結論:科目Aを土台に、科目Bは早めに並走
まず、ざっくりした結論からお伝えします。
基本情報は「科目A」と「科目B」の2本立てです。多くの人にとって進めやすいのは、科目Aで知識の土台をつくりながら、科目Bにも早い時期から少しずつ触れておく、という組み立てです。
科目A=広く浅く、IT全般の基礎知識。科目B=アルゴリズムとセキュリティを、手を動かして解く。土台になるのは科目Aなので、最初は科目Aを厚めに。ただし、科目Bを最後まで放置すると、直前に慌てます。だから「科目A中心+科目B少々」で始め、後半に科目Bの比重を上げていく——この流れが、いちばん無理がありません。
なぜ科目Aを先に厚くするかというと、科目Bの問題を読み解くにも、結局はIT全般の言葉が分かっていないと進めないからです。たとえば、セキュリティの仕組みも、ネットワークやデータの基礎が頭に入っていると、ぐっと理解しやすくなります。土台があるほど、その上に積むものが安定する、というわけです。
とはいえ、「科目Aを全部終えてから科目Bへ」という進め方は、あまりおすすめしません。理由は次の章でくわしく見ますが、科目Bは「慣れ」が必要な分野で、後回しにするほど苦しくなるからです。だから、土台づくりと並走を、上手に重ねていきます。
科目Aは「テクノロジから」始めると地続きになる
では、その科目Aの中は、どこから手をつければいいのでしょうか。
科目Aは、大きく「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3つの分野に分かれます。範囲が広く見えますが、最初に向かうべき入り口は、はっきりしています。テクノロジ系から始めるのが、いちばん地続きです。
科目Aの3分野と、おすすめの入り口
| 分野 | 主な中身 | 進め方の目安 |
|---|---|---|
| テクノロジ系 | コンピュータ・ネットワーク・セキュリティ・基礎理論 | 最初に厚めに。科目Bの土台にもなる |
| マネジメント系 | プロジェクト管理・サービス管理 | 中盤に。暗記中心で進めやすい |
| ストラテジ系 | 経営戦略・法務・企業活動 | 後半でも追いつきやすい |
テクノロジ系を先にやる理由は、ここが科目Bと地続きだからです。科目Bで問われるアルゴリズムやセキュリティは、テクノロジ系の知識がそのまま土台になります。わかりやすく言うと、テクノロジ系を進めること自体が、科目Bの準備運動を兼ねている、ということです。
いっぽう、マネジメント系やストラテジ系は、暗記の要素が強めです。これらは、テクノロジ系より後に回しても、比較的追いつきやすい。だから、まずはテクノロジ系でIT全体の見取り図をつかみ、その後でマネジメント・ストラテジを積んでいく——この順番が、知識を地続きにつなげやすいんです。
もちろん、「経営や法務の話のほうが取っつきやすい」という人は、そちらから入っても問題ありません。順番に絶対の正解はないからです。ただ、迷ったときの基本形としては、テクノロジ系を入り口にすると、後の科目Bにスムーズにつながっていきます。
科目Bは後回しにしない——少しずつ並走させる
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
多くの人がやりがちなのが、「科目Aを完璧にしてから、科目Bに取りかかる」という進め方。一見、堅実に見えます。でも、これは少し危ない順番かもしれません。
科目Bのアルゴリズムは、知識を覚えるだけでは解けるようになりません。たとえば配列・リストのようなデータの扱い方や、IPA擬似言語構文の読み方は、実際に手を動かして、何度も解くうちに体になじんでいきます。噛み砕いて言うと、自転車の練習に近い。説明を聞くだけでは乗れず、転びながら慣れていくものなんです。だから、直前にまとめてやろうとすると、時間が足りなくなります。
