DoS・DDoS攻撃とは(全体像)
DoS攻撃(Denial of Service=サービス妨害)とは、ねらったサーバーに、処理しきれないほど大量のリクエストを送りつけて、サービスを止めてしまう攻撃のことだ。お店の電話を鳴らし続けて、本物のお客さんがつながらなくする、いやがらせのようなものだ。
そして、DDoS攻撃(Distributed DoS=分散型)は、ウイルスなどで乗っ取った多数の端末(ボットネット)から、一斉にDoS攻撃をしかけるやり方だ。
ここで一番のポイント。DoSは1か所から、DDoSは多数の端末から分散して攻撃する。「DoSとDDoSは、まったく同じ攻撃だ」と思い込むと誤りで、DDoSは分散しているぶん、より強力で防ぎにくい。
詳しく:DDoSと、対策
ここが心臓部。ポイントを表で押さえよう。
DoS・DDoS攻撃のポイント
| 項目 | やさしい意味 |
|---|---|
| DoS攻撃 | 大量リクエストでサービスを止める |
| DDoS攻撃 | 多数の端末から一斉に行う分散型 |
| ボットネット | 乗っ取った多数の端末の集まり |
| 対策 | CDN・WAF・レート制限などで緩和 |
DDoS攻撃では、多数の乗っ取られた端末の集まり(ボットネット)が使われる。世界中の端末から一斉に攻撃が来るので、「どれが攻撃か」の見分けが難しく、止めにくい。
ここで一番のポイント。DDoSは防げないわけではなく、CDNやWAFなどで被害を緩和できる。CDN(世界中に分散したサーバー網)でアクセスを分散させたり、WAF(防御の壁)やレート制限(一定以上のアクセスを制限)で受け流したりする。「DDoSは対策のしようがない」と思い込むと誤りだ。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
DoS攻撃は、「1人が店の電話を鳴らし続けて、本物のお客さんをつながらなくするいやがらせ」のイメージ。要するに、混雑させてサービスを止める。
DDoS攻撃は、「大勢を動員して、いっせいに電話を鳴らす(より強力で止めにくい)」こと。つまり、分散しているのが違い。
対策は、「電話口を世界中に増やしたり(CDN)、あやしい電話をはじいたり(WAF)して、受け流すこと」こと。
試験のツボ
🔴 一番出る:攻撃の正体
①大量のリクエストでサービスを止める攻撃
②お店の電話を鳴らし続けるようないやがらせ
🔴 次に出る:DoSとDDoSの違い
①DoS=1か所から、DDoS=多数の端末から分散
②DDoSはより強力で、防ぎにくい
🟡 押さえると安定:対策
①CDN・WAF・レート制限などで緩和できる
②「対策のしようがない」わけではない
よくある間違い
①「DoSとDDoSは、まったく同じ攻撃だ」→ ✗ DoSは1か所から、DDoSは多数の端末から分散する。DDoSはより強力。
②「DDoSは、対策のしようがない」→ ✗ CDN・WAF・レート制限などで、被害を緩和できる。
③「DoS攻撃は、データを盗み出す攻撃だ」→ ✗ DoS攻撃は、サービスを止める(妨害する)攻撃。盗み出すのが目的ではない。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(攻撃の正体)
DoS・DDoS攻撃に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 大量のリクエストを送りつけて、サービスを止める攻撃のことだ
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみだ
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 1 である。
DoS・DDoS攻撃は、大量のリクエストを送りつけ、サービスを止める攻撃じゃ。電話を鳴らし続けるいやがらせと心得るがよい。
選択肢2は給与計算、選択肢3は請求書の事務、選択肢4は広告ゆえ、どれも違うのじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | サービスを止める攻撃で正しい |
| 2 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 3 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(DoSとDDoSの違い)
DoSとDDoSの違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与を計算するときだけ、違いが出るとされているものだ
- 取引先への請求書の枚数しだいで、決まるとされているのである
- DDoSは、多数の端末から分散して行う、とても強力な攻撃だ
- DoSもDDoSも、まったく同じものだとされているのである
解答は 3 である。
DoSは1か所から、DDoSは多数の端末から分散して行うのじゃ。DDoSはより強力で防ぎにくいと心得るがよい。
選択肢1の給与、選択肢2の請求書、選択肢4の「まったく同じ」は、いずれも違うのじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算で違いが出るのではない |
| 2 | ✗ | 請求書の枚数で決まるのではない |
| 3 | ✓ | 多数の端末から分散で正しい |
| 4 | ✗ | 分散するかどうかが違う |
オリジナル問題3(対策)
DoS・DDoS攻撃の対策に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与を計算するときだけ、必要だとされているものである
- CDNやWAFなどで、被害を緩和できるものなのである
- 取引先への請求書を郵送するときだけ、必要だとされているのだ
- 対策のしようがなく、いっさい防げないものなのである
解答は 2 である。
対策は、CDNやWAF、レート制限などで被害を緩和できるのじゃ。対策のしようがないわけではないと心得るがよい。
選択肢1の給与、選択肢3の請求書、選択肢4の「防げない」は、いずれも違うのじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のときだけではない |
| 2 | ✓ | CDN・WAFで緩和できるで正しい |
| 3 | ✗ | 請求書のときだけではない |
| 4 | ✗ | 緩和する手立てがある |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 正体 = 大量のリクエストを送りつけ、サービスを止める(妨害する)攻撃。盗むのが目的ではない。
- 🔴 DoSとDDoSの違い = DoSは1か所から、DDoSは多数の端末(ボットネット)から分散して行う、より強力な攻撃。
- 🟡 対策 = CDN・WAF・レート制限などで被害を緩和できる。「対策のしようがない」わけではない。
次に学ぶ
- サプライチェーン攻撃 ── 取引先などを経由してねらう攻撃。組織編で上位の常連。
- ランサムウェア ── 身代金を要求するマルウェア。ボットネットは、両方の攻撃に使われる。
執筆: SikakuQuest編集部