【FPの実務】医療保険に入る前に──高額療養費と傷病手当金を案内する
医療費と休業を心配するお客様から、こんな相談が届く。
「入院や手術でお金がかかったり、長く休んだりしたら生活が心配です。医療保険に入る前に、公的な制度でどこまでカバーされるのか知りたいです。」
FPの実務では、「まず公的制度、次に民間保険」の順で考える。力になるのは、こうしてお客様に公的でどこまで賄えるかを渡せたときだ。この記事では、2つの公的制度を整理する。
まず結論:公的制度でかなり賄える
民間の医療保険を考える前に、まず公的医療保険でどこまで賄えるかを確認するのが効率的。柱になるのが「高額療養費制度」と「傷病手当金」の2つだ。
高額療養費:医療費の自己負担に上限
高額療養費制度は、同じ月にかかった医療費の自己負担額が、所得に応じて定められた自己負担限度額を超えると、超えた分が後から払い戻される仕組み。だから、医療費が青天井にかかるわけではない。「入院で何百万も」という不安は、この制度でかなり和らぐ。
傷病手当金:働けない間の収入を支える
会社員などが病気やケガで連続して働けなくなった場合、健康保険から傷病手当金が支給される。一定の待期期間の後、給与のおおむね3分の2程度が、最長で通算1年6か月まで受け取れる。医療費だけでなく、休業中の収入もある程度支えられる。
だから「公的で足りない分」を民間で
この2つで、医療費と休業の相当部分が賄える。だから民間保険は、公的制度で足りない部分を補うと考えると、無駄のない備えになる。「不安だから手厚く」ではなく「公的を土台に、不足分だけ」が、FPらしい整理だ。
プロならこう案内する
医療費の心配には、まず「高額療養費制度」を知っておくと安心です。同じ月にかかった医療費の自己負担額が、所得に応じて定められた自己負担限度額を超えると、超えた分が後から払い戻されます。
また、会社員の方が病気やケガで連続して働けなくなった場合、健康保険から「傷病手当金」が支給され、一定の待期期間の後、給与のおおむね3分の2程度が最長で通算1年6か月まで受け取れます。
こうした公的制度で足りない部分を民間の医療保険で補う、と考えると無駄のない備えになります。
案内で外したくないポイント
- 高額療養費で自己負担に上限:限度額を超えた分は払い戻される。
- 傷病手当金で休業中の収入:給与の約3分の2、通算1年6か月まで。
- 民間は不足分を補う:公的を土台に、足りない分だけ民間保険で。
この場面で効いているFPの知識
- 高額療養費制度:同じ月の自己負担が所得に応じた限度額を超えた分は払い戻し
- 傷病手当金:待期後、給与のおおむね3分の2程度、最長で通算1年6か月
- 考え方:公的制度でどこまで賄えるかを確認し、不足分を民間保険で補う
「高額療養費と傷病手当金を土台に、不足を民間で」という知識が、そのまま無駄のない備えの案内になっている。
自分でやってみる
学習アプリ「シカクエ」の実務クエストでは、この相談に自分で案内を書いて採点を受けられる(架空の練習用)。公的制度でどこまで賄えるかを、順序立てて伝えられるか、試してみると定着が進む。