最初の一歩として効くのが、「トレース」という地味な作業です。これは、プログラムの動きを一行ずつ追いながら、変数の値が何に変わっていくかを紙に書き出してみること。たとえば「xが3になり、次にyが5になり…」と、頭の中ではなく手で書き出します。わかりやすく言うと、コンピュータの代わりに、自分が一歩ずつ計算してあげる感覚です。最初は時間がかかりますが、これを何度かやると、擬似言語の動きが「読める」ようになっていきます。科目Bが苦手という人の多くは、このトレースを飛ばして、いきなり答えを当てようとして詰まっています。
そこで効くのが「並走」です。科目Aを中心に進めながら、週に何度かは科目Bの問題にも触れておく。最初は1日1問でもかまいません。早い時期から擬似言語の読み方に慣れておけば、後半でぐっと楽になります。
たとえば、論理回路のような基礎理論を科目Aで学んだら、その流れで科目Bのアルゴリズムにも目を向けてみる。科目Aと科目Bは、別々の試験というより、地続きの知識です。並走させることで、片方で学んだことが、もう片方の理解を助けてくれます。
具体的な並走のイメージも、ひとつ挙げておきます。たとえば1週間を、こんなふうにゆるく配ってみる方法があります。
並走の一例(学習序盤の1週間)
このように、平日は科目Aを軸にしつつ、科目Bを「1日1問のおまけ」として混ぜておく。休日に少しまとめて科目Bを触る。これだけでも、擬似言語に触れない期間がなくなります。要するに、科目Bは「最後にまとめてやる山」ではなく、「最初から少しずつ登っておく坂」だと考えてください。早めに足をかけておけば、本番までに自然と高さを稼げます。多くの人がつまずく場所を、慌てず越えていけるんです。
なお、ここで挙げた配分は、あくまで序盤の一例です。学習が進んで科目Aの土台が固まってきたら、休日だけでなく平日にも科目Bの時間を増やしていく。後半は「科目B中心+科目Aの弱点つぶし」へと、重心を移していくとちょうどよいバランスになります。
順番は「設計するもの」——分散学習の考え方
ここまで具体的な順番を見てきましたが、その背景には、ちょっとした学習のコツがあります。
それは、「同じ内容を一気に詰め込むより、いくつかの分野を散らして学んだほうが、記憶に残りやすい」という考え方です。順番を設計するという行為そのものが、この効果を引き出します。
一つの分野だけを延々と続けるより、複数の分野を適度に切り替えながら進めるほうが、知識は混ざらず、かえって定着しやすいと言われています。たとえば「今日はテクノロジ系、明日は科目Bのアルゴリズムを少し」と織り交ぜると、それぞれの違いがくっきりして、頭の中で整理されます。順番を考えること自体が、勉強の効きめを高める設計図づくりなんです。
つまり、科目Aと科目Bを並走させるのは、「やることが多くて大変」だからではなく、「散らして学ぶと定着しやすい」という理にかなった進め方でもある、ということです。一見、回り道に見える並走が、実は近道だったりします。
ただし、切り替えすぎて中途半端になっては逆効果です。1日のなかで「前半は科目A、後半は科目Bを少し」のように、ゆるくブロックを分けるくらいがちょうどいい。あまり細かく刻まず、大きな流れとして「科目A中心→徐々に科目Bを増やす」を意識すれば十分です。
つまずいたら、順番を変えてもいい
最後に、ひとつだけ気楽に構えてほしいことがあります。
ここまで「おすすめの順番」をお伝えしてきましたが、これはあくまで基本形です。実際に進めてみて、しっくりこなければ、順番を変えてしまってかまいません。
- 基本形は科目Aで土台、科目Bは早めに並走
- 科目Aはテクノロジ系から——科目Bと地続きだから
- 科目Bは後回しにせず少しずつ——慣れに時間がかかる分野
- 分野を散らして学ぶと定着しやすい(順番の設計が効く)
- しっくりこなければ順番を変えていい——基本形はあくまで目安
たとえば、アルゴリズムが面白くなってきたなら、科目Bの比重を早めに上げてもいい。逆に、暗記から入るほうが調子が出る人は、マネジメント系を先に固めても大丈夫です。大事なのは「自分が続けやすい順番」を見つけることであって、誰かの正解どおりに進めることではありません。
