フローチャートとは(全体像)
フローチャートとは、処理の手順(アルゴリズム)を、記号を使って図にしたものだ。「流れ図」とも呼ぶ。上から下へ、矢印に沿って処理が進んでいく様子を、ひと目で分かるように描く。
レシピの手順を、四角や矢印で図にしたものをイメージすると分かりやすい。文章でダラダラ書くより、どこで条件によって分かれるか(分岐)が、図だとすぐ分かる。
ここで一番のポイント。それぞれの記号には、決まった意味がある。たとえば、判断(条件で分かれるところ)はひし形で描く、というように、形と役割が対応している。記号を自由に決めてよいわけではない。
詳しく:主要な記号と、JIS規格
ここが心臓部。主要な記号を表で押さえよう。
フローチャートの主要な記号
| 記号 | 形 | 意味 |
|---|---|---|
| 楕円 | 丸っこい形 | 開始・終了 |
| 長方形 | 四角 | 処理(計算など) |
| ひし形 | 菱形 | 判断(条件分岐) |
| 平行四辺形 | 傾いた四角 | データの入出力 |
| 矢印 | 線 | 流れ(進む向き) |
このうち、とくに出るのがひし形=判断(条件分岐)だ。「もし〜なら」で道が分かれるところは、ひし形で描く。
そして、もう1つ大事なこと。これらの記号は、JIS規格で標準化されている。つまり、誰が描いても同じ意味になるように、形と役割が決められている。「記号は自由に決めてよい」と思い込むと誤りになる。なお、業務の流れを描くBPMNという別の記法とは区別する(BPMNは業務プロセス向け、フローチャートはロジック=処理の流れ向け)。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
フローチャートは、「処理の手順を、記号でつないだ流れ図」のイメージ。レシピや道順を、形と矢印で描いたものだ。
「記号に意味がある」というのは、形ごとに役割が決まっていること。要するに、判断はひし形、処理は長方形、と対応が決まっている。
「JIS規格で標準化」というのは、誰が描いても同じように読める、共通のルールがあること。つまり、記号を勝手に決めてよいわけではない。
試験のツボ
🔴 一番出る:記号と意味の対応
①開始・終了=楕円、処理=長方形、判断=ひし形
②データ入出力=平行四辺形、流れ=矢印
🔴 次に出る:ひし形=判断(条件分岐)
①「もし〜なら」で分かれるところは、ひし形で描く
②条件によって、進む道が変わる
🟡 押さえると安定:JIS規格とBPMN
①記号はJIS規格で標準化されている(自由ではない)
②業務プロセス向けのBPMNとは区別する
よくある間違い
①「フローチャートの記号は、自由に決めてよい」→ ✗ 記号はJIS規格で標準化されている。形ごとに意味が決まっている。
②「判断(条件分岐)は、長方形で描く」→ ✗ 判断はひし形。長方形は、ふつうの処理を表す。
③「フローチャートとBPMNは、まったく同じものだ」→ ✗ BPMNは業務プロセス向け。フローチャートは処理の流れ(ロジック)向けで、区別する。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(フローチャートの正体)
フローチャートに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみだ
- 処理の手順(アルゴリズム)を、記号を使って図にした流れ図だ
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 2 だぱん。
フローチャートは、処理の手順を、記号を使って図にした流れ図なんだぱん。レシピや道順を図にするイメージだぱん。
選択肢1は給与計算、選択肢3は請求書の事務、選択肢4は広告で、どれも違うぱん。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✓ | 手順を記号で図にした流れ図で正しい |
| 3 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(記号の意味)
フローチャートで、判断(条件分岐)を表す記号として、最も適切なものはどれか。
- ひし形で表す(「もし〜なら」で道が分かれて進むところに使う)
- 社員の給与を計算するときだけ、判断の記号を使うとされている
- 取引先へ請求書を郵送するときだけ、記号を使うとされているのだ
- 判断には、決まった記号はなく、自由に選んでよいとされている
解答は 1 だぱん。
判断(条件分岐)は、ひし形で表すんだぱん。「もし〜なら」で道が分かれるところに使うぱん。
選択肢2の給与、選択肢3の請求書、選択肢4の「自由に選ぶ」は、いずれも違うぱん。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 判断はひし形で正しい |
| 2 | ✗ | 給与計算のときだけではない |
| 3 | ✗ | 請求書のときだけではない |
| 4 | ✗ | 記号は標準化されている |
オリジナル問題3(記号の標準化)
フローチャートの記号に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与の計算しだいで、記号の意味が決まるとされているものだ
- 取引先への請求書の枚数しだいで、記号の意味が決まるとされている
- 記号はJIS規格で標準化されていて、自由には決めるものではない
- 記号は、描く人ごとに、自由に決めてよいものだとされているものだ
解答は 3 だぱん。
フローチャートの記号は、JIS規格で標準化されていて、自由に決めるものではないんだぱん。誰が描いても同じ意味になるようにするためだぱん。
選択肢1の給与、選択肢2の請求書、選択肢4の「自由に決める」は、いずれも違うぱん。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算で決まるのではない |
| 2 | ✗ | 請求書の枚数で決まるのではない |
| 3 | ✓ | JIS規格で標準化されていて正しい |
| 4 | ✗ | 自由に決めるものではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 フローチャート = 処理の手順(アルゴリズム)を、記号で図にした流れ図。
- 🔴 記号と意味 = 開始終了=楕円、処理=長方形、判断=ひし形、入出力=平行四辺形、流れ=矢印。
- 🟡 JIS規格・BPMN = 記号はJIS規格で標準化(自由ではない)。業務プロセス向けのBPMNとは区別する。
次に学ぶ
- アルゴリズム ── 問題を解く手順。フローチャートは、その手順を図にして見やすくする道具。
- BPMN ── 業務プロセスを描く記法。フローチャート(ロジック向け)と用途を分けて使う。
執筆: SikakuQuest編集部