【行政書士の実務】貸したお金が返らない──内容証明郵便の文面をどう作る?
依頼者から、こんな相談が届く。
「友人に30万円を貸したのですが、期日を過ぎても返してもらえません。返してほしいと伝えたいのですが、あとで証拠が残る形にしたいです。貸した日は今年の4月1日、返済期日は6月30日で、すでに過ぎています。」
行政書士の実務では、内容証明郵便の文面づくりはよく扱う仕事。力になるのは、こうして事実と請求を、証拠として残る形で淡々と組み立てられたときだ。この記事では、その要点を整理する。
この記事は、学習アプリ「シカクエ」の実務クエスト「内容証明郵便の文面づくり」を読み物として再構成したもの。人物・案件はすべて架空です。
まず結論:感情でなく「事実と請求」を明確に
内容証明は、あとで「いつ・何を求めたか」を示す証拠になる。だから文面は、感情的な表現ではなく、いくらを・いつ貸し・いつが期日で・いつまでに支払えという事実と請求を、淡々と明確に書くのが要点だ。
入れるべき4つの要素
- 貸した事実:いつ、いくらを、返済期日をいつと定めて貸したか。
- 期日を過ぎている事実:返済期日を経過しても返済がないこと。
- 請求:本書面到達後いつまでに、いくらを支払うよう求めるか。
- 今後の予告:支払いがない場合に法的手続きを検討する旨。
この4つを、事実→請求→予告の順で並べると、証拠としても伝達としても整った文面になる。
プロならこう書く
私は貴殿に対し、本年4月1日、金30万円を、返済期日を本年6月30日と定めて貸し付けました。
しかし、返済期日を経過した現在に至るも、ご返済いただけておりません。
つきましては、本書面到達後7日以内に、上記金30万円を下記口座までお支払いくださいますよう請求いたします。万一お支払いいただけない場合は、法的手続きを検討せざるを得ないことを申し添えます。
文面づくりで外したくないポイント
- 事実を特定する:金額・貸した日・返済期日を具体的に書く。
- 支払期限を切る:本書面到達後◯日以内、と明確な期限を示す。
- 感情を持ち込まない:淡々と事実と請求を並べるほうが、証拠として強くなる。
この場面で効いている行政書士の実務力
- 内容証明の性質:いつ・どんな内容を相手に伝えたかを証明できる(証拠になる)
- 背景:貸したお金の返還請求(民法の消費貸借の考え方が土台)
- 文面の型:事実の特定→請求(期限つき)→今後の予告
「事実と請求を淡々と特定する」という実務力が、そのまま証拠に強い文面づくりになっている。
自分でやってみる
学習アプリ「シカクエ」の実務クエストでは、この相談から自分で内容証明の本文を書いて採点を受けられる(架空の練習用)。事実・請求・期限を整理して書けるか、試してみると文面づくりの力が磨かれる。
架空の実務場面をもとにした学習用の解説記事です。実在の会社・物件・取引ではありません。制度は改正されることがあるため、受験年度の最新情報もあわせてご確認ください。