最初に立てた順番が、最後までぴったり合うことのほうが、むしろ珍しいんです。進めながら、少しずつ調整していく。そのくらいの柔らかさで付き合うほうが、結局は長続きします。順番は、あなたを縛るルールではなく、迷ったときに立ち返れる地図くらいに考えてください。
理解度チェック
ここまでの内容が、どれくらい身についたか確かめてみましょう。
基本情報の勉強順番の基本形について、本文の説明に最も近いものはどれか。
- 科目Aを土台に、科目Bを早めに並走させる
- 科目Bだけを先に全部終えてから、科目Aに入る
- 科目Aをすべて完璧にしてから科目Bを始める
- 科目Aと科目Bを完全に同時並行で進める
解答は 1 です。
科目Aで知識の土台をつくりつつ、科目Bにも早い時期から少しずつ触れておくのが、つまずきにくい組み立てです。最初は科目Aを厚めに、後半で科目Bの比重を上げていきます。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ 正解 | 土台+早めの並走が基本形 |
| 2 | ✗ 誤り | 科目Aが土台なので先に厚く |
| 3 | ✗ 誤り | 科目Bの後回しは危ない |
| 4 | ✗ 誤り | 完全同時ではなく重さを変える |
重さの置き方を、少しずつ移していきましょう。
科目Aを始めるとき、最初の入り口として本文がすすめている分野はどれか。
- ストラテジ系(経営戦略・法務・企業活動)から
- マネジメント系(プロジェクト管理)から
- テクノロジ系(コンピュータ・基礎理論)から
- 科目Bのアルゴリズムから先に始める
解答は 3 です。
テクノロジ系は、科目Bのアルゴリズムやセキュリティと地続きです。先に進めておくと、それ自体が科目Bの準備運動を兼ねるので、入り口に向いています。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 後半でも追いつきやすい分野 |
| 2 | ✗ 誤り | 中盤に回しても進めやすい |
| 3 | ✓ 正解 | 科目Bと地続きの土台になる |
| 4 | ✗ 誤り | 科目Aの土台づくりが先 |
迷ったら、テクノロジ系を入り口にしてみてください。
科目B(アルゴリズム)の進め方として、本文の説明に最も近いものはどれか。
- 科目Aがすべて終わるまで一切触れない
- 早い時期から少しずつ触れて慣れておく
- 知識を暗記するだけで演習はしない
- 試験の直前にまとめて一気に詰め込む
解答は 2 です。
科目Bは「慣れ」に時間がかかる分野です。直前の詰め込みでは身につきにくいので、早い時期から1日1問でも触れて、手を動かして慣れておくのがコツです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 後回しにすると慌てる |
| 2 | ✓ 正解 | 早めの並走で慣れを稼ぐ |
| 3 | ✗ 誤り | 手を動かす演習が必要 |
| 4 | ✗ 誤り | 直前の詰め込みは届きにくい |
最初は1日1問からで大丈夫です。
「自分なりの順番が、組み立てられそう」と感じてもらえたなら、編集部としては嬉しいです。
科目Aと科目Bを並走させる練習を、手軽に始めたいなら、4択問題を1問ずつ解けるシカクエのアプリも、選択肢の一つに入れてみてください。1日10問のリズムで、分野を散らしながら積み重ねられます。
もちろん、市販のテキストや過去問サイトで順番を組むのも、まったく問題ありません。自分が続けやすいやり方を、いちばんに考えてください。
次に読むなら、こんな記事もどうぞ。
→ 配列・リスト — 科目Bの土台になる、データの並べ方の基本 → IPA擬似言語構文 — 科目Bで読み解く、アルゴリズムの書き方 → 論理回路 — テクノロジ系の入り口、コンピュータが計算する仕組み