標本抽出とは(全体像)
標本抽出とは、調べたい全体(母集団)から、一部(標本・サンプル)を取り出して、その結果から全体を推定する方法のことだ。
たとえば、世論調査。国民全員に聞くのは大変なので、一部の人だけに聞いて、全体の意見を見積もる。これが標本抽出だ。
ここで一番のポイント。標本抽出は、全部を調べる「全数調査」ではない。一部を取り出して、そこから全体を推定する。「標本抽出=全部を調べること」と思い込むと誤りになる。
詳しく:無作為性と抽出の種類
ここが心臓部。大切なポイントと、抽出の種類を押さえよう。
標本抽出のポイント
| 項目 | やさしい意味 |
|---|---|
| 単純ランダム抽出 | くじ引きのように、全員を等しい確率で選ぶ |
| 層化抽出 | 母集団をグループ(層)に分け、各層から選ぶ |
| 系統抽出 | 等間隔に、○番目ごとに選ぶ |
| 無作為性 | 偏りなく選ぶこと。標本抽出でいちばん大切 |
抽出のしかたには、単純ランダム抽出(全員を等確率で選ぶ)・層化抽出(グループに分けて各グループから)・系統抽出(等間隔に選ぶ)などがある。
そして、いちばん大切なのが無作為性(ランダム)。偏りなく選ぶことだ。もし、特定の人ばかり選んでしまうと、全体を正しく推定できない。「ランダムに選ぶのは簡単」と思いがちだが、偏りなく選ぶこと(無作為性の確保)は、実はとても重要だ。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
標本抽出は、「全員に聞かず、一部の人に聞いて、全体を見積もること」のイメージ。世論調査が、まさにこれだ。
「全数調査ではない」というのは、全部を調べるのではなく、一部から推定すること。要するに、サンプルで全体をつかむ。
無作為性は、「偏りなく、かたよらずに選ぶこと」。つまり、特定の人ばかりにならないようにする、ということだ。
試験のツボ
🔴 一番出る:標本抽出の正体
①全体(母集団)から一部(標本)を取り出して、全体を推定する
②全部を調べる「全数調査」ではない
🔴 次に出る:無作為性が大切
①偏りなく選ぶ(無作為性)ことが、いちばん大切
②偏ると、全体を正しく推定できない
🟡 押さえると安定:抽出の種類
①単純ランダム・層化・系統・クラスターなど
②世論調査や市場調査で使われる
よくある間違い
①「標本抽出とは、全部を調べる全数調査のことだ」→ ✗ 標本抽出は、一部を取り出して全体を推定する。全数調査ではない。
②「標本は、偏って選んでも、全体を正しく推定できる」→ ✗ 偏ると正しく推定できない。偏りなく選ぶ無作為性が大切。
③「層化抽出とは、全員を等しい確率で選ぶことだ」→ ✗ 全員を等確率で選ぶのは単純ランダム抽出。層化抽出は、層に分けて各層から選ぶ。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(標本抽出の正体)
標本抽出に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 全体から一部を取り出して、全体を推定していく方法のことである
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 3 だぱん。
標本抽出は、全体から一部を取り出して、全体を推定する方法なんだぱん。世論調査のように、一部に聞いて全体を見積もるんだぱん。
選択肢1は給与計算、選択肢2は請求書の事務、選択肢4は広告で、どれも違うぱん。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 3 | ✓ | 一部から全体を推定する方法で正しい |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(全数調査との違い)
標本抽出と全数調査の違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 標本抽出は、全部をもれなく調べる全数調査のことだとされている
- 標本抽出は一部を取り出して推定し、全数調査は全部を調べる
- 標本抽出も全数調査も、社員の給与を計算するための方法である
- 標本抽出も全数調査も、取引先へ請求書を郵送する方法である
解答は 2 だぱん。
標本抽出は一部を取り出して推定し、全数調査は全部を調べるんだぱん。一部か、全部か、の違いだぱん。
選択肢1の「全数調査のこと」、選択肢3の給与、選択肢4の請求書は、いずれも違うぱん。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 標本抽出は全数調査ではない |
| 2 | ✓ | 一部を推定・全数は全部で正しい |
| 3 | ✗ | 給与計算の方法ではない |
| 4 | ✗ | 請求書の事務の方法ではない |
オリジナル問題3(無作為性)
標本抽出で大切なことに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与を計算してから、標本を選ぶことが大切だとされている
- 取引先へ請求書を郵送してから、標本を選ぶことが大切だとされる
- 特定の人ばかりを、わざと選んで集めることが大切だとされている
- 偏りなく選ぶ(無作為性)ことが、標本抽出でいちばん大切である
解答は 4 だぱん。
標本抽出では、偏りなく選ぶ(無作為性)ことが、いちばん大切なんだぱん。偏ると、全体を正しく推定できないんだぱん。
選択肢1の給与、選択肢2の請求書、選択肢3の「特定の人ばかり」は、いずれも違うぱん。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算の話ではない |
| 2 | ✗ | 請求書の事務の話ではない |
| 3 | ✗ | 偏って選ぶのは誤り |
| 4 | ✓ | 偏りなく選ぶ無作為性で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 標本抽出 = 全体(母集団)から一部(標本)を取り出して、全体を推定する方法。
- 🔴 全数調査との違い = 標本抽出は一部から推定、全数調査は全部を調べる。
- 🟡 無作為性が大切 = 偏りなく選ぶこと。偏ると、全体を正しく推定できない。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部