です。
費用を抑えて自分のペースで進めたいなら市販テキスト、ひとりが不安で道案内がほしいなら通信講座、という分け方が基本です。優劣ではなく、性格と予算に合うほうを選びます。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 高い講座が必ず近いわけではない |
| 2 | ✓ 正解 | 性格と予算で選び分ける |
| 3 | ✗ 誤り | 市販テキストでも十分合格できる |
| 4 | ✗ 誤り | 講座でも過去問演習は必要 |
迷ったら、まずテキストから始める手もあります。
独学で市販テキストをそろえるとき、本文がすすめる組み合わせはどれか。
- 入門書を、とにかく何冊も買い込んでおく
- 過去問題集だけを買い、入門書は使わない
- 入門書を5冊以上そろえてから演習に入る
- 入門書1冊と、過去問題集を組み合わせる
解答は 4 です。
知識を入れる入門書と、定着させる過去問題集の2種類が基本です。入門書は何冊も買わず、読みやすい1冊を軸にやり込むほうが、知識は定着します。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 何冊も買うより1冊をやり込む |
| 2 | ✗ 誤り | 入門書で土台を作ると進めやすい |
| 3 | ✗ 誤り | 冊数より1冊の理解が大事 |
| 4 | ✓ 正解 | 入門書+過去問題集が基本形 |
決めた1冊を、しっかりやり込みましょう。
教材を選ぶとき、本文が共通して注意するよう促している点はどれか。
- とにかく分厚くて、情報量の多いものを選ぶ
- 表紙のデザインの好みで決めてしまう
- 新制度の科目A・科目Bに対応しているか
- いちばん安い中古の教材を選んでしまう
解答は 3 です。
基本情報は2023年4月に制度が変わりました。旧制度(午前・午後)の古い教材をつかまないよう、「科目A・科目B」「CBT」「最新の出題範囲」の表記と発行年を確認しましょう。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 厚さより新制度対応が大事 |
| 2 | ✗ 誤り | デザインは合否に関係しない |
| 3 | ✓ 正解 | 新制度対応かが共通の要 |
| 4 | ✗ 誤り | 中古は旧制度のことがある |
発行年と「科目A・科目B」の表記を確認してください。
「教材、なんだか選べそう」と感じてもらえたなら、編集部としては嬉しいです。
テキストでインプットしたあとの過去問演習を、手軽に回したいなら、4択問題を1問ずつ解けるシカクエのアプリも、選択肢の一つに入れてみてください。1日10問のリズムで、すきま時間を演習に変えられます。
もちろん、市販の過去問題集や無料の過去問サイトで進めるのも、まったく問題ありません。自分の予算と続けやすさで、いちばん合う形を選んでください。
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