内部統制とは(全体像)
内部統制とは、会社が、業務を正しく・信頼できるように、自分たちでルールを作り、守れているかをチェックするしくみのことだ。不正やミスを防ぎ、信頼できる経営をするための土台になる。
ここで一番のポイント。上場企業には、内部統制が「義務」だ。これを定めているのがJ-SOX(金融商品取引法の内部統制報告制度)。上場企業は、内部統制が整っているかを報告する書類を出す必要がある。「内部統制は、やってもやらなくてもよい任意のもの」と思い込むと誤りになる。
詳しく:COSOの5要素とJ-SOXの6要素
ここが心臓部。内部統制の「型」として有名なのが、アメリカ生まれのCOSOというフレームワークだ。表で押さえよう。
内部統制の要素
| 区分 | 要素 |
|---|---|
| COSO(5要素) | 統制環境・リスク評価・統制活動・情報伝達・モニタリング |
| 日本版 J-SOX(6要素) | 上の5つに「ITへの対応」を加えた6要素 |
- COSO(アメリカ) … 5つの要素(統制環境・リスク評価・統制活動・情報伝達・モニタリング)からなる。
- 日本版(J-SOX) … COSOの5つに、「ITへの対応」を加えた6つの要素になっている。
「COSOもJ-SOXも要素数は同じ」と思い込むと誤りだ。COSOは5要素、日本版J-SOXはIT対応を足して6要素、と区別しよう。日本では、ITが業務に欠かせないので、IT対応が独立した要素として加わっているわけだ。
なお、J-SOXは2008年からの制度で、対象は上場企業だ。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
内部統制は、「会社が、自分でルールを作り、守れているか自分でチェックするしくみ」のイメージ。つまり、自分たちで律する、信頼の土台だ。
「上場企業は義務」というのは、法律(J-SOX)で、内部統制の報告が求められていること。要するに、やるかどうかは自由ではない。
COSOとJ-SOXの違いは、「アメリカの5要素」と「日本版はIT対応を足して6要素」。つまり、日本版はITの分が1つ多い。
試験のツボ
🔴 一番出る:上場企業は義務
①内部統制は、上場企業にはJ-SOXで義務
②やってもやらなくてもよい任意のものではない
🔴 次に出る:COSOとJ-SOXの要素
①COSO(アメリカ)は5要素
②日本版J-SOXは、ITへの対応を加えた6要素
🟡 押さえると安定:内部統制の正体
①業務を正しく・信頼できるようにするしくみ
②自分たちでルールを作り、守れているかチェックする
よくある間違い
①「内部統制は、やってもやらなくてもよい任意のものだ」→ ✗ 上場企業には、J-SOXで義務づけられている。
②「COSOも日本版J-SOXも、要素の数は同じだ」→ ✗ COSOは5要素、日本版J-SOXはIT対応を加えた6要素。
③「内部統制は、社外の人が会社に押しつけるルールだ」→ ✗ 内部統制は、会社が自分たちで作り、守れているかをチェックするしくみ。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(内部統制の正体)
内部統制に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 業務を正しく・信頼できるよう、会社が自分で管理するしくみである
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 3 だ。
内部統制は、業務を正しく・信頼できるよう、会社が自分で管理するしくみである。不正やミスを防ぐ土台なのだ。
選択肢1は給与計算、選択肢2は請求書の事務、選択肢4は広告で、どれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 3 | ✓ | 会社が自分で管理するしくみで正しい |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(上場企業は義務)
内部統制とJ-SOXに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 内部統制は、すべての会社が、やってもやらなくてもよい任意である
- 内部統制は、社員の給与を計算する会社だけに義務づけられている
- 内部統制は、取引先へ請求書を郵送する会社だけに義務づけられる
- 上場企業には、J-SOXによって内部統制が義務づけられている
解答は 4 だ。
上場企業には、J-SOXによって内部統制が義務づけられている。やるかどうかは自由ではないのだ。
選択肢1の「任意」、選択肢2の給与計算、選択肢3の請求書の事務は、いずれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 任意ではない |
| 2 | ✗ | 給与計算の会社だけではない |
| 3 | ✗ | 請求書の事務の会社だけではない |
| 4 | ✓ | 上場企業はJ-SOXで義務で正しい |
オリジナル問題3(COSOとJ-SOXの要素)
COSOと日本版J-SOXの要素に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- COSOは6要素、日本版J-SOXは5要素だとされているものである
- COSOは5要素、日本版J-SOXはIT対応を加えた6要素である
- COSOもJ-SOXも、社員の給与を計算する要素だけだとされる
- COSOもJ-SOXも、取引先へ請求書を郵送する要素だけだとされる
解答は 2 だ。
COSOは5要素、日本版J-SOXはIT対応を加えた6要素である。日本版はITの分が1つ多いのだ。
選択肢1は要素数が逆、選択肢3は給与計算、選択肢4は請求書の事務で誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 要素数が逆になっている |
| 2 | ✓ | COSO5・J-SOX6で正しい |
| 3 | ✗ | 給与計算の要素ではない |
| 4 | ✗ | 請求書の事務の要素ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 内部統制 = 業務を正しく・信頼できるよう、会社が自分でルールを作り、チェックするしくみ。
- 🔴 上場企業は義務 = J-SOX(金融商品取引法の内部統制報告制度)で、上場企業に義務づけ。
- 🟡 COSOとJ-SOXの要素 = COSO(アメリカ)は5要素、日本版J-SOXはIT対応を加えた6要素。
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執筆: SikakuQuest編集部