目安は「未経験で、おおよそ200時間」
まず、ざっくりした目安からお伝えします。
IT未経験の人が基本情報に合格するには、おおよそ200時間前後の勉強が必要、とよく言われます。もちろん、これはあくまで目安です。人によって、もっと短く済むこともあれば、長めにかかることもあります。
未経験でおおよそ200時間 が、ひとつの目安としてよく挙げられます。ただし、ITの経験がある人はもっと短く、苦手分野に時間をかけたい人は長めに——と、幅があります。大事なのは「正確に200時間こなすこと」ではなく、「基準点に届くまで続けること」。数字は、計画を立てるための目印くらいに捉えてください。
なぜ「目安」と念を押すかというと、出発点が人それぞれだからです。これまでパソコンにあまり触れてこなかった人と、仕事で日常的にシステムを使っている人とでは、スタート地点が違います。同じ200時間でも、進み方は変わって当然なんです。
だから、「200時間も無理かも」と最初から諦める必要はありません。逆に「200時間やれば必ず受かる」と思い込むのも、少し違います。自分の出発点を見ながら、必要なだけ積み上げる——その柔らかい構えが、いちばん現実的です。
つまり、200時間という数字は、ゴールまでの距離を測るための「ものさし」です。ものさしがあれば、「いまどのあたりにいるか」「あとどれくらいか」が見えてきます。距離が見えると、毎日の一歩に意味が生まれる。逆に、距離が分からないまま走ると、不安ばかりが大きくなってしまいます。だからこの数字は、怖がるためではなく、落ち着いて前へ進むために使ってほしいんです。
ちなみに、200時間という目安は、特別に多いわけでも少ないわけでもありません。週に5時間なら、40週。1年かけずに届く範囲です。毎日まとまった時間が取れなくても、すきま時間を足し合わせれば、十分に手の届く量だと分かります。
200時間の「内訳」を見てみる
200時間と言われても、何にどう使うのか分からないと、計画になりません。ざっくりとした内訳を見てみましょう。
基本情報の勉強は、大きく「科目A」と「科目B」の2つに分かれます。性格がちがうので、時間の使い方も変わってきます。
勉強時間のざっくりした配分(目安)
| 範囲 | 主な中身 | 時間の使い方 |
|---|---|---|
| 科目A | IT全般の基礎知識を広く | テキスト+過去問の繰り返し |
| 科目B | アルゴリズム・情報セキュリティ | 手を動かす演習に厚めに |
| 仕上げ | 模擬・弱点つぶし | 直前期にまとめて |
科目Aは、範囲は広いけれど、一つひとつは基礎的。テキストで知識を入れて、過去問で定着させる、という王道のやり方が効きます。暗記の要素も多いので、すきま時間とも相性がいい部分です。
いっぽう科目Bは、知識を入れるだけでは届きません。たとえばグラフ表現のようなデータの扱い方や、正規表現のようなパターンの読み解きは、実際に手を動かして慣れる時間が必要です。だから、科目Bには、少し厚めに時間を取っておくのが安心です。
要するに、科目Aは「覚える」、科目Bは「慣れる」。性格がちがうぶん、同じ時間でも、効くやり方が変わってきます。科目Aは、すきま時間にテキストを読んだり、過去問をぱっと解いたりするのが向いています。科目Bは、まとまった時間を取って、じっくり手を動かすのが向いています。この使い分けを知っておくだけで、限られた時間の効きめが、ぐっと上がります。
もちろん、配分は人それぞれです。科目Aの暗記が得意な人は、その分の時間を科目Bに回せます。逆に、アルゴリズムに苦手意識がある人は、科目Bを早めに、長めに見ておくと安心です。自分の得意・不得意に合わせて、配分を調整していきましょう。
コツは「科目Bを早めに、厚めに」
内訳のなかでも、いちばん意識してほしいのが、科目Bの扱いです。
多くの人が、つい後回しにしてしまうのが科目B。暗記でなんとかなる科目Aを先に進めて、アルゴリズムは「あとでまとめて」と思いがちです。でも、これは少し危険な進め方かもしれません。
科目Bのアルゴリズムやセキュリティは、暗記ではなく「慣れ」で伸びる分野です。わかりやすく言うと、直前にまとめて詰め込んでも、なかなか身につきません。早い時期から、毎日少しずつ触れておく。そうやって「慣れる時間」を確保することが、200時間を有効に使うコツです。
たとえば、セキュリティの分野で出てくるデジタル署名のような仕組みも、一度で完璧に理解しようとせず、何度も触れるうちに「あ、こういうことか」と腑に落ちていきます。理解は、回数を重ねるほど深まる。だから、科目Bは「早めに始めて、長く付き合う」のが正解です。
逆に言えば、科目Bさえ味方につけてしまえば、合格はぐっと近づきます。多くの人がつまずく場所を、早めに越えておく。それが、遠回りに見えて、いちばんの近道だったりします。
1日1時間なら、半年強。スケジュールの組み方
200時間を、毎日に落とし込んでみます。
1日1時間のペースなら、200日。およそ半年強で合格圏に入ってくる計算です。休日にまとめて取れる人なら、もう少し短くなります。逆に、忙しくて平日が取れない人は、もう少し長めに見ておくと、無理がありません。
ペース別の、ざっくりした目安
ここで大事なのは、「自分の生活に、無理なく組み込めるペース」を選ぶこと。理想の計画を立てても、続かなければ意味がありません。むしろ、少し物足りないくらいのペースから始めて、慣れたら増やす——そのほうが、結局は長続きします。
正直なところ、いちばんの敵は「完璧な計画」です。きっちり立てすぎると、一日できなかっただけで「もうダメだ」と挫けてしまう。それより、「だいたいこのくらい」というゆるい目安で、淡々と続けるほうが、ゴールにたどり着きやすいんです。
噛み砕いて言うと、計画は「守るもの」ではなく「だいたいの方向を示すもの」くらいに考えておくといい、ということです。予定どおりにいかない日があっても、それで全部が台無しになるわけではありません。できなかった分は、別の日に少し取り戻せばいい。そのくらいの気楽さで付き合うほうが、半年という長い道のりを、最後まで歩ききれます。
もうひとつ、習慣にしてしまうのも有効です。「朝、コーヒーを淹れたら1問解く」「寝る前に5分だけ過去問を見る」——こんなふうに、すでにある生活のリズムに、勉強をくっつけてしまう。意志の力に頼るより、仕組みに頼るほうが、続けるのはずっと楽になります。
時間を「効かせる」——間隔をあけて思い出す
最後に、同じ時間でも、効き目を高めるコツを一つ。
覚えたことは、放っておくと忘れていきます。これは誰にでも起きる、自然なこと。そこで役に立つのが、「間隔をあけて思い出す」という勉強の仕方です。
一度に詰め込むより、間をあけて何度も思い出すほうが、記憶は定着しやすいと言われています。たとえば、今日覚えたことを、明日もう一度、数日後にもう一度、思い出してみる。要するに「忘れかけた頃に、また会う」を繰り返すと、知識が長く残ります。シカクエが1日10問の積み重ねをすすめるのも、この考え方を応用したものです。
具体的には、過去問を「一度解いて終わり」にせず、間をあけて何度か解き直すのがおすすめです。一回目は解けなくても大丈夫。二回目、三回目と繰り返すうちに、自然と身についていきます。同じ200時間でも、この「思い出す」を意識するだけで、定着のしかたが変わってきます。
ポイントは、「思い出せなかった」を落ち込む材料にしないこと。むしろ、思い出せなかった問題こそ、いま覚え直すチャンスです。忘れる→思い出す、を繰り返すたびに、記憶は少しずつ強くなっていきます。だから、間違いは敵ではなく、定着を助けてくれる味方。そう捉えられると、復習が前向きな時間に変わります。
- 勉強時間の目安は未経験でおおよそ200時間(あくまで目安・幅あり)
- 内訳は科目A(基礎知識)+科目B(アルゴリズム・セキュリティ)
- コツは科目Bを早めに、厚めに——慣れがものを言う分野だから
- 1日1時間なら半年強。無理なく続けられるペースを選ぶ
- 同じ時間でも「間をあけて思い出す」と定着しやすい
数字に圧倒されず、毎日に落とし込めば、200時間は「越えられない壁」ではなくなります。今日の1時間が、半年後のあなたをつくります。小さな積み重ねを、どうか信じてみてください。
理解度チェック
ここまでの内容が、どれくらい身についたか確かめてみましょう。
基本情報の勉強時間の目安について、本文の説明に最も近いものはどれか。
- 誰でも必ず200時間ぴったりかかる
- 未経験でおおよそ200時間が目安だ
- 経験の有無にかかわらず一定である
- 100時間を超えることはまずない
解答は 2 です。
未経験の人で、おおよそ200時間が目安とされています。ただし、ITの経験がある人は短く、苦手があれば長めに、と幅があります。つまり、正確な数字より「基準点に届くまで続ける」ことが大切です。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | ぴったり同じではなく幅がある |
| 2 | ✓ 正解 | 未経験で約200時間が目安 |
| 3 | ✗ 誤り | 経験で必要時間は変わる |
| 4 | ✗ 誤り | 200時間前後が目安とされる |
数字は、計画を立てるための目印くらいに捉えてください。
科目B(アルゴリズム・セキュリティ)の進め方として、本文の説明に最も近いものはどれか。
- 早めに始めて、厚めに時間をかける
- 直前にまとめて一気に詰め込む
- 暗記だけで対応し、演習はしない
- 科目Aがすべて終わってから始める
解答は 1 です。
科目Bは暗記ではなく「慣れ」で伸びる分野です。直前に詰め込んでも身につきにくいので、早い時期から毎日少しずつ触れて、慣れる時間を確保するのがコツです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ 正解 | 早めに厚めが基本 |
| 2 | ✗ 誤り | 詰め込みでは身につきにくい |
| 3 | ✗ 誤り | 演習で手を動かす必要がある |
| 4 | ✗ 誤り | 後回しにすると危ない |
多くの人がつまずく場所を、早めに越えておきましょう。
覚えたことを定着させる方法として、本文の説明に最も近いものはどれか。
- 一度で完璧に覚え、二度と見直さない
- ひたすら一気に詰め込んで終わらせる
- 同じ問題は二度と解かないようにする
- 間をあけて何度も思い出すようにする
解答は 4 です。
覚えたことは放っておくと忘れていきます。だからこそ、間をあけて何度も思い出すほうが、記憶は定着しやすいと言われています。過去問も、間をあけて解き直すのがおすすめです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 見直さないと忘れていく |
| 2 | ✗ 誤り | 一気の詰め込みは残りにくい |
| 3 | ✗ 誤り | 解き直しで定着する |
| 4 | ✓ 正解 | 間をあけて思い出すと残る |
「忘れかけた頃に、また会う」を繰り返してみてください。
「200時間、なんだか組み立てられそう」と感じてもらえたなら、編集部としては嬉しいです。
間をあけて思い出す勉強を、手軽に続けたいなら、4択問題を1問ずつ解けるシカクエのアプリも、選択肢の一つに入れてみてください。1日10問のリズムで、無理なく積み重ねられます。
もちろん、市販のテキストや過去問サイトで進めるのも、まったく問題ありません。自分に合うやり方で、無理なく続けていくのがいちばんです。
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→ グラフ表現 — つながりをデータで表す、科目Bで出てくる考え方 → 正規表現 — 文字列のパターンを記述する、実務でも役立つ技術 → デジタル署名 — データが本物だと確かめる、セキュリティの基本