個人情報保護法とは(全体像)
個人情報保護法は、生きている個人を特定できる情報(個人情報)を、会社などが正しく扱うためのルールを定めた法律。氏名や、ほかの情報と組み合わせて誰だかわかるものが個人情報にあたる。
ポイントは、情報の扱われ方によって3つの段階に分かれ、段階が進むほど会社の責任が重くなること。そして、集めた情報を勝手に使ったり、他人に渡したりしてはいけないルールがあり、それを個人情報保護委員会という国の機関が見張っている。
詳しく:3段階の区分と義務を押さえる
ここが心臓部。まず情報の3段階を表で整理しよう。
個人情報の3段階
| 段階 | やさしく言うと |
|---|---|
| 個人情報 | 氏名など、だれの情報かを特定できる情報 |
| 個人データ | 個人情報を、検索できるように整理(データベース化)したもの |
| 保有個人データ | 会社が持っていて、本人が開示などを求められるもの |
特に大事な2つを掘り下げよう。
ひとつめ。他人(第三者)に渡すには、原則として本人の同意が必要。集めた個人情報を、別の会社などに渡す(第三者提供)ときは、あらかじめ本人の同意を得るのが原則だ。勝手に渡してはいけない、という点がよく問われる。
ふたつめ。会社にはいくつかの義務がある。①何に使うか(利用目的)を決めて知らせる、②正しい方法で集める、③漏れないように安全に管理する、④本人からの開示・訂正・利用停止の求めに応じる——など。さらに、情報が漏えいしたときは、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務づけられている(「漏れても任意で知らせるだけ」ではない)。
なお、これらを監督するのは個人情報保護委員会。違反があれば是正の勧告や命令を行い、罰則もある。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
3段階は、「メモ → 住所録 → 渡せる住所録」のイメージ。1枚のメモ(個人情報)を、検索できる1冊の住所録にすると個人データ、その住所録のうち本人が「見せて」と言えるものが保有個人データ。つまり、整理が進むほど扱いがきびしくなるということ。
第三者提供の同意は、「人の連絡先を勝手に他人へ教えない」マナーに近い。渡すなら本人にひとこと許可をもらう。要するに、勝手に渡さず、原則は本人の同意ということ。
試験のツボ
🔴 一番出る:情報の3段階
①個人情報 → 個人データ(整理されたもの)→ 保有個人データ
②段階が進むほど会社の義務が重くなる
🔴 次に出る:第三者提供
①集めた個人情報を他人に渡すには、原則として本人の同意が必要
②勝手に渡してはいけない
🟡 押さえると安定:監督と漏えい時
①監督するのは個人情報保護委員会(違反には勧告・命令、罰則あり)
②漏えい時は委員会への報告・本人への通知が義務(任意ではない)
よくある間違い
①「個人情報と個人データはまったく同じもの」→ ✗ 段階が違う。検索できるように整理(データベース化)すると個人データになる。
②「集めた個人情報は、本人の同意なく自由に他人へ渡せる」→ ✗ 第三者に渡すには、原則として本人の同意が必要。
③「情報が漏えいしても、知らせるかどうかは会社の自由」→ ✗ 漏えい時は、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務づけられている。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(3段階の区分)
個人情報の段階に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 個人情報を検索できるように整理したものが個人データで、段階で扱いが分かれると説明している
- 個人情報と個人データと保有個人データは、すべてまったく同じ意味の言葉だと説明しているもの
- 個人データは個人情報よりも軽い扱いでよく、義務はほとんどないものだと説明しているもの
- 保有個人データは会社が持っていても、本人は一切関与できないものだと説明しているもの
解答は 1 だよ。
個人情報を検索できるように整理(データベース化)したものが個人データで、さらに本人が開示などを求められるものが保有個人データ。段階で扱いが分かれるよ。
選択肢2は「すべて同じ」が誤り、選択肢3は「義務がほとんどない」が誤り、選択肢4は「本人が関与できない」が誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 整理すると個人データで段階が分かれるで正しい |
| 2 | ✗ | 段階ごとに意味が違う |
| 3 | ✗ | 個人データにも義務がある |
| 4 | ✗ | 保有個人データは本人が開示等を求められる |
オリジナル問題2(個人情報保護委員会)
個人情報保護法の監督に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 個人情報の取り扱いを監督するのは、各会社の社長個人だけだと説明しているもの
- 個人情報の取り扱いを監督するのは、国の個人情報保護委員会だと説明しているもの
- 個人情報の取り扱いを監督する機関は、法律上どこにも存在しないと説明しているもの
- 個人情報の取り扱いを監督するのは、情報を渡した本人だけだと説明しているもの
解答は 2 だよ。
個人情報の取り扱いを監督するのは、国の機関である個人情報保護委員会だよ。違反があれば是正の勧告や命令を行い、罰則もあるんだ。
選択肢1は「社長個人だけ」が誤り、選択肢3は「存在しない」が誤り、選択肢4は「本人だけ」が誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 監督するのは社長個人ではない |
| 2 | ✓ | 個人情報保護委員会が監督で正しい |
| 3 | ✗ | 監督する機関は存在する |
| 4 | ✗ | 本人が監督するのではない |
オリジナル問題3(第三者提供)
個人情報を他人(第三者)に渡すときに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 集めた個人情報は、本人の同意がなくても自由に他人へ渡してよいと説明しているもの
- 集めた個人情報は、どんな場合でも他人へ渡すことは一切できないと説明しているもの
- 集めた個人情報を他人に渡すには、原則として本人の同意が必要だと説明しているもの
- 集めた個人情報は、社長が許可すれば本人に関係なく渡せると説明しているもの
解答は 3 だよ。
集めた個人情報を他人(第三者)に渡すには、原則として本人の同意が必要だよ。勝手に渡してはいけないんだ。
選択肢1は「同意なく自由」が誤り、選択肢2は「一切できない」が言い過ぎ、選択肢4は「社長の許可」が誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 原則として本人の同意が必要 |
| 2 | ✗ | 同意があれば渡せる場合がある |
| 3 | ✓ | 原則として本人の同意が必要で正しい |
| 4 | ✗ | 社長の許可で渡せるものではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 3段階 = 個人情報 → 個人データ → 保有個人データ(進むほど義務が重い)。
- 🔴 第三者提供 = 他人に渡すには原則として本人の同意が必要。
- 🟡 監督と漏えい時 = 監督は個人情報保護委員会。漏えい時は報告・通知が義務(任意ではない)。
次に学ぶ
- 労働関連法 ── 同じ「守るルール」でも、対象が働く人。個人情報保護とあわせて法令の全体像を押さえよう。
執筆: SikakuQuest編